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喫茶アトリエ【case4:伊藤朝輝・杉本周平】

喫茶アトリエには今日も団員が集まっていました。
今日のお客さんは幸せについて話しているようです。
忙しいかもしれませんが、少しだけコーヒーを飲んで行きませんか?
心が温まるような会話を聞けそうですよ。

伊藤朝輝:大学1年生。劇団コギト一橋祭公演『7×7のモラトリアム』では、役者を務める。
杉本周平:大学1年生。劇団コギト一橋祭公演『7×7のモラトリアム』では、役者を務める。

杉本:「幸福の便りというものは、待っている時には決して来ないものだ。」

伊藤:「なるほど」

杉本:「はい。太宰治の名言という名節なわけですけど」

伊藤:「待っている間はこないっていう感じ?」

杉本:「待っている間はこない」

伊藤:「なるほどね」

杉本:「はい、幸せは自分で掴み取るものだ。まあ結構一般的な話ではあるんですけど、こういう幸せとは何かみたいなものについて、まずはともき君から」

伊藤:「幸せとは何かについて」

杉本:「こう今までの人生を総じて振り返ってみて、自分の幸せとは何かとか。幸福感をこんな時に感じるかみたいな」

伊藤:「すごいその薄っぺらい言葉にはなるんだけど」

杉本:「うん」

伊藤:「俺楽しくなかったって楽しいって変換していいのかっていうところがあるか。」

杉本:「あーそう。ハッピーがファニーと同意義なんじゃないかっていう」

伊藤:「いや若干違うのかなそれは。“楽しい=幸せ”なんだったら俺は割と人生で楽しくなかった瞬間はないから」

杉本:「うんうんうん」

伊藤:「あの覚えてないから楽しくなかった記憶。」

杉本:「思い出としてね」

伊藤:「そうだからまあ。幸せ。その定義でいくんなら幸せってゆっても差支えないよね。いやわかんない。いやどうだろう。定義が間違ってるかもしれない。」

杉本:「いやそこに関しては多分人によっていいんじゃないかなっていう感じで」

伊藤:「俺は楽しいことが好きだから、“楽しい=幸せ”は別にそれはいいのか」

杉本:「幸せな思い出のフォルダはまあ楽しい思い出フォルダとして同意義として並べられているわけです。」

伊藤:「幸せなフォルダってなに?」

杉本:「幸せな思い出フォルダ。人生振り返ってみて何が楽しかったなっていうところが、自分の幸せのものとしての積み重ねになっていって。」

伊藤:「なるほどね」

杉本:「自分の今の多幸感につながっているのかなっていう感じかな」

伊藤:「なんか幸せだったイベントっていうのを考えるとないかもな。」

杉本:「具体的なイベント」

伊藤:「具体的なイベントで挙げると、なんかちょっとしょうがなく感じてくるな」

杉本:「うんうん」

伊藤:「いやたかがあれだよ。“大学受験通った”とかそんなもんだからね。幸せって言うと 楽しかったって言うとね、高校の体育祭とかはすごく楽しかったから。」

杉本:「今時だとさ、そういう思い出みたいなの幸せみたいなもんさ、結構“悪しきテンプレ”みたいな感じで。その典型的な青春像っていうかさ典型的な成功例と語られて」

伊藤:「いるね、アンチは」

杉本:「あの浅い話感が出てしまうものはあるにはあると思うんだけど、“これは一番いいでしょ幸せでしょうよ。今の日本の中では”って思うんだけど」

伊藤:「なるほど。そのテンプレート」

杉本:「テンプレートを経験しない人はとやかく言うなって思うし、人それぞれ多分みんながみんなある種みんな特別な体験をしたと思うとは思うんだけど。はたから見てみれば、大体がテンプレに当てはまる形であって」

伊藤:「そうだね。大体行事っていうと大体が参加するからね」

杉本:「幸せって個々人が感じるものっていうことはみんな思ってると思うんだけど。まあそういう意味では典型的っていうか幸せのイディアみたいなものは存在して。」

伊藤:「存在して現代日本のね」

杉本:「現代日本のね。だから“受験通った”っていうものをただの文字列で見た時にニュートラルな自分の文字列で見たときにそれを幸せに感じるかっていうのを」

伊藤:「ちょっと待ってそれで幸せじゃないかも」

杉本:「典型的なね。そう。今後受かったから今後の人生がどうっていうことを明確に俺たちは刷り込まされているだけで。」

伊藤:「そうだそう」

杉本:「それを押してきたら嬉しいって言う感じで嬉しいが果たして嬉しいのかって問題あるけど。まあこれは確実にうれしいだろうね」

伊藤:「まあうんそうね。思考の流れとしては幸せっていう感じで発信はしてるんだろうね。」

杉本:「前向きに騙され続ける人生なんてね多分一番いいと思う。楽しい。そのまま死ねば。死んじゃえばいいから楽しいから」

伊藤:「騙され、“騙されてる”っていう言い方がちょっとあれだよね。まあ騙されてるっていうか?」

杉本:「いうと思う。恋は騙し騙されてなんぼだと思う」

伊藤:「あー」

杉本:「みんな色々あるからね。まあ俺の話はいいんだ。」

伊藤:「騙された騙された」

杉本:「俺のいいんだ。俺の話は良くて。俺の幸せ感に移らせてもらうけど」

伊藤:「いいいよ全然」

杉本:「その具体的な定義っていうよりかは1種のイメージなんだけど。そのイケアとかコストコとかの帰りに奥さんと子供2人とで行って、疲れ果ててたくさん買って車の中パンパンで買えるんですよ。高速道路首都高なり。」

伊藤:「オッケーオッケー」

杉本:「京葉道路を走るんですよ」

伊藤:「はい」

杉本:「その夕方9時ぐらいに子供がうとうとしてて寝ながら後ろに子ども乗せて、奥さん乗せて、車を運転してる自分っていうビジョンがおそらく今の自分の中で一番幸せなビジョンなのかなって思うな。こういう感じで一つ一つ一つずつのなんとなくの今後こうなれた幸せだろうなって言うイメージを持ちながら生きてきて、こうなるように頑張ってるっていう方向性で言ってるんだけど。」

伊藤:「なるほどね」

杉本:「どこで刷り込まれたのかわからない」

伊藤:「ええ、自分でそれやってパって思いついたわけではないのね」

杉本:「わけではない。多分その、これはねそのなんだっけな。」

伊藤:「確かにね。誰に聞いても今のは幸せっていう」

杉本:「まあひねくれた人どうだかわからないけど。これスヌーピーのブラウンが言ったセリフなんだけど“安全っていうものはお父さんの運転する車の後部座席でうとうとすることだよ”みたいな感じのことを言ってたんで。まあこれに俺は結構感銘を受けて。」

伊藤:「うん、まあ近いね。状況としては」

杉本:「そう。まあ子供の頃振り返ってみても自分が子どもの立場であって。」

伊藤:「ブラウン刷り込んできたの?」

杉本:「刷り込んできたと思う」

伊藤:「子ども立場で。そうあそっかそっか立場が違うから。」

杉本:「そうそう。俺は典型的なそういう家族ものとか友情ものとかの幸せを感じたい」

伊藤:「分かる」

杉本:「典型的なものに幸せを感じる自分を誇りたいってある種思いが」

伊藤:「絶対悪いことじゃないはずだからね、色々言われたりはするけど。」

杉本:「うん、一番いいんじゃないかなって思うな。」

伊藤:「うん、あえてそれをいいって言っていくのは。あえてっていうかあえてだね正直。その王道っていうのは今、割とそんな好かれてない。」

杉本:「好かれてない。」

伊藤:「そ大事だよ。イケア行った方がいい。」

杉本:「イケア・コスト帰りの高速道路ね。家族と一緒の。」

伊藤:「高速乗るんだ」

杉本:「高速道路帰りなんですよ。土曜日の夜だとなおいい。」

伊藤:「高速乗るんだイケアとか」

杉本:「おいおい。田舎を馬鹿にしてんのか。俺のところは高速乗んないといけないからね」

伊藤:「高速ね。そうなんだ。イケア。まあまあまあコストコはどうなんだろう。でも川崎にあるしな。」

杉本:「神奈川出たほうがいい。そういうさ、ふっと自分の中で思う幸せのビジョンって何?そうあるじゃん。そういうイメージ像みたいな感じの。一枚絵としてさぁ。」

伊藤:「でもね奥さんがすごい欲しいなあ、そこに。すごく欲しい。」

杉本:「一枚絵としてどういうビジョンが自分の中で持ってるかな。」

伊藤:「なんだろうね。今より幸せっていう話でしょ。」

杉本:「今より幸せ。ふっと幸せって思う瞬間。まあ経験してることでもいいと思うけど。」

伊藤:「子供の出産とか立ち会ってみたいなあ」

杉本:「思うよね」

伊藤:「いやそのまだねあの感覚は全然ないんだけど、ないんだけど漠然となんかあるじゃん出生主義みたいなあるじゃん。いやまあ悪いとは思わないんだけど自分には絶対当てはまらないなって思って。」

杉本:「結構俺たちはあれだね。典型的な家族っていう」

伊藤:「いやそうだね。そう典型的なの。いやだから、その、親から愛を受けて育ったんだと思うよ。」

杉本:「それは非常に思いますね。」

伊藤:「そうじゃない?家庭環境悪い人がさ、親子のいい面って言わないでしょ。」

杉本:「ただ家庭環境について思うことだけど、一方的な愛を受け取るっていうのもあると思うんだけど、そういう家庭環境が良し悪しっていうのは、親が悪いことが。俺が言う立場じゃないよ。無いと思うんだけど、ある種、親と子の相互関係から成り立つものであって。伊藤:「どっちにも責任あるけど」

杉本:「どっちにも責任があるって話で、悪いのは多分まあ親だけのせいじゃないっていうこともまあ少なくはないんだろうなって思う。」

伊藤:「育て方が有るわけじゃん結構初期の段階で。いやそのいやそこに悪意はなかったとしても、何だろうな、子どもの素行が悪くなったりとかの原因はワンちゃんそこにあってしまうんじゃないかなっていう。その無から生まれるわけじゃん赤子は。そっからまた色を塗られていくわけだからその子供は悪とできるのかっていうのは分かんないけど。」

杉本:「そうだね、うん。そう多分家庭だけだったらいいんだよでも社会手段なんて まあ六歳ぐらいからもうどんどんどんどんに変わっていくわけで、そこで親じゃない大人と会ってどう感じるかにすごくよるな」

伊藤:「で、もう大人無理だなとか思っちゃったら、親にも当たっちゃう」

杉本:「当たっちゃって。ディスコミュニケーションが続いていくのは結構この大学だと、ちょい聞くのかな。」

伊藤:「いるんだ」

杉本:「結構いる。親と悪い人は結構いる。」

伊藤:「あ、そうなの。俺多数派がいいのがこの学校で学内ではなんか割とみんなそう」

杉本:「でも少なくはあると思うな。」

伊藤:「でもいるにはいるんだ。」

杉本:「いるにはいるだろう。まあどこの集団でもそうだと思うけれど。ものすごい決定的までの不仲っていうのはいないのかな。」

伊藤:「もう家出しますとか。」

杉本:「そうそうそうそうそう」

伊藤:「もう嫌だから家出てこっち一人暮らししてますみたいなそんなレベルはいないよね」

杉本:「そんなレベルまではいないと思う。“したい”と思ってる人はいるだろうけどね 実家暮らしだろうから。」

伊藤:「実家暮らし勢はね。まあこっちに来てくださいって話なんだけど。俺たちの幸福のためにね。」

杉本:「俺はね、あの親2人と妹1人でペットもいるで」

伊藤:「ペットいるんだ。」

杉本:「ペットもいる。犬2匹猫5匹」

伊藤:「多くない?」

杉本:「大型犬2匹、猫5匹。割と裕福かつペットの方が多いかつ結構たくさんの愛を受けて育ってきたので。」

伊藤:「周辺はでもそういうイメージがあるは。すごく育ちがいいんだろうなっていう感じ。」

杉本:「悪いって言うと多分殴られるぐらい良くはあるから。ともきも普通のいい親だよね。親との関係は良好ではあるんじゃない?」

伊藤:「まあそうだね。親が賢かったんだろうね。多分。特別裕福っていう訳じゃないだろうけ、どそうまあ裕福でもあるよ。多分。」

杉本:「これ俺はそうやって育ってきたからさ、いざ自分が親の番になったときに、自分が受けたものと同じ量、またはそれ以上のものが自分の子供にあげられるのかって思った時に不安で不安でしょうがないっていうか。」

伊藤:「親と同じものを?」

杉本:「親と同じぐらいの物は。あげるって言うのもあれだけどね。」

伊藤:「猫5匹の愛情」

杉本:「猫犬猫はまあ置いといて。同じだけのね、ものを得られる環境をつくってあげることができるのかっていうことが。」

伊藤:「まあ立派に育っちゃったからね。今のところ。今のところ子供としては立派に育ってる。大人にはなってないかもしんないけど、子供として結構立派なところに今いるから。」

杉本:「まあね。典型的な像としては。」

伊藤:「そうそうそう、それは典型的な像としては。まあいいもんだから。」

杉本:「いいものではある。」

伊藤:「うん、次の世代か。そう子供はちょっと不安な。そりゃそうだな。うん。そりゃそうだ。」

杉本:「すごい欲しいよね。欲しくない?欲しいよね」

伊藤:「いや欲しい子供は。」

杉本:「欲しい」

伊藤:「すごいほしいけど、将来の自分の年収を考えたときに。共働きしないとダメだなって」

杉本:「ダメだね。ちょっとお金がかかりすぎますよ」

伊藤:「そう」

杉本:「どういう風に育てようって思っちゃうんだよな。」

伊藤:「学費が高いしね。食事も高いし。そっからまた、なんかね。うん、いやそのあれじゃん。食費とかさ、もうローンとかさ全部払った上でさ学費が入るからね。だいぶ厳しいよな。」

杉本:「自分の子供頭いいとこ通わせる?」

伊藤:「いや中高一貫には絶対入れないと思う」

杉本:「同じ考えです。俺がそうだったから。まあここら辺から少しずつ親のエゴっていうのが生まれてくるんだろうね。」

伊藤:「そうだね」

杉本:「昔、自分がそれちょっとエゴじゃないって思ってた部分はあるけど、いざ自分が親になってみたら同じことをさせるかもしれません。」

伊藤:「その、いや、無力感からくると思うんだよ。その頭いいところに通わせないは。そのなんだろう、自分より賢いところに通わせたらアドバイスができなくないっていう。あの親からのさ。」

杉本:「そうかな?それとこれはちょっと違うのかなって俺は思ってるな。アドバイスはできるものとして。なんなら親より成長することが至高じゃない?」

伊藤:「もうアドバイスとかする立場じゃなくて」

杉本:「そうそうそう。友達みたいな。」

杉本:「自分のあれからこんなものが生まれたんだって思うと」

伊藤:「嬉しい」

杉本:「大変喜ばしいことじゃないかな。」

伊藤:「すごい嬉しいけど」

杉本:「俺にはこんな力があったんだって思えるくらいの」

伊藤:「お前の力になるの?」

杉本:「俺の力になる。俺の力に。」

伊藤:「俺の子孫を残した。それの能力なんだ。なるほど。」

杉本:「俺たちお互いにさ、中高ではさ、割と典型・・・。典型的なって言い過ぎだな。」

伊藤:「嫌、でもさ公立でしょ?」

杉本:「公立」

伊藤:「そうだよね」

杉本:「中高公立」

伊藤:「中高公立で。小中高公立で。まあ私立なんて幼稚園ぐらいだな。」

杉本:「幼稚園そうだったんだ。まあそれはな、場所によるからな。だいぶな。」

伊藤:「一番近いのが私立」

杉本:「そうそうそう」

伊藤:「うん、まあそれも高かったかな。わかんないけど。まあ高校の学費ぐらいはあるんだと思う。うん。いやまあそうだね金はかかってない方だと思う。なんだかんだ大学の国立に入ってるわけだから。」

杉本:「俺かかっちゃった。かかっちゃったけど」

伊藤:「どんぐらいかかるって言ったらちょっとあんまりよくない話なのか。」

杉本:「まあそれは。どのぐらいかかるかは置いておいて。かかるって言っても。でもなんか、落ちて、浪人するって時に、眉一つ変えずに『あーわかった予備校行こうか』って納得してくれたから。そう、俺達に使わせてもらえるお金の量っていうものはすごいありがたかったし。(お金が)あったとしても俺たちに使うかどうかは否かってものは結構考えものだけど。何て言ったらいいのかな。適度な無干渉と、充足したサポートが併用されるような家庭環境でのびのびと育っている。のびのびと。」

伊藤:「無干渉って大事なのかなやっぱり」

杉本:「いや本当。だから何て言ったらいいのかな。一線を引いておいて、その手前までは絶対に何も言わないっていうルートでいてくれて。」

伊藤:「なるほどね。もうここまでは」

杉本:「もう全部好きにやっていいから」

伊藤:「支援はします。好きにやってください」

杉本:「好きにやってください。以上。はい、頑張って!わかったって言って。でも、なんか俺が失敗したときとかは俺以上に泣いてたな。」

伊藤:「失敗したっていうと?」

杉本:「高校は大分失敗しまくったから。色々と色々とね。まあ具体的には何とは無いけど。色々失敗したときとかは自分以上に泣いてた。単純に俺の努力不足が原因だったんだけど殆どがね。」

伊藤:「泣いてくれるんだ」

杉本:「泣いてくれる。すごい。」

伊藤:「泣いてくれるってすごくない?」

杉本:「すごいと思って」

伊藤:「すごいな、それ」

杉本:「引いちゃったんだけど俺が。えって思って。」

伊藤:「引くなよ」

杉本:「なのに、過干渉じゃない部分がなかなかすごいなと思うよ。大体こういうのブームになるのが過干渉の人だと思うんだけど。」

伊藤:「まあそうだね、私のもう分身ぐらいみたいな」

杉本:「思ってるぐらいの。超教育ママぐらいじゃないか」

伊藤:「コントローラー握ってますよって」

杉本:「いうぐらいじゃないと出てこないと思うんだけど。」

伊藤:「落ちちゃったズゴンってだったら悲しい」

杉本:「俺の人生は俺が当事者っていうことが一番理解してくれてる人ではあるなって。どう?これぐらい?」

伊藤:「いやそれはさすがにないわ。泣いたことなんてないよ。」

杉本:「結構過干渉?」

伊藤:「いや干渉は干しないし。なんだろう。無関心じゃ無関心なのかな割と。いやいや無関心であそこまではできないか。いや結構さ、塾の送り迎えとかしてもらったからね。中学のときとか。結構面倒くさいことずっとやってもらってたから。無関心ではないと思うんだけど、そういう感情的なところを見たことはないね。」

杉本:「弁当は作ってた?」

伊藤;「弁当は作ってくれた。高校の時。めちゃくちゃ」

杉本:「でかいんだよな。これ。」

伊藤:「でかい。てか、たまに帰る夕食がうますぎて涙出てくる。」

杉本:「俺もそうだわ。俺もそれ食う目当てに帰ってる節があるからな。」

伊藤:「母親の料理ガチで涙が出てくる。」

杉本:「俺も冬・春休み一ヶ月ぐらい帰ろうかなって思ってる。長えから」

伊藤:「免許はいつのタイミング?」

杉本:「だから免許その時に近所の教習通って取ろうかなって思うぐらいな。合宿じゃなくてね。合宿で行ってもいいんだけどみんなと。」

伊藤:「まあ」

杉本:「30万高いよ。」

伊藤:「高いね」

杉本:「高い。帰ります。それがいい気がする。俺は。」

伊藤:「俺、立川通おうかな。立川で通おうかな。」

杉本:「車の免許取るような。そのドライブに対して楽しい思い出があるからなんだよ。友達とドライブ。俺は地元と周りの友達がね免許持ってない奴が俺しかいないわけなんですね。」

伊藤:「もう社会進出してるからね。」

杉本:「社会進出してますからね。みんな。みんな車持ってるし。車の免許持ってるじゃないんだよ。車持ってんだよ。」

伊藤:「車持ってるんだ。」

杉本:「持ってるんだよ。普通に。」

伊藤:「もう普段使いとかも。」

杉本:「全然してる。何なら車ないと死ぬし。」

伊藤:「ああまあ、田んぼだったな。」

杉本:「ドライブ行って。友達とドライブってできるだけでかなり幸せだと思うんです。そういう友達がいるって一瞬で。」

伊藤:「もうドライブっていうそうだけで」

杉本:「だけで。楽しいでしょ。」

伊藤:「楽しいもんなって言われてもね、俺友達免許持ってないんです。」

杉本:「あっそっか。上がりたてか。」

伊藤:「そう。周りで免許持ってる友達がいなくて。一人これから試験を受けるってゆってたね。あの学校卒業しちゃって。」

杉本:「あーなるほどね」

伊藤:「ぐらいかな。免許持ってるっていうと。」

杉本:「ドライブで江ノ島行った時とかめっちゃ楽しかったよ。男3人。男3人江ノ島までドライブ。」

伊藤:「おもろ。」

杉本:「おもろい」

伊藤:「いいなあ。」

杉本:「夜8時ぐらいにようやく宿をとるっていうみたいな。そういう。」

伊藤:「向こうで泊まったんだ。」

杉本:「泊まって帰ってきた。鎌倉泊まって帰ってきた。」

伊藤:「宿取ってなかったの?」

杉本:「無かった。思ったより遅くなったら宿取った。」

伊藤:「一応帰るつもりがあったの」

杉本:「そう。遅くなって、もう帰るの面倒くさいから宿取って。」

伊藤:「あー大学生だね。大学生?社会人?わかんない。大学生だな。」

杉本:「土木関係が社会人、美容専門学生、浪人生で行ったの。」

伊藤:「浪人生!」

杉本:「俺だね。これね。」

伊藤:「お前か。お前か。そっか。美容でも土木でもないもんな。」

杉本:「そうなんか去年が、去年めちゃめちゃこういうことにちょっと考えたよ。」

伊藤:「その幸福論的な。」

杉本:「去年が人生で一番本読んだし、去年が一番人生の散歩したし、去年が一番人生で自由度が、初めて自由とかあった一年間だったから。」

伊藤:「めちゃくちゃ大学生みたいだけどね」

杉本:「そう。で、月一で友達と派手に遊ぶ。日曜日は絶対に勉強しない。っていうこういう。」

伊藤:「わからん。それはわからん。」

杉本:「こういう生活スタイルでいて、秋冬ぐらいかな めちゃめちゃ夜に予備校抜け出して散歩したんだけど。“MAX COFFEE”っていう激甘のコーヒーが」

伊藤:「分かる分かる分かる分かる」

杉本:「分かる?あれが10月だとホッで出るわけですね。それを買って一時間散歩するの津田沼を。散歩するわけじゃない。俺、めっちゃ好きなのが、俺じゃない家族の夕飯準備しているであろう明かりをこうマンション見ながらこう抜けていくのが一番好き。」

伊藤:「病んでない?」

杉本:「いや違う。これがね病んでるわけじゃなくて、ポジティブに捉えてるの。自分じゃないところで別々の幸せがあるんだろうなって言うことを思いながら、その、この幸せに俺は今後一生、二度と立ち入ることができないっていう一抹の寂しさをスパイスにした上でのこの幸福感を感じる。」

伊藤:「なるほど」

杉本:「甘ったるい幸せなんだよ。これね。すごい甘い濃い幸せを感じながら散歩するときが好き。」

伊藤:「あっここに幸せあるんだなって。」

杉本:「暖色が好き。暖色の明かりがすごい好き。」

伊藤:「暖色って色ね」

杉本:「色とか。一橋の西キャンのところの明かり。」

伊藤:「あれは幸せの色」

杉本:「幸せの色。幸せの色。」

伊藤:「別にあそこには家族も何もいない。」

杉本:「家族も何もいないけど、幸せな色。」

伊藤:「なるほどね。まあ暖かくなるね。あったかい。オレンジ色の光」

杉本:「体を芯まで冷やした上で、そういうあったかいもの見ると一番高く感じられるから。」

伊藤:「いいと思います。夕食の準備したい」

杉本:「そうなんだよね。あの時間なんだよね。」

伊藤;「めちゃくちゃカレー作りたい。」

杉本:「そうあの時間じゃない?」

伊藤:「いいな。『お父さんにんじん切ってて』」

杉本:「そういう少しずつ幸せのイメージみたいなのが増えていって、それをクリアできる人生になりたいんだけどさ。」

伊藤:「ビジョン見えないな。結婚するのかな。それは恋になるのか。結婚は恋になるのか。結婚は恋じゃない気がするんだけど。」

杉本:「わかんない。」

伊藤:「それは恋かでも恋の話になると。」

杉本:「恋愛は本能だから」

伊藤:「恋愛は本能」

杉本:「本能です」

伊藤:「なるほど。本能だからね。」

杉本:「本能です。」

伊藤:「本能だからではないな、何言ってんだこいつだからな、結局。」

杉本:「でも、そういうイメージ像について、語ってみたけどさ、幸せさ、みたいなものってさ当事者になってるとさあんまり感じないものじゃん。だって今やってる今過ごしてる大学生活もさ、高校2,3年間で恋焦がれてきた大学生活なわけで。新鮮味がさ、こう慣れに変わってきた時にさ。幸せの当事者になってきた時に、その理想の生活の当事者になった時に、現実が理想を塗りつぶしたね、どんどん。その生活に走ってみて、今このピンポイントを生きている中で感じにくくない?」

伊藤:「ここが、今、俺の絶頂ですってこと?俺の目標を目指して。」

杉本:「前になりたかった自分であることには変わりないはずで。」

伊藤:「まあそうだね。そうだね。俺一人暮らししたいってゆって大学入ってくるわけだもんね。してる訳だし。」

杉本:「こう思ってた自分を蔑ろにしたくはないよね。」

伊藤:「過去の期待をね。幸せですかって聞かれたら別にまあ幸せだなって。」

杉本:「忙しいけどね」

伊藤:「まあまあそれも含めてじゃない?」

杉本:「まあgoogleカレンダーが真っ青になってるのは幸せ証でいいかな。予定表がいっぱいになっているのは、充実感を感じる。」

伊藤:「確かにそれで楽しさを感じる人はいるんだろうね。感じる人?」

杉本:「感じはするけど、なんか、1週間1日は何にもしない日がいるかな。」

伊藤:「実際問題ね。実際問題。」

杉本:「そういう日を作るように頑張ってスケジュール調整してる俺がいるし」

伊藤:「一日何もしない日ってさ、何をしてるの?」

杉本:「本読んでる」

伊藤:「あー」

杉本:「だいたい本読むか」

伊藤:「なるほどね」

杉本:「そう。たまにね、俺こそこそと1人でIKEA行くの好きなんだよね。」

伊藤:「立川の?」

杉本:「立川の。IKEAって幸せがすべて詰まってる場所で。」

伊藤:「はいはいはいはいはい」

杉本:「そう」

伊藤:「暖色系の明かりもあるしね」

杉本:「暖色系の明かりもあるし、」

伊藤:「楽しそうな家族もいる」

杉本:「楽しそうな家族もいる。楽しそうな家族も食事をしている。」

伊藤:「レストランがあるね」

杉本:「一つ一つのショールームの中にさ、生活があるわけじゃない。ある種理想の生活。スウェーデンスタイル理想の生活があるわけじゃない。」

伊藤:「そうだね」

杉本:「モデルルーム1つとしてね。これ買ってきた時にどう考えるか、みたいな感じ。」

伊藤:「ここでシチュー作ってんだろうなって」

杉本:「俺は昨日からビーフシチューを作ってます。」

伊藤:「昨日から?」

杉本:「昨日から。」

伊藤:「煮込んでるの、今?」

杉本:「一昨日つけて出汁につけて。香味野菜からとって。」

伊藤:「うん」

杉本:「詰めてとろみを付けて。今朝香味野菜をペーストにして加えてドロドロにして、肉加えて。今、冷蔵庫に寝かせてる。」

伊藤:「あーなるほどなるほど」

杉本:「帰ったら付け合わせ作る。」

伊藤:「で、食う?」

杉本:「食べる」

伊藤:「いいなぁ。めちゃくちゃちゃんと生活してるじゃん。」

杉本:「って思って。してる自分が好き。」

伊藤:「それは好きでいいよ」

杉本:「好きでいれるようにしたいよね。」

伊藤:「いや、だっていいもん。」

杉本:「妥協はしちゃダメだと思うそこのところに。」

伊藤:「すごいな。めちゃくちゃ手間かけてんな。そうか美味しいものを食べるために妥協はねしない方が良い方がいい。」

杉本:「とりあえず互いにビジョン。一枚絵のね。俺はIKEAが一番好き。」

伊藤:「あーもう最初にゆってたやつ。」

杉本:「最初に言ってたやつ。」

伊藤:「ちょっと家族ものに感化されちゃったなこの時間は。」

杉本:「ちょっとそうだねうんそうだな。」

伊藤:「他にも色々あるはずなんだけど」

杉本:「にんじん切っては一番いいな。」

伊藤:「いやマジで。俺今頭の中でずっとカレー作ってるもん。カレー作って子供が鍋混ぜてる。今。」

杉本:「一番下の子がトイザラスで遊んでんだよ。いいなあいいなあ。」

伊藤:「全くよくわかんない仮面ライダーのベルトとか買ってるんだろうな。」

杉本:「そうそうそうそう。自分の世代の15世代後とかのね。」

伊藤:「今こんなのやってるんだ。」

杉本:「お父さんだよ電王だったんだよ。電王じゃない?」

伊藤;「俺はちゃんと見てたのはあれだね。あのオーズだね。」

杉本:「全然違うわ」

伊藤:「全然違うね。2,3年違うね」

杉本:「うん。俺3歳ぐらいから見てたから」

伊藤:「それ違うね」

杉本:「うん早かった。ブラウン管で見てたわ。」

伊藤:「懐かしい」

杉本:「懐かしい。震えてきた。どうしよう。ビデオデッキ。もう家に仮面ライダーのビデオデッキがバーン」

伊藤:「それは知らんけど。」

杉本:「テレビ台の2段下の引き出し上げると仮面ライダー入ってるの。」

伊藤:「録画してるの?」

杉本:「買ったビデオデッキ。」

伊藤:「ああ買ったんだ」

杉本:「買ってもらったビデオデッキ」

伊藤:「いいね。それまだあるんだろうな。」

杉本:「まだまだあるかな?だったらいいな。」

伊藤:「いや捨てないと思うよ。」

杉本:「捨てないか。」

伊藤:「見たいかどうかは置いといてなんか子供の時はそれって捨てらんないしね」

杉本:「昔みたいに見返すの好きだよ。プリティーリズムレインボーライブを見返すのが好きだね。」

伊藤:「何それ」

杉本:「昔見た女児向けアニメ。妹と一緒になってみた。」

伊藤:「プリキュアではない?」

杉本:「プリキュアみたいな。プリキュアが小学校低学年だとしたらプリティーリズムは小学生高学年向けの。」

伊藤:「ノートに意味わかんない絵を書き始める頃だ。」

杉本:「ちょっと厚めな恋がある感じ。ちょっと大人な恋がまじり始める。」

伊藤:「いやないだろう」

杉本:「ちゃおみたいな。お兄ちゃんは興味ないよって思いながら見て、めっちゃ見てたていう。」

伊藤:「気持ち悪いなお兄ちゃん。」

杉本:「大好きあれ。めっちゃ面白い」

伊藤:「面白いんだ」

杉本:「面白い。っていう幸せな形です」

伊藤:「なるほどね。今、子供視点だ」

杉本:「子供視点。プリティーリズムで締めていいのかな。」

伊藤:「これ結局別に落ちところはないと思うな。まあプリティーリズムということで。」

杉本:「いやIKEA。IKEA。」

伊藤:「IKEAだね。」

杉本:「幸せなビジョン」

伊藤:「俺はカレーライスを作りましょうってことで。」

杉本:「IKEA帰りの高速道路です」

伊藤:「はい」

杉本:「一番幸せですこれが。そういう人生になりたいっす。」

伊藤:「人参切ってっていってほしいです。お願いします。」

杉本:「幸せというものは」

伊藤:「便りを待つものではないみたいな」

杉本:「幸せは便りを待つものではなく」

伊藤:「掴み取るものだ」

杉本:「イエス!」

伊藤:「よし!!」

杉本周平・伊藤朝輝


公演情報

********************
劇団コギト2023年度一橋祭公演
『7×7のモラトリアム』
脚本・演出 高尾友季
「喫茶店は、道の途中で立ち寄る所。そんな場所に彼らは住んでいた。」
********************
◆出演
伊藤朝輝 杉本周平
羽尻結衣 藤田ひかり 古浜奨真
◆日程
11/24(金) 11:00~ / 14:30~
11/25(土) 11:00~ / 14:30~
11/26(日) 10:30~ / 14:00~
※開場は開演の30分前です。
※上演時間は約80分を予定しております。
◆料金
無料(カンパ制)
*本公演は無料ですが、ご予約も受け付けております。お席はご予約の方を優先いたします。
下記 URL よりお手続きください。

◆会場
一橋大学⻄キャンパス学生会館 1F アトリエ
アクセス
JR中央線 国立駅南口より 徒歩15分
JR南武線 谷保駅北口より 徒歩25分
*会場がわかりにくくなっておりますので、お時間に余裕を持ってお越しください。
◆スタッフ
舞台監督   佐藤愛佳
舞台監督補佐 陽美雄月
演出助手   小田悠生 中村紘夢 らむ
舞台美術   佐藤あい 富田皐央 濱野あすか
       陽美雄月 山田彩絵 リーナ
制作     岩田大煕 齋藤よしみ 298
衣装     近江天音 菅野咲名 土屋陽菜 山葵
小道具    久保聡琉 長月小雨 らむ
宣伝美術   久保田広輝 錆田 ひらお
広報     川井直太郎 川口芽萌子 宮野浩真 山浦弥桜
照明     黒崎陽人 山本翔
音響     中嶋悠太 成田明由
音響補佐   千足海都
作曲     高尾友季
編曲     中嶋悠太
応援     天野友花梨
◆お問い合わせ
一橋大学 劇団コギト
連絡先
cogito.pr@gmail.com (制作 岩田)
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