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リーズナブルな判断

いよいよ、日本でも新型コロナワクチンの接種が始まります。

先進国の中では最も遅いスタートですけれど、まずは前進といったところでしょうか。

そこで、ワクチン接種関連のニュースを見ていて、ちょっと気になる言い回しを聞きました。

妊婦が接種の努力義務から外れた、ということについて、産婦人科の医師が言った「リーズナブルな判断だと思います」という言葉です。

それを聞いて、英語にそんなに明るくないぼくは、「一体どういう意味なんだろう。もしかして使い方間違ってるのではないか?」とまで、その医師に対して大変失礼ながら思ってしましました。

リーズナブルな判断、って「安い判断?」=「安易な判断?」というふうに否定的な意味にとってしまいました。

番組でも、それを改めて説明することはないし、もしかしたらすでに一般的な用法として定着しているのかも、

と思って調べてみると、まるで違った意味だったんです。

リーズナブルという言葉の意味は、

「理にかなった」とか「適正な」とか「納得のいく」などのようです。

よくリーズナブルな値段という使われ方をするので、すっかり「安価な」という意味だと捉えていました。

もっとも「手頃な」という意味でも使われるようなので、全く外れているとは言えないですが、それでも安いというよりは適正価格、という意味合いの方が強いようです。

なので、産科医の先生も、政府の判断に肯定的な意見を述べられていた、ということでした。調べなかったならば、まるで逆の意味でとってしまっていたことでしょう。

あぶない、あぶない。

でも言葉というのは、使っているうちにだんだんと意味や用法が変化していくものですね。

ぼくは新しい物好きではありますが、言葉に対してはどちらかと言えば保守的な方なのです。

なので、変な風に変わってきた言葉、には拒否感を抱いてしまうことも多いのです。

最近よく聞く言葉で、「他人事」という言葉がありますが、先日JOCの山下泰裕会長も使っていたんですが、これを「たにんごと」と読む風潮があります。でも正しくは、「ひとごと」なんですよね。

他にも、「有言実行」なんてかっこよく主張することもあるけれど、もともとある言葉は「不言実行」。でももう「有言実行」の方が圧倒的にメジャーになってきてる感があります。

どうも、こんな言葉を聞くと、どうしても引っ掛かってしまうんですよね。

古い人間で、スミマセン。

ましてや、リーズナブルの本当の意味を知らなかったぼくが言えた柄ではないですね。

 でもひとつ、勉強になってよかったです。


 ま、言葉は時代とともに変わるものなので、いくらぼくが違和感を感じたところでどうしようもないんでしょうけれどもね。

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