見出し画像

うつ病と冷え症の関係5

ストレスによって自律神経は交感神経優位へと傾きます。このとき私たちの体は無意識のうちに臨戦態勢をとり、全身の筋トーヌス(緊張度)は亢進します。交感神経優位の状態が続けば、筋肉は緩む間がなく血管は収縮、血流は低下(一過性には血流促進)します。つまりストレスによって、肩は凝り、腰も痛くなり、冷え症は悪化し、妊娠もしづらくなります。

ストレスが掛かると、筋トーヌスの亢進にともない、心拍は強く速いものとなり、それと同時に脳内からアドレナリン・ノルアドレナリンが過剰に分泌された脳の異常な興奮状態が、東洋医学でいうところの「心火上炎」です。心火上炎による代表的な症状が不眠症(睡眠障害)。うつ病の多くは不眠(寝つきが悪い、眠りが浅いなど)から始まります。

この状態は、一見エネルギッシュに見えなくもありません。ロウソクでいえば、ロウを燃料にして炎がガンガン燃えています。しかしロウを補給しなければエネルギーはやがてなくなり、炎は鎮静、これ以上の燃料不足をふせぐために異常な興奮状態は治まります。この状態が実から虚へ転じたのが「心身不寧」で、無気力、無表情、無行動になります。つまりうつ病は、心身を守るための機能として、なるべくしてなるわけです。

問題は、うつの状態になっているにも関わらず、炎が治まらないこと。

船底に穴が空いた船があったとします。空いた穴から浸水し、船は沈みかけています。船を沈ませないためには、水を汲み出すと同時に穴をふさがなけれなりません。

人の体の場合、無気力・無表情・無行動の省エネモードによって、これ以上のダメージを防ごうとします。省エネモードになっているにも関わらずストレスから解放されず、心火の上炎が治まらなければ、うつの状態は続き、必然的に治るまでの時間が長くなってしまいます。

下りてこない炎を下ろそうと思っても、気合だけでどうなるものでもありません。氷枕をしても心火上炎は変わりません。

ではどうすればよいのでしょう?頭を冷やそうとするのではなく、体を温めます。または亢進した筋トーヌスを落ち着かせます。

もちろん、ストレス自体を取り除くか、ストレスから身を遠ざける、のどちらかができれば理想ですし、本当にそうしなけばならないこともあるでしょう。しかしそれは最悪の事態であって、何とか最後の手段を使わずとも問題を解決したいのが、多くのひとの望むところです。

読んでいただきありがとうございます。

鍼灸やマッサージなど、自分に合った方法を生活に取り入れて快適な毎日をお過ごしください。

きいちろぶろぐ・冷え症


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?