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Photo by
hamaguri_sushie
「詩」彼岸花の前で
まだ青い 紅葉の葉が雨に落ちる
炎のように咲く 彼岸花の前で
ずぶ濡れで 祈り続ける男がいる
誰も男に傘を 貸そうとする者はいない
いや人々は皆 男に近寄ろうとさえしない
男の腕時計は 壊れている
男の姿勢は 保持されている
男の服は 雨に重さを増していく
男はまだ 祈ることを止めない
男の声は 彼岸花に焼かれたかのように
誰にも届かず 雨音だけが響き渡る
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