「詩」小詩集 赤の世界

~赤い風~

赤い風が
野を駆け抜けていく
花も誰もが 狂っている


~赤い旗~

エンドロールの 後ろで
次々と 赤い旗が掲げられていく
本編とは 無関係に次々と


~赤い目~

赤い目をした 竜を
私は容赦なく 刺し殺すだろう
私の身体からはもう 鉄の匂いがする


~赤いノート~

赤いノートに 彼女は
悪魔ばかりを 描いている
よく晴れた 五月の空の下で


~赤い夢~

赤い夢の中で 船が朽ちていく
”まだ眠っていなさい 月が燃えています”
あんなに穏やかな 海だというのに…

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