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「詩」入梅

張り裂けそうに 脆い
時の行進は 未だ止まず
一人歩く 老婆の掌に
ひやり 滴が零れ落ちる

霧が 立ち込める山々
木々の精霊たちの 息吹に
ぬかるむ小道を
老婆はどこまでも 歩いていく

懐かしむ 春の欠片もなく
ひしめき合う 夏草の
青い香りが 辺りに漂い
見えない空から 降り続ける雨

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