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「詩」小詩集 青の世界

~広場の女神像~

あなたの掌から 青い血が流れていた
鉄の香りがした 焼け付くように熱かった
広場は人々で賑わい 雑貨や果実などが
歪に輝いていた あなたは知られていなかった
あるいは 人々はあなたを見ようとしなかった


~山を降りる時~

青い鐘が鳴り 月明かりが畳を照らす
年若き僧が 一人瞑想にふけている
ここはとても静寂で 私はとても穏やかです
ここはここでしかなく 私は私でしかないのです
覚めた僧は山道を下る 無量の光に満ちた瞳で


~星の空~

異国の高原 遊牧用のテントの中で
青い毛布にくるまり 少女は眠っている
ミルクとお茶の香りが まだ微かに残り
祭壇の部屋の 如来像は闇に溶け込み
ふと目覚めたヤクの瞳に 星の空が映し出される


~鎮静を探して~

乳香に熱を入れる 煙が立ち込める
甘い香りの部屋で ソファーにうずくまる
…瞑想的な… 謳われた効能はなく
溶けだした樹脂が 香炉を滑り落ちていき
青い時計の針が 一律のリズムで鳴り響く



~月に告げる~

あなたが そうしたように
私は海を 少しずつ縮めている
十億年後 私から青は消えるだろう
祈りの声が 私の中には満ちているのに
あなたの輝きが 私を諦めさせる



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