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「詩」秋の詩 三篇

「まわる葉」

忘れられた世界で
見つけたのは 誰かの沈黙

ゆらゆらと

散っていく 紅い葉の音だけが
優しく 響き渡っていた


「誰もいない遊園地」

ほら 風が吹いたよ
なぜ心も 揺れるのだろう

コスモスの花 夕日に照らされ
人々は皆 家路の中へ

誰もいない遊園地の
本日のメリーゴーランド
最終便は 夜の森へ

オレンジ色の光 遠ざかる
彼方へ 彼方へ

「シグナル」

冷たい風が 通り過ぎて
横断歩道の向こう

大人になった 君がいる

点滅するシグナル
暮れてゆく秋の夕陽


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