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「詩」夜明けへ

眠れない花嫁が 窓辺で
遠くの街の灯の さらに先へ
思いを向け 目を細める時

若い兵士は 荒野に佇み
白々とした 月の下で
国境線の向こうを 眺めている

窓辺の花嫁が 月明りに伏し
束の間の 眠りに着く時
若い兵士は 乾いた風の
鼓動に 耳を澄ませている

目覚めた花嫁が 光差す
窓を開け 風にさらされる時
若い兵士は 荒野に立ち
朝の陽に向かい 密かに敬礼する

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