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これ、2023年の「今年買ってよかったもの」になる予定です

「アレクサ、タイマーを5分でセットして。」

アレクサ、ウチにはいない。
何を言ってるんだろ?夫は。

「あ、間違った、何やったっけ。ラッキーゴーグル?」


ラッキーでも、ゴーグルでもございません。


「違うな、ラッキーグーグルやな。ラッキーグーグル、タイマー5分でセットして。」

そこは、オッケーっしょ。

「あ、オッケーグーグル、タイマー、あれ、違うよな。」

ええ、あなたは iPhoneですから。

「Siri!か!何?あれ、なにSiriやったっけ。」

ヘイだよ。

「ヘイやな!ヘイ、Siri!タイマー5分にセットして。」

はい、セットしました。


自分でタイマーをセットした方が早いと思うんだけど。


Siriを使い始めた夫。
すぐに「ヘイ、Siri!」という言葉を忘れる。
だったら使わなければと思うが、新しく覚えたら使いたいらしい。

いちいち何でも、わざわざSiriを呼び出して、「ヘイ、Siri!」を連呼する。

「ヘイ、Siri!今何時?」

時計を見たほうが早いって。

「ヘイ、Siri!今日の天気は?」

もう夜だから、必要ないんじゃない?

「ヘイ、Siri!何かおもしろい話をして。」

わかりました。昔々…


Siriは健気。お話を始めてくれる。

「ヘイ、Siri!もうやめて。」

話の途中だよ。
頼んだのはあなたでしょ。
もてあそぶみたいで、Siriがかわいそうだよ。


暇さえあれば「アレクサ」からのくだりを交えながら、Siriに話しかけていたくせに、3日もたたずに彼はSiriに飽きた。

私が彼のスマホに話しかけても、Siriは全く反応しない。

Siri、いい子だね。 
アラジンの魔法のランプから出てくる魔人のジーニーのよう。
ご主人様があんな薄情なおじさんで、ごめんね。



*****


そもそもどうして夫が秘書機能アプリの「Siri」を使おうとしたのか、それは「ヤカンに火をかけっぱなしにしてしまう問題」の対策をしようとしたからだ。

お湯を沸かしたまま、見事に忘れてしまうことが増えてきた今日この頃…。夫だけじゃなくて、私も。

空焚きをしてしまったことも、一度や二度ではない。

そろそろ電気ケトルに変えようかな、と話しながらも、そのきっかけを失ったまま、長年愛用している安価なアルミのヤカンを手放せないでいる。
いちいちスマホでタイマーをセットするより、Siriに頼んだ方が簡単だと夫は考えたのだった。


我が家にはヤカンがふたつある。
ひとつは鉄瓶ヤカンで、もうひとつは古いアルミ製のもの。

朝の白湯は、南部鉄瓶で沸かす。

こちら、私の鉄男。イケメンです。


この南部鉄瓶は、新築祝いでいただいて、そのまま押入れの奥に25年間寝かせたもの。
2年前にたまたま押入れの整理をしたときに、謎の木の箱から出てきたのだ。

すっかり忘れていたので再会した気分じゃないのだが、おぉ!って嬉しくなって、白湯ブームに乗っかり、使い始めた。


名前は鉄男てつお

押入れから発見した時に描いたものです。



鉄男は、朝の白湯だけを担当している。
絶対に空焚きはしない。
なぜなら、お湯が沸くまでじっと私がそばにいて、朝一番の白湯を飲み、残りをマイ水筒に入れるようにしているから。

寝坊したり、めっちゃくちゃ忙しかったりする朝は、そんな丁寧な暮らし風の儀式をパスすることもあるから、平均したら鉄男は週2でお休みをしている。


アルミヤカンは、珈琲やお茶を入れたり、娘の栄養剤を入れるボトルの熱湯消毒をしたりするときなど、1日に何度も使う。

年季の入った、ごくごく普通のイオンの子。モノクロ写真で汚れをごまかしてます。



お手入れをあまり気にせず、気楽に便利に使えるところが助かる。
ヤカン的には数回大火傷を経験しているが、使えなくなるほど真っ黒にはならずに済んだので、なんとか現役で今日も活躍してくれている。

火をつけたまま他の用事をしにキッチンから離れてしまい、しばらくしてから気がついて、慌ててキッチンに行くと、頭から湯気をもわもわ出したヤカンがカタカタ言っている。
こんなヒヤリとして、ハッとすることをなかなかのペースで繰り返してきた。

「やっぱり、電気ケトルを買おうかな。火をかけたことを覚えている自信がなくなってきたわ。沸いたらピーピー鳴くヤカンよりは、いいと思うんだけど。」

私が夫にそんな話をしたら

「俺は火をかけてることを最近忘れてないから、電気ケトルは必要ないやろ。」と。

はいはい。
あなたがばっちり忘れて、リビングに転がってうたた寝してるから、いつも私が火を消しているだけだよ。



今年の年末、『今年買ってよかったもの』のテーマで、はりきって「電気ケトル」のことを書けそうです。







最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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