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喫茶店のディスクール、読書感想文

われわれはいったい誰と契約しているのか?メディアの情報か。つくられた話題性か。そんな権威による価値づけから「いい店」を再生するキーが散りばめられていた。オオヤコーヒ焙煎所のオオヤミノルさんが、喫茶店の在り方や構造そのものをあらためて捉え直す。末期的消費社会で私たちが再生するヒントとなる本だ。この本を手に取ったのは、たまたまだった。夕方に偶然、見つけて手を取る。目次を見る。

第一考 職業意識の変化
第二考 資金調達について
第三考 ローカルであることの必然性
第四考 いいヤツでいこう
第五考 共有財産の私物化と、権威主義の横行
第六考 作り手ではなく飲み手、もらい手ではなく出した側

喫茶店を通して、今の社会構造や消費の仕方を俯瞰してみるような流れだった。

コーヒーの味に対する考え方
「黙って一年飲み続けたらわかるよ」っていうこだわりのマスターではなく、明るくフレンドリーにコーヒーの話ができる。一回きりではなく、長い付き合いの中で、数多くの種類のコーヒーについて語り合う。前回と今回で何が違うのか、自分の言葉で説明の手紙を届ける。飲み手からもどんなコーヒーをいつ美味しく感じるのか応えてもらえる。飲み手の舌に訴える。そんなコーヒーをだしたいなと、日頃から思い、実践していると気がついた。

僕は「Tsukuba Place Lab」というコワーキングスペースで実現している。「夜、珈琲とひと」というイベント。毎週月曜日19-23時に、コーヒーを飲みながら話したり、作業したり自由に過ごすことができる。店舗を持たない喫茶店のようにつづくコミュニティでありたいと、この本を読んで思う。

そんな場をお借りしている以上、来てくれた人と価値観を交換する。そして、なにかその人のためにできることを探す。色んな人と交流する。自分はなぜ○○が好きなのか、なぜ○○だと思うか、を俯瞰して本気で考えられる。自分を問い直すような場でもありたい。


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