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人と接するシゴト

こんにちは、岩内町地域おこし協力隊の大なぎです。
北海道にも緊急事態宣言が出て2週間あまり。辛抱どきですが、なにかと暇です笑

そんな今回は、コロナ禍でもろに打撃を受けている飲食・ホスピタリティ業界のお話をしたいと思います。

人と接する仕事の奥ゆかしさ

人と接する仕事で思い浮かべるのはどんな仕事でしょうか?
ホテルマン・タクシードライバー・販売員・先生など。あげればキリがないほどありますよね。そして、それは夜の仕事にも当てはまります。

私が仲良くさせてもらっているバーのマスターに以前こんな話を聞きました。

札幌のとあるクラブのナンバーワンのママ。とびっきりの美人というわけでもないし、そんなに若くもない。それでも毎晩ママを訪ねにたくさんのお客さんがやってくる。そしてママを訪ねたお客さんは必ずといっていいほど、また来店するのだそう。

その理由を尋ねると、
そのママは来てくれたお客さん一人一人に「また来てくださいね」と書いた手紙を送るために、女子大生を雇い、書いてもらう。そして、遠方から来てくれる人には必ず札幌駅まで迎えに行き、疲れを労い、タクシーでお店まで一緒にくるのだそうです。

遠方から来た人からしてみれば、わざわざ人気店のママが自分のためにお店から出て、人混みのある駅まで迎えに来てくれるなんて、さぞかし気持ちがいいでしょう。一緒にお店に入ろうもんならVIPのような待遇に、財布の紐も緩みますよね。

夜のお仕事をされている方への偏見がある方もいるかもしれませんが、私はこれを一流の接客スキルだと考えています。『お客さまに最高の体験を』『極上のおもてなし』を提供するためのスタイルと言えると思うのです。

相手の好意に漬け込んでいる、と捉えることもできるかもしれませんが、現にお客様が求めていること(この場合では「特別感、優越感」)を与えるための接客なのです。髪を切ってほしいお客様に対して、美容師さんが髪を切ってあげるのと変わらないのではないでしょうか。痒いところに手が届く、ではないですが、ピンポイントで需要に応えること、またはそれ以上のサービスを提供できるのが一流といえますね。

人ができる仕事

ITが発達し、無駄な仕事は省かれるようになってきた、という話はもはや常識にまでなってきています。便利な世の中になり、効率化した社会で窓際族が消滅していく。人間の仕事も機械でできるのであれば、機械にやらせる。

それはそれで、回転率が上がり、より良い社会になるので大賛成です。しかし、私はそれとは別に「人にしかできない仕事は消滅しない」と考えています。(日本語的には至極当たり前の話ですが)

先述した「クラブのママ」がいい例です。これがAIによって行われているものだと知ったら、興醒めもいいところ。やはり人の気持ちあっての、接客なのでしょう。人の気持ちを必要とするところに、人にしかできない仕事があるといえます。

観察して察するレベルの仕事へ

コーヒーを作ったり、料理をしたり、お酒を作ること自体は機械でもできます。しかし、目の前のお客様の性別や年代から、表情や話しぶり、来店時間や服装などを察して、商品を作ることは機械にはできないと私は考えています。

そしてそこには厳しい意見として、「お客様を観察しないで商品を作る人」は機械があるので必要ないということもいえます。これからの接客業は、ただ話せばいい、ただ笑えばいいのではなく、お客様のことを観察し、考える人材が必要なのです。

その上で「クラブのママ」は接客業界において常に先を走っている存在な気がします。お客様のことを考え、察し、行動する。その結果として、そのサービスをありがたいと思ったお客様から「それ相応の対価」をいただくのは、正当な、かつ、かっこいい仕事なのではないでしょうか。

(クラブのママの話を「女性という立場を利用して、お金を得ている」と考える人は、本質的に「女性が仕事をする」というプライドのあるものを軽視しているような気がしてきます。)(加えて、原則的に仕事に性別は関係ないのものだと考えます。)これはあくまでも私の一意見ですが。

仕事をする以上、みんな誇りを持ってプロフェッショナルに職務を全うしていると考えています。

お客様のことを考える仕事として接客業を捉えると、なんだか愛に溢れる素敵な仕事だなあと思わないではいられません。そして、改めて「バリスタ」という仕事が好きという気持ちになりました。

ああ、早くお客さんと他愛もない会話をしたり、美味しいって言われたい。
その時まで少しの辛抱、、、!

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