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阿佐ヶ谷 Bnei Coffee 取材文

古屋「えー、よろしくお願いします。」
渡邊「はい。お願いします。・・・あれ?始まってる?」

(以下、珈琲屋うず店主古屋は古、Bnei Coffee店主渡邊は渡)

古「ええ、今ぬるっと始まるスタイルなんで。今後気の利いた始まり方を模索していきたいと思います。」
渡「はい。」
古「すみませんね、わざわざ、こんな遠くまで。」(今回は珈琲屋うずで収録)
渡「いえいえ。久しぶりにバスで来ました。阿佐ヶ谷から、代田橋で降りて。そこから歩いて10分くらい。」
古「ありがとうございます!」
渡「いえいえ笑。」
古「大阪出張も終えて、」
渡「あ、終わりました。」
古「どうでした?大阪。久しぶりの出張でしたか?」
渡「そう、一年ぶり、でしたね。去年の秋は、まぁ別にコロナの影響ではなくて、単純にスケジュールが合わなくて秋はダメでした。次は今年の秋です。」
古「また大阪に行くんですか?」
渡「大阪、一週間。」
古「大阪好きですね。」
渡「(大阪)は、まあねぇ・・・。まあねえは違うか笑。」
古「笑。」
渡「珈琲は、淹れますか?」
古「珈琲、淹れましょう。今朝焼いたやつがあるのでそれを味見するか、他何か飲みたいものがあればそっちでも。」
渡「今朝ので。」
古「これ、失敗してても文句言わないでくださいよ。」
渡「大丈夫です。」
古「(濃さを合わせるのではなく)それぞれの濃さでいいですかね?ウチは味見濃いですけど。」
渡「うん。はい。」
(ミルで珈琲豆を挽く音。ガーーーーーーーー。カタカタカタ。)
渡「いつも味見している量?」
古「はい。18g50ccでやっています。」
(お湯をポットに入れる、重みを持ったぽこぽこぽこぽこという音。)
古「味見の濃さ決めてますか?全部一緒?」
渡「うん。そうですね。」
(掛け時計の音。気にするとよく耳にとまる。カッチカッチカッチ。)
古「・・・」
渡「・・・」
古「何g何ccなんですか?笑」
渡「笑。すみません、そうですね、20g150です。」
古「笑。今回はですね、長月の飯田さんの時とは違って、飯田さんの時は私が飯田さんに聞く、飯田さん答えるっていう一方通行だったんですけど、今回は緩く、こんな話をしましょうっていうことを決めつつ、普通の会話に近い形式にした方が、いいかなと。」
渡「はい。よろしくお願いします。」
古「お願いします。」
渡「午前中は何種類焼いたんですか?」
古「2種類です。今はブラジルを淹れています。もう暑くてねー。焙煎が大変な時期に突入です。」
渡「確かに。特に今日暑いですね。」
古「みんな一体夏場はどうしてるんでしょうね?店にシャワー室が欲しいです。」
渡「ね。なので私は浴びますけどね、営業前に。」
古「私も真夏はー・・・(珈琲が珈琲パンに溜まる水音。淹れながらなので後に続く言葉が遅い)、
渡「あ、そうだ、一回帰るんでしたっけ?」
古「はい、一回帰らないとまずいですね。汗でビッショビショなんで。みんなそうしてるんですかね?」
渡「でも営業前に帰れない人もいるかも。」
古「そうですね。そしたら大変だろうなぁ。」
(しばらく珈琲の溜まる音。唐突にポットを置く音。ネルを置いたボウルを置く音。)
古「はい。」
渡「ありがとうございます。」
古「ブラジルですね。ブラジル。」
渡「はい。」

(しばらく時計の音のみ。)

古「ううーん。」
渡「ん?」
古「苦い。」
渡「笑。ううーん。」
古「苦いですか?」
渡「いや、そこまで。言うほど。」
古「ちょっと渋いのかな。」
渡「うん。確かに、それはちょっとあるかもしれない。」
(味見している雰囲気、間。時折何かの物音。)
渡「けど、美味しいけど。」
古「まぁー・・・、まぁまぁっすね笑。」
渡「笑。でも苦m・・・うん、(飲んでカップを置く音。)、うん。・・・・。うん。・・・・。うん。」
古「たぶん後で書き起こしている時に、今何を言おうとしたんだろうって気になると思うので言ってもらえますか?笑」
渡「笑。でも苦味って言うより良い渋さの旨さって感じがします。」
古「褒めますねぇ。褒め上手ですね。」
渡「笑。て感じがするかな。」
古「自分一人で味見しているから、感想が、まぁ、まぁまぁかなとか、これはダメだなとか一言なんですよね。」
渡「まあね笑。」
古「一人だと詳しく話したりしないもんで。」
渡「確かにねー。」
古「そのー、焼きを終えるタイミングは、最近のブラジルは少し早めのタイミングだって気をつけているんですけど、」
渡「うん。」
古「だから、色は割と浅いし、油もほとんど浮いていないんですけど、ただ、今日は全体の時間がちょっと長かったですね。焼いている人間だと、火から下ろした時点でまぁ大体こんな感じの味だろうっていうのはあるじゃないですか。」
渡「んー確かにありますね。」
古「その焙煎した時に感じたままの印象ですね。この渋味、渋味というか、ちょっと時間長くなり過ぎて出た苦味、かなと。」
渡「ふむふむふむ。」
(ミルのホッパーに豆を入れる音。じゃらあら。)
古「ついでなんでもう一種類のコロンビアも淹れて良いですか?」
渡「はい。お願いします。」
(珈琲豆を挽く音。)
古「味見をする時は濃さも淹れ方も一緒ですか?」
渡「一緒ですね。一緒ですね。あ、あとは、ペーパドリップでも淹れたりする。」
古「ああ、ネルだけじゃなく。」
渡「うん。」
古「なるほど。気遣いですね。ペーパーで飲まれる方も多いだろうから、と。」
渡「ううーん、まぁ、そうそう、そう。」
古「味は変わりますか?ペーパーとネルで。」
渡「変わぁ・・・るけど、美味しいのは美味しいと思う。」
古「物によってはネルよりペーパーの方がしっくりくる?」
渡「んー、時もある、かもしれないですね。」
古「それは何か傾向とかあるんですか?種類とか。それかもうホントにその時その時の感じ?」
渡「そうですね。」
古「今日のコロンビアはペーパーの方が美味しいけど、次の週はケニヤがそうだったり。」
渡「そうですね。うんうんうん。」
古「私はもう随分ペーパーで淹れてないなぁ。今淹れるとどうなんだろう。」
渡「確かに、どうなんでしょうね?」
(珈琲が珈琲パンに落ちる音。Tiに近い発音のPoの音が頭でそこからToに近い発音のTaの音。)
古「別にネル至上主義というわけじゃないんですけど、」
渡「うーん。」
古「ネル至上主義っていうわけではないんですけど、ただ、ネルで淹れた方が美味しいって思っちゃう。」
渡「まあね、それはね。他の、外でペーパードリップで淹れている珈琲飲むと、紙の味がしちゃう。」
古「紙臭さやっぱりありますよね。」
渡「あるある、ある。あ、だけど、自分で淹れるとあまり感じない笑。」
古「濃さの関係じゃないですかね、きっと。」
渡「かなぁ。」
古「すごい浅煎りで味も香りも強い珈琲か、もしくは一定以上の濃さがある珈琲だと、紙臭く感じない。けど、けっこう薄い珈琲だったりするとする。」
(いつの間にかもう味見している。)
古「これ、コロンビア、ちょっとミスったなぁって感じがしますね。」
渡「あれ、そうなの?・・・、なんか、・・・なんか、・・・・」
古「・・・、でもまぁ、収まる範囲には収まっていますかね笑。コロンビアとか肉厚の豆は最近難しいんですよね。ケニヤもそうだけど。」
渡「言ってましたね。」
古「でも以前下ろしてたポイントよりも奥だったのかって気付いてからは良くなってきましたね。」
渡「なんか、全然味は違うんですけど、みりん、って感じ。」
古「みりん。」
渡「って感じがする笑。もちろん味は違うんだけど、旨味調味料みたいな感じとかも。」
古「ふむ。味、難しいですね。二週間置いて使うって決めてかかるならもっと硬い感じの味に焼いて、時間置いて使うっていうのが、コロンビアはもしかしたら一番美味しいかなぁ・・・、と思いつつも、初日からこれだっていうタイミングで焼き上げようっていう・・・、まぁ味見、私焼いてその日なので、」
渡「うん、言ってましたね。」
古「本当はー・・・どの豆もそう焼いて、二、三週間くらい置いた方が美味しいのかもしれない。つい最近・・・、というか最初そう思っていて、それからそんなことないなって思って、最近また置いた方が美味しいかなぁともわもわしてきましたね。」
渡「ふむふむ。」
古「でも、置くと、その豆だっていう感覚が薄れちゃうので、そこも悩みどころです。」
渡「ふうむ。」
古「あと珈琲オイル、のオイルに付く匂い、みたいなもの」
渡「うんうんうん。」
古「が、目立ちすぎちゃうとちょっと飲みづらい。」
渡「確かにね。確かにね。」
古「あれやっぱ匂いつきますね。」
渡「うん。」
(しばらくの間。味を決めるのは一長一短なところがあるし、時間経過は留めておくことができないので色々と悩ましい。)
古「まぁ、さっき紙臭い紙臭い言いましたけど、ネルだってネル臭さ付いているでしょうね。」
渡「はむ。うむ。・そう思いますよ。」(カップを置く音。)
古「うん。」
渡「うん。」
古「意識が向いてないだけで、もし気づいたらネル臭くて使えなくなっちゃうかもしれませんね笑。」
渡「そうですね笑。」
古「はい、というわけで私の抽出は終わりです。」
渡「あ、はい。」
古「じゃあ渡邊さんお願いします。」
渡「はい。」
(じゃーじゃばじゃばじゃば、とネルフィルターを洗う音。)
渡「ネル、借りて良いですか?」
古「はい。」
(水音が続く。)
古「木下さんネルと同じ生地の薄手のやつと、大坊珈琲店と同じ厚手のやつと、どっちがいいですか?」
渡「薄手の方にします。」
古「木下さんネルはいつから使っているんですか?」
渡「ええーっとぉ~、に、っすえん、17年(2017年)・・・?じゃないかな?2018年?」
古「そもそもなんですが、ブネイさんっていつからやられてるんですか?」
渡「2016年。」
古「じゃもう6年だ。」
渡「そう、なったんですよ、6年に。4月の末に。」
(ボウルに溜まった水を流す音。グ、グポワ。)
渡「ただ、あそこには2010年から立っているので、もう12年ですね。」
古「2010年から?」
渡「あそこの店でずっと間借りをしていたので。ブラウンチップで働きながら。」
古「ブラウンチップさんで働いていたんですね。」
渡「そうです。ブラウンチップで働き始めたのが2009年、です。で、一年経ったタイミングで、 なんか、『ちょっとここでずっと焙煎しているのもな』と思って笑。」(楽しそうに笑っておられる。)
古「笑。ちょっと待ってください笑。なんでそう思ったんですか?」
渡「笑。いや、もともと入る時に、独立するためっていう目的で入ったんですよ。」
古「もう珈琲屋をやりたいって思って入ったんですね。」
渡「そうそうそうそう。そうです。で、たぶんそういう人を採用しているんだと思うんですけど、ブラウンチップは。」
古「独立希望の方を雇っている。」
渡「んー、おそらく。で、一年働いた時に、もう歳も歳だったから、って言ってもあれだけど、あのー・・・、『何かしなきゃ』っていう気持ちが芽生えたんです。芽生えたと言うか、もうやんなきゃ、何かしなきゃ。っていう。」
古「ふむふむ。」
渡「で、ちょうど、その時にあそこでやっている人たちが、土日しか営業していなくて、『平日をどなたかに貸します』って言うブログを見て。『あ、いいじゃん。』って思って。阿佐ヶ谷だしって。で、借りたんですよ。それが2010年。」
古「自分で焼いた豆を持って行って出していたんですか?」
渡「そう、持って行って。」
古「そのー・・・、さらにそもそもなんですけど笑、なんで珈琲屋になりたかったんですか?」
渡「笑。そうですね、なんででしょうね~・・・。もともと営業をやっていたんですけど、大学卒業して、営業職。」
古「すいませんー、これこんなんですけどどうですか?みたいな?」
渡「いや、広告の営業だったんですよ。あんまり飛び込みみたいなことはしていなくて、もう担当する会社は決まっていて、その会社の販促関係をやっていましたね。それを3,4年くらい。その時、私全く珈琲飲めなかったんですけど、」
古「全くってまったく?」
渡「まぁ飲めたは飲めたけど、苦くてダメだなって。」
古「あんまり好きじゃなかった?」
渡「好きじゃなかったですねー。まぁ、打ち合わせとかで出される珈琲とか、あんまり飲めなくて甘くして飲んでたりしたし、お腹痛くなっちゃうし、みたいな感じだったんですけど・・・、ですけど、何故か当時同僚たちと『なんかカフェとかやりたいよね!』みたいな感じだったんですよね。」
古「みんなでカフェとかやりたいよねみたいな感じで盛り上がっていた。」
渡「そうそう笑。で、あるきっかけで珈琲が美味しいと思い始めたんです。それは、一番初めのきっかけはBさんなんですよね。」
古「カフェBさん。」
渡「うん。の珈琲飲んですごい美味しいなって思って。そこから、生活が変わったというか、まぁ、会社も辞めちゃって、どこかカフェで働こうって思った。」
古「もう辞めちゃってからって感じなんですか?」
渡「そうそう。」
古「もうやってらんねーよみたいになっちゃった笑。」
渡「うん、そうそう笑。3年目で何言ってんだよみたいな感じですけど笑。それで、カフェでアルバイトしてたんですけど、それと同時に、所謂、自家焙煎店みたいなお店を回ってたんですよね。で、その時はちゃんとエクセル使って『どこの店がどうで~~』とか、もうその時からお店をやろうと思ってた。このお店の大きさだとこのくらいの人数が入れて、テーブルがいくつ置けて、とか全部メモしてた。」
古「すごい真面目ですね。」
渡「笑。その頃のカフェのアルバイトは珈琲は抽出していたけれど自家焙煎ではなかったんです。それで、自家焙煎をやっているお店で働かなきゃ珈琲を学ぶにはダメなんじゃないかと思って、自家焙煎のお店で働きたいって思った。」
古「そこって一つの岐路ですよね。珈琲を扱うお店で、焙煎豆を仕入れて出すのと生豆を仕入れて焼くのとで大分出来ることの領域が変わりますよね。」
渡「そうですね。」
古「そこはどうして珈琲専門系の方に傾いたんですか?」
渡「なんでしょうねー・・・、おそらく、もうちょっと深く突き詰めたかったんでしょうね、珈琲に関して。」
古「もうどっぷり珈琲好きになっていたわけですね。」
渡「そう、もうその頃には。で、自家焙煎のお店を回っていく内にたどり着いたのがSさんのところだったんですよ。」
古「Dさん。」
渡「そう。Dさん。それで、Sさんのところで働きたいなと思ったんです。」
古「働けばよかったのに。」
渡「いや、言ったんですよ笑。でも断られまして。で、『東京じゃなくても良いなら福岡にMさんっていう方がいらっしゃるから、どう?』って言われて笑。で、行ったんですよ。」
古「え?Bさん行かれたんですか?」
渡「そう。その後すぐに行った。」
古「行動派ですね笑。」
渡「笑。そうですね、行動力はあると思う。その時、Mさんのところに行く前に鹿児島にまず行ったんですよ。で、イエメンに行ったメンバーの方のお店にも行こうと思ったんです。」
古「ああ、Mさんと一緒に行かれた。」
渡「そうそう。鹿児島でN珈琲店っていう市内にある珈琲屋さんがあって。そこの方パイロットだったんですよ。元パイロットで、今珈琲屋さんやってるって人で。まずそこに行って事情を話したら連絡を取ってくださって。」
古「優しい。え?でもBさんで働いてない、ですよね?」
渡「働いてない。結局、その時もちょうど・・・、あ、Eさん分かります?」
古「いえ、どういう・・・?」
渡「今は、佐賀の峠で珈琲屋さんやってる人。珈琲屋さんというか、駅みたいなとこで、」
古「あー!Eさん。店舗じゃなくて道の駅みたいな所でやられてる。」
渡「そうそう。あの方がちょうど入ったタイミングだったんです、確か。」
古「あの方はBさんで働かれていた方なんですね。」
渡「そうですそうです。『うちも一人入ったばかりの人がいるから働けないなぁ』って言われて。」
古「ふむふむ。」
渡「で、その時『東京じゃなくても良いなら、じゃあちょっと岐阜でもいい?』って言われて笑。」
古「笑。Tさんに笑。」
渡「そうそうTさん。その場で電話してくれて『こういう子が来てるんだけど』って笑。でも、Tさんも『今はまだ人がいるから・・・』って。で、『Sさんの所もいいけど、東京で働くならHさんっていう方もいるよ』って言われて。」
古「なるほど。」
渡「私その時知らなかったので、じゃあ行ってみますって。」
古「繋がってきましたね。」
渡「で、東京戻ってきたんですけど、もう一度Sさんのところに行って、『お断りされたんですけど、Sさんのところで働けませんか?』って言って笑。」
古「笑。もう一回言ってみたらどうかと笑。」
渡「そうそう笑。で、まぁその後にHさんのところに行ったんですよね。それが2008年、いや2009年か。」
古「13年前。」
渡「そうです。でもその頃Mさんたちが言っていたHさんはブラウンチップにはいなかったんですよね。」
古「違う店舗の方に行かれていた?」
渡「そうそう。中国に行くとか行かないとか、そんなタイミングだったと思います、確か。」
古「中国にお店を出すみたいなことを考えていた。」
渡「そうそう、頼まれて。なんで、一応常務っていう肩書きでいましたけど、私はHさんに何かを教えてもらったりとか一緒に働いたりとかっていうのはなかったんですよね。」
古「あ、そうだったんですね。」
渡「そうそう。Hさんの一番上のお兄さんがお茶屋さんなんですけど、その方が一緒にブラウンチップも見るっていう感じだったんですよね。」
古「ブラウンチップさんはどういうお店ですか?」
渡「注文焙煎が主ですよね。」
古「その場で注文を受けて、焙煎するみたいな。」
渡「そうそう、お客さんから豆の種類と焙煎の度合いを選んでもらって、その場で焼くっていう。」
古「そういうの大変ですよね。」
渡「大変ですね。本当に幾通りもあるので。でも、良かったです。」
古「修行みたいな感じで。」
渡「そうそう。焙煎って働いても一番最後に教えてもらうみたいな感じじゃないですか。(山谷の)Bさんに行った時に従業員の方が、今は分からないですけど、『いつか焙煎をしたい、けど、まだ焙煎のばの字も・・・』みたいな笑。」
古「笑。」
渡「なかなか長い道のりだみたいなことをおっしゃっていて。なので、本当に実践型でしたけど、良かったなって。色々焼けて。」
古「大きく分けると2通りですかね。渡邊さんみたいに焙煎専門になって朝から晩まで焼き続けて実践と共に慣れていくか、そこのお店の味ややり方が分かったなと判断されたらじゃあ焼いてみるか、みたいに時間をかけていくか。合う合わないは人によりますね。」
渡「私はたぶんブラウンチップの実践型が良かったんだと思いますね。ひたすら焼くっていう。」
古「その時は何を使って焼いていたんですか?」
渡「800gまで生豆が入る小型の焙煎機でした。モーター付きの。」
古「ああ、あの、直火式の。」
渡「そうそう、直火式の。で、ブタ釜もあったんで、ブタ釜でも何回かやったことがあるんですけど、毎日は使ってないので本当に手探り状態でしたね。」
古「それを日々、一年間やって、で、阿佐ヶ谷のあそこに間借りを。」
渡「そうそう。なので借りてからは水木金で朝8時から16時まで間借り営業して、土日月でブラウンチップで働いて、で、火曜日は間借り営業のための仕込みをして、っていうサイクルの生活を、結局・・・5年やったんですよね。」
古「それを5年はけっこう長いですね。」
渡「長い。その期間本当にどこにも行けなかったんですよ。なので、そこの間全然他の珈琲屋さんにも行けてないんですよね。」
古「もうずっとそれをやってたっていう5年間だった、と。それはご自身としてはどうだったんですか?」
渡「自分、としては・・・、どうだったんだろう。」
古「そのー、自分に動きがなくなると若干の不安感を感じたりするじゃないですか、」
渡「あー、ありましたね。ありましたけど、その時は別にそこまで感じなかったかな。後になって全然他の珈琲屋さんとの付き合いとかなくて知らないことだらけだな私って笑。」
古「笑。いや、珈琲屋同士の付き合いなんてそんなにないんじゃないですかね。」
渡「まぁないけど笑、なんか知らない人多いなって思って笑。」
古「知らない人が多い。」
渡「そう。それこそ、Tramも知らなかった。大坊さんが閉店して、古屋さんが始めた時に私全然知らなくて。ブラウンチップの同僚が『大坊さんで働いてた人が恵比寿でやってるよー』って。私、へぇー、知らない・・・。みたいな笑。そんな風に全然知らないこと多くて。」
古「今はけっこう付き合いがあるんですか?」
渡「今はー・・・どうかな笑。いや、でも珈琲屋さんに珈琲を飲みに行けるようになったかな。珈琲飲みにも行けなかったから。」
古「渡邊さんとは、私がうずを開いてから話すようになりましたっけ?」
渡「Tramの時に一度話した・・・かな。でも全然話していないと思う。」
古「私がBneiさんに伺ったのは(先輩の)Mさんのとこに行った帰りに寄ったのが最初かな。」
渡「あ、そうかも。」
古「で『Mさんがよろしく言ってました』って。」
渡「ああ、そうだ。そうそう。そうですね。」
古「珈琲屋さんはー、あんまり付き合いある印象ないですね。それか私があまりないだけかもしれないですけど。」
渡「私もそうですかね・・・。あ、でも木下さんは最近すごい仲良く、」
古「仲良くなりました?」
渡「仲良くしたいみたいですよね笑。他の珈琲屋さんと笑。」
古「木下さんが色んな珈琲屋さんと?」
渡「そうそう。」
古「それであれですかネル売ろうとしてるんですか笑。」
渡「笑。」
古「そうやってネルドリップ普及のための次の獲物を探してるんですね笑。」
渡「笑。」
(おそらく冗談で和やかに笑い合う)
渡「あ、それで、間借りしていた店のオーナーが辞めるっていうタイミングで私が契約して、で、始めたっていう感じですね。」
古「ふむふむ。」
渡「間借りしてた頃から色んな食事を出していて、」
古「食事出されてたんですね。そうしたら大変ですね。」
渡「そう、すっごい大変だった。それを火曜日で全部一気に仕込みして。足りなくなったらまた作って。って。それで独立してからも料理は出していて、朝も8時からやっていたので、モーニング出して、みたいな。」
古「めちゃくちゃ大変ですね。」
渡「うん。4時半起きとかだった笑。」
古「そこから今の営業形態になるまでだんだん削っていったって形なんですね。」
渡「そうそう、削ってきました。一つずつ。」
古「残すならこれだ、っていう考え方で?」
渡「そうですね。結局焙煎する時間がどんどんなくなってっちゃうんですよ。営業しなきゃいけないから。それがすごく、なんというか、プレッシャーというか、・・・ストレスだった、のかなーと。もっと焙煎したいのに営業しなきゃいけないみたいな。」
古「今その気持ち分かりますね笑。」
渡「笑。そう、何したいのかなって思って。それで削っていきましたね。なのでお客さんはすごい変わりましたね。入れ替わりというか。」
古「食事目当てでっていう人から。」
渡「そうそう。『やらないんですか?』っていまだに言われます笑。『やんないです』って笑。『なんならやるの、寸胴とかあげたらやるの?』とか言われて笑。『やんないですよ』って笑。」
古「そこまでやって欲しいんですね笑。それで、コロナ禍のゴタゴタも理由にあるかもしれないですけど、ほぼ店舗営業をやめて、」
渡「うん、そうそう、やめたんですよ。最初の緊急事態宣言のタイミングで豆売り・テイクアウトのみに変えて。なので、営業中もずっと焙煎して、ディスカバリーで。焙煎して売って、焙煎して売って・・・っていう営業を1年やったんですね。で、これさすがに回らないなって。」(ディスカバリーというのは主に家庭用の小型焙煎機で一度に生豆250g、焼き上がりの焙煎豆が200gほどしか焼けない。)
古「そうでうよね。」
渡「で、まぁその前から大きな焙煎機は買おうと思って、中古を探してたんですけど、まぁ出ないし、それだったらもう新しいのを買うかと思って。」
古「それで買ったわけですね。・・・なるほど。DのSさんに憧れて見た珈琲屋の世界が主軸としてずっとあって、今の形に行き着いたと。」
渡「うん、そう。そうですね。今まで影響を受けた珈琲屋さんの雰囲気なんかはきっと要所要所にあると思います。(福岡の)Bさんのお店の明るい感じとか。」
古「私Bさん行ったことないんですよ。」
渡「え!そうなんですね。一回も?」
古「はい。ちょうどコロナが流行りだす年に今年こそは行こうと思っていたんですけど。こうなってしまって結局行けずじまいで。」
(少しコロナへの文句が続く。)
古「・・・まぁ、そういう影響を受けたものって知らず知らずだとしても表れるものなのかもしれませんね。」
渡「そうそう。」
古「・・・流れで、今までの話を聞いちゃいましたけど、じゃあ、珈琲淹れてください笑。」
渡「そうですね笑。」
(作業音がし出す。)

渡「あの、文化学会の焙煎抽出の集まりで、大坊さんの手廻しと抽出を見る、みたいな会があったんです。それがすごく印象的に覚えてる。」
古「まだ大坊珈琲店がやってる時ですよね?」
渡「そうそう。」
古「大坊珈琲店のカウンターにズラーっとみんな並んだっていう日かな。」
渡「たぶんそう!その時いました?」
古「いや、私はその時いなかった。(先輩の)Mさんから話を聞いたんだと思います。でも働いてはいた時期だったんじゃないかな。」
渡「そうですよね。」
古「なんか錚々たる面々が大坊珈琲店のカウンターに並んだって、」
渡「そうそう、あの人、Kさんとか来て。私も行ったんですよ。」
古「え!そうなんですか?」
渡「笑。そうそう、札幌から珈琲屋さんが来たりとか。」
古「怖いね笑。」
渡「笑。」
古「珈琲何gにします?」
渡「どうしようかな、じゃあ20gにします。」
(かたじゃらかたじゃらかたじゃら、と測りの皿に豆を出す音。)
古「イエメンですか。」
渡「そう。」
古「わあ、久々にイエメン飲む。楽しみ。」
(ざあああああああ、と豆を挽く音。)
渡「ちなみに、これ、取材は他にどなたかやったんですか?」
古「ううん、まだ。まだ長月の飯田さんのみ。いずみの伊藤さんとか、まぁ気の赴くまま声をかけようかと思っています。」
渡「うんうん。」
古「私が怖いのは、本当に話をしたことがないところに行くのが笑。とりあえず少しでも知ってる人からやっていこうかな、という感じですね。」
(コポポトトトト、ポットに湯を注ぐ音。)
古「7分目くらいが扱いやすいと思います。ちょっと熱いんじゃないかな。」
渡「80・・・3、83だなぁ。」
古「高いですか?低いですか?」
渡「いや、やってみます。これで。」
古「(ネルの)生地は木下さんと全く同じものですね。形だけ私が型作って縫ったものなので違います。ちょっと深いのかな。」
渡「確かに・・・うわー難しいうわー。」
古「何が今難しかったんですか?」
渡「お湯落とすのが。」
古「笑。そうですよね、ポットの形大分違いますもんね。」
渡「ええー。」
古「富貴堂さんのと作りが全然違うから、感覚が全然変わる。」
渡「そうそうそう。」
古「それ今、蒸らしですよね?」
渡「はい。なんか・・・よく見えるなぁ。」(ライトが点いているからですね。)
古「点滴でやっていって・・・、だんだん線に近づけていく。」
渡「そうですね。・・・どのくらいがいいのかな。」
(珈琲が珈琲パンに落ちる音。)
古「何回かに分けて注ぐんですね。」
渡「うん。・・・これは、50ccくらいで出したい。」
古「(底から)一番下の線との半分ちょい上くらいですね。」
渡「・・・、こんなもんかな。」
古「私と比べると割と短時間で出しますね。」
渡「ああ、そうかも。」
古「ありがとうございます。」
渡「うまく淹れられたかな。」
古「・・・懐かしい味だぁ。イブラヒム良いですね。買おうかなぁ。・・・ブネイさんの中ではけっこう深煎りですね。」
渡「うん。」
古「うん、美味しい。イエメンはけっこう、変わってしまって、」
渡「うん、確かにね。」
古「取るのやめちゃったんですよね。イエメンはいつもこのくらいの焙煎度合いで焼かれます?」
渡「はい。」
古「深いですね。今まで飲んだブネイさんの珈琲の中で一番深い気がする。」
渡「ほんとですか。」
古「(ネルを洗う音。音で会話がよく聞こえない。)」
渡「ああ、でもそう、一番深くしてます。焙煎して二週間、かな。」
古「二週間。ふーむ・・・。イエメンはけっこう置いておいても良い豆ですよね。」
渡「うん。そうそうそう、ほんとに。」
古「不思議な豆だなって。」
渡「うんうんうん。」
古「むしろ置いた方が美味しい。」
渡「そうそうそう。そうそう。」
古「渡邊さんって同じイエメンで中深とか浅煎りも焼きますか?」
渡「うーん、豆による。」
古「これは浅煎りでも美味しいとかの場合は焼く?」
渡「うん、そうですねそうですね。多分ブラウンチップで働いていたからなのか、色々なバリエーションの珈琲を出したいとは思っているんですよね。だから浅煎りもあるし中煎りもあるし、中深もあるし。うん。」
古「私そういうのないんですよ。」
渡「ね。そうだと思う。」
古「・・・。」
渡「・・・。」
古「・・・ないんですよねぇー。」
渡「笑。うん、知ってる笑。」
古「そこはなんでしょうね、性格なんですかね。」
渡「笑。まぁ、色々な珈琲好きな人がいるから、それには応えたいなって気持ちはある。」
古「浅煎り別に嫌いなわけじゃないんですけどね。どれだけ酸っぱかろうと、別にあって良いし。ただ自分がやると深煎りになっちゃうんですよね。・・・。手廻しでやるとそう、としかできないんじゃないかなぁ。」
渡「ははぁ。手廻しで浅煎りやっている人いますか?」
古「いると思いますよ。いると思うし、まぁ、やることは変わらないじゃないですか。狙ったポイントまで持っていくっていう。ただ、1回目のコロンビアは深煎りにして、2回目のコロンビアは浅煎りにしようみたいに、パッと切り替える、というのが難しい気がする。・・・。どう、なんだろう・・・、いや、できる人もいるだろうなぁ。」
渡「どうなんでしょう。」
古「私はできないんですよね。徐々に理想とするポイントににじり寄っていくみたいな作業で、越しちゃったら戻ろうみたいな作業を毎日やっている感じなので、いきなりパッと全然違うポイントに飛んだ時に、そのにじり寄る作業みたいなものができなくなっちゃうんですよね。」
(書き起こしていて思ったが、種類の違う豆を焼くみたいなつもりでやればできないことはないのかもしれない。結局自分が理想とするポイントが一つしかないんでしょうね。)
古「でもそもそも、私が美味しいと思う浅煎りの珈琲って一般的には深煎りの珈琲なのかもしれない笑。誰が飲んでも『浅煎りだ』と思う珈琲で美味しいというのはすごく稀かもしれない。」

(菓子があったのでしばらく普通にお茶の時間が挟まりました。)


古「ええっと、何の話ししてましたっけ?笑」
渡「何の話でしたっけ?」
古「浅煎りとか深煎りとかの話かな。そもそもそれ、どこで分けてますか?」
渡「なんですかぁ?」(菓子に夢中だこれ笑。)
古「珈琲を焼いた時に、これは深煎りだってするのと、これは中深煎りだってするのと、その境界線は何ですか?」
渡「境界線?」
古「はい。どこで判断して決めているのか。」
渡「や、でも、それは焙煎する時から。これは中深にしようって決めて焼くので。」
古「でもそれ味見してみて、明らかに苦過ぎたり酸っぱ過ぎたりしても中深にしちゃいます?」
渡「ああ。んーと・・・、あんまりそこのブレないかな。」
古「凄いですね。」
渡「なんとなーく、ですけど・・・、あ、このイエメンは一応中深の深です笑。」
古「今のイエメンで中深煎りの中の深めっていう判定ですか?」
渡「うんうん。」
古「私は深煎りですね。今のイエメンは。」
渡「あ、ほんと?」
古「はい。味的な要素での判定はありますか?」
渡「いや、焙煎の工程かな。」
古「今のよりも深いイエメンも存在する?」
渡「うん。・・・うん。うーん?いや、でもそれ以上深くは焼かないかな。」
古「ふむ。他の珈琲屋さんに行って中深煎りって言われたらもっと浅い味をイメージしちゃう」
渡「まあね。」
古「深煎りって言われても全然浅い珈琲を出されることが多い。」
渡「うん。確かに、そうね。」
古「今のイエメンじゃなくて他の中深煎りの深だったら全然味変わりませんか?」
渡「うん。変わるかも。」
古「それは味で合わせるんじゃなくて工程で合わせているってことですか?」
渡「うん。ですね。」
古「じゃあ火の入れ方が同じっていうこと?」
渡「大体一緒です。豆によって焙煎はあまり変えないですね。浅めだけ焙煎工程を変えますけど、他は変えていないです。」
古「じゃあ深煎りと中深煎りは下ろすタイミングが違うだけで火の入れ方は変わらない。」
渡「うん。変わらない。」
古「ふーーん。なるほど。焙煎基準なんですね。それは考えたことなかった。」
渡「たぶん、これはブラウンチップの考え方なんですよね。ブラウンチップは毎回味見できないので、お客さんの注文の豆を。よっぽどこれは浅いかな、深いかな、って時に味見しますけど。そこは数値で判断するんですよ。」
古「焙煎工程のデータで。」
渡「煎り上がりの数字。あそこは生豆200gの値段で販売しているので、実際煎り上がりは少し減るので、」(焙煎すると生豆の中の水分が抜けて軽くなる。)
古「まあ150,60gくらいになる。」
渡「うんそうそう。そうです。で、その煎り上がりの数字でこの焙煎の度合いっていう判断をするんです。」
古「煎り上がりの数字で。重さが軽くなるほど深煎りだということ?」
渡「うん、そうそう。だから焙煎基準で味を決めるっていう考え方なんだと思います。」
古「なるほど。そういう観点ももちろんありますよね。じゃあ、焙煎工程で煎り揃えた豆2種の苦味の出方とか酸味の出方が全然違っていたとしても、それはその豆の性質、個性なんだっていう判断ってことですね。」
渡「うん。」
古「なるほどー。」
渡「だから焙煎している時に『あれ、これちょっとやり過ぎたな』っていう時に数字で測って、『あ、この範囲か。ちょっと焼き過ぎたか』とか判断しますね。」
古「ふーむ。でも、その辺のデータって割と信憑性ありますよね。その、『ダメだよ数字ばかり見ていちゃ』みたいな派閥笑、私はそっち派閥だと思うんですけど笑、渡邊さんの焙煎機をお借りしたじゃないですか」
渡「はい。」
古「それで焙煎させてもらっていると、あ、全然信じていいなって。『最近の焙煎士は全然豆を見ないよ』みたいな嘆きを聞いたりしますけど、でもそれでも全然焼けるなって笑。」
渡「まあね。そうそう。」
古「現に私は扱いに慣れていなくて、数値の表示と豆を見る位置が遠くて両方はうまくできないから、大体この辺かな、というのが分かってからは片方、数値だけに絞って焼きました。」(せっかくだからそっちを試そうかと思って。)
渡「うん。」
古「でもそれで全然焼けるし、細かく詰められるし、問題なかったですね。」
(今の所、焼き始めの釜内の熱量を毎回同じにすることができれば数字だけでいけるなと思います。温度計と実際の温度に差があるんですよね。)


古「味についてはどう思いますか?珈琲の。これをまず聞こうと思っていて遅くなってしまいました笑。」
渡「味?」
古「そのー、珈琲をそもそも、美味しい飲み物だと思いますか?」
渡「笑。思うよ。」
古「あ、珈琲美味しいですか?」
渡「うん。でも、全ての珈琲が美味しいとは思わないけど。」
古「お、良い話ですね笑。」
渡「笑。」
古「なんの珈琲が不味かったですか?笑。」
渡「笑。まぁ、どうだろうねー・・・、所謂食事をメインにしている、フレンチとか、何でもいいんですけど、その最後に出される珈琲は美味しくない。」
古「レストランでコース料理を食べた後に飲む珈琲?」
渡「うん。だから全ての珈琲が美味しいとは思わない。こんなに美味しい料理を食べたのに最後この珈琲かぁ・・・って。」
古「あんまりそんな洒落た食事をしたことがないのであれなんですけども笑。」
渡「笑。まぁ私もそんなには笑。でもまぁ、残念だなって思うよね。」
古「ふむ。私は常々思うんですけど、そもそも珈琲って不味いよなって。」
渡「ああ、そうなんですね。」
古「そもそも不味くてどうしようもないものを何とかして飲めるものにしようみたいな考えが、その、うずに移ってからですね、うずに移って一年くらい経ってからかな、特にそう思うようになりました。」
渡「へぇー。」
古「焼いて作って美味しい、って思い込んでいるだけなんじゃないかと思うようになりました。」
渡「なるほどねぇ。」
古「苦味と酸味が主体の口に入れるものって美味しい要素はどこなんだって。」
渡「笑。そうね。」
古「苦味も酸味もね、口に入れたらいけないというものを感知する感覚なので。」
渡「うん。」
古「まぁ勿論飲んで美味しいとは思うんですよ笑。でも、その、心意気の話で。心意気というか一つの考え方として。そこから私は飲んだ時に美味しいって思うのは何でなんだろうっていうことを考えるようになりました。珈琲を飲んだ時に美味しいと思う要素は何だろうって。渡邊さんは何かありますか?」
(録音越しに空間の広さがどのくらいか推し測れるくらいの沈黙。)
古「凄い、動きまで固まってますよ笑。」
渡「笑。んー、何だろう。濃度と味のバランスと、んー、何だろう。何ですか?」
古「私も味と香りのバランスは重要だと思います。その、そもそも珈琲って何の味がするんだろうと考え出して、苦味と酸味があって、で、それ以外があるじゃないですか。」
渡「うん。はい。」
古「苦味と酸味を分けて、でもそれよりも、たぶんもっと多くの領域のそれ以外の味があるじゃないですか。」
渡「うんうん。」
古「で、その部分の中に大切な味があるんじゃないかと思って、で、私は今珈琲の味の要素は5つに分けたんです。苦味酸味と、渋みなんかの雑味、で、これは香りになるけど風味。もう一つが、こういうと語弊があるかもしれないですけど、旨味、的な部分。の5つ。これが味の要素としてあってそのバランスで美味しいと思うんじゃないかと。」
渡「うん。」
古「それで、分け終わった後に甘味はどこ行ったんだろうって思ったんです。珈琲甘いって思いますか?」
渡「その議論ありますよね。私はあると思うんですけど、でも、甘い味がするっていうよりかは甘い香りがするんじゃないかと思っている。」
古「ふむふむ。私はそんな風に味を分けて考えるようになったら甘味って感じなくなっちゃったんですよね。・・・珈琲に甘味は、ないっすねぇ・・・。」
渡「笑。」
古「もし甘味があるんだったら、多少こっちが焙煎をミスったとしても多少は甘くなれよって思いません?笑」
渡「笑。」
古「ねえ?だって甘味があるんだったら多少焦がしたり少し手前で下ろしたとしても多少は甘くなるのが人情だと思いません?」
渡「笑。確かにね。」
古「でも、本当にちょっとしたことで甘いって感じなくなるなって。それに同じ珈琲を違う人に出したとして、片方は甘いって思うけど片方はそうは思わないってことも多々ある。」
渡「ありますね。」
古「聞くところによると珈琲一杯の成分を出したときにその中には人間に感じ取れるほど甘味成分は入っていないらしい、というデータだとか、そういうことを踏まえると珈琲に甘味はないって考えた方が辻褄が合うなと。なので、味を5つに分けて、その5つの組み合わせ、バランスで甘いって感じると考えた方がスッキリするなって。」
渡「なるほどね。確かに。」
古「とまぁ、そんな風に今私は考えています。」
渡「ふんふん。異論ないです。」
古「異論ないですか。じゃあ珈琲甘くない派閥ですね笑。・・・まぁ、でも、どうなんでしょうねー。」
渡「甘く感じるのは、そうねー・・・やぱり香りと濃度・・・かなぁ。」
古「香りは重要ですよね。甘い香りがしただけで想起されますもんね。それぞれのバックボーンによるところがあると思うんですけど、深く焼いた時のカラメル香とか、そっちの方に馴染みがある人は深煎りの時に甘く感じやすくて、甘い果物なんかをよく食べていた人は浅めの時に感じやすかったりするんじゃないかなぁと。」
渡「ふーむ・・・古屋さん、イエメン、淹れてもらってもいいですか?笑」
古「すみません!気が利かず笑。」
渡「笑。」
(まだ菓子が余っていました。)

古「ずいぶん時間を取ってしまって申し訳ないですけど、焙煎機の話はもう少ししておきたいかな、と思うんですが。」
渡「うんうん。」
古「焙煎機、どうですか?ディスカバリーから3kg半熱風を導入して、どのくらい経ちました?」
渡「1年3ヶ月くらいですね。」
古「ディスカバリー歴は?」
渡「4,5年ですね。」
古「ディスカバリーで4,5年やってたら回数でいうと物凄い回数になってますよね。」
渡「うん、たぶん、ディスカバリーで一番焙煎している人だと思う、私笑。」
古「笑。その前のブラウンチップさんでも焼きの機械に触れていて。」
渡「うん、そう。ブラウンチップ、元々荻窪と阿佐ヶ谷に店舗があったんですけど、荻窪が閉店したんですよね。その時に閉店セールをしたんですよ。」
古「はい。」
渡「お客さんに通常の1.5倍量の珈琲豆を渡すっていう。で、その珈琲豆を私が全部焼いた。」
古「へえ。それ何回くらい焼いたんですか?」
渡「分かんない。もうずっと焼いてるみたいな。一応壁にお客さんの注文が貼られるんですけど、本当に壁一面に貼られていて。」
古「すごいですね。でも、良い経験ですね、それ。」
渡「うん、良い経験でした。」
古「それで、今の焙煎機はどうですか・・・、というよりディスカバリーを導入したきっかけはなんだったんですか?・・・の前に笑、手網焙煎とかはやられてたりしたんですか?」
渡「あります。家でやってた。」
古「手網どうでした?」
渡「なんか、手網の方が研究っぽくやってた気がしますね。1分ずつ計って豆を都度取り出して大きさ測って、みたいなことやってました。」
古「焙煎初めが手網ですか?」
渡「そうです手網ですね。」
古「手廻しはやられたことないですか?」
渡「手廻しはないですね。」
古「じゃあ手網、ブラウンチップさんの焙煎機、からディスカバリー。」
渡「うん。ディスカバリーは、ブラウンチップの名残なのか、小型の焙煎機が欲しいと思ったんですよ。なので元々メーカーさんのところにディスカバリーを触りに通って、いつか独立した時はこれを使おうって。」
古「もう独立前から決めていたんですね。それ、不安はなかったんですか?一度に煎れる量的に。」
渡「うん。全然なかった。」
古「これくらいでいいって。で、それが甘かったってことですね?笑」
渡「笑。そうです笑。最初は1kgのものと悩んでいました。でも触りに行ったらそれがすごく難しくて。」
古「3kg5kgの釜とは造りが違うんですか?」
渡「うん。すごいアナログ。計器は一応全部ついているんですけど・・・、なんていうんだろう、うまく言えないけど、その時ディスカバリーはすごく優秀だなって思ったんです笑。相性が悪かったのかな。」
古「でもダンパーついてて熱風通して焼くみたいな造りだったら全然変わらなさそうですけど。」
渡「そうなんですよ。でもなんでか、全然ダメだった。で、3kgにしました。3kg触って、その場で飲んで、『これは良い』って。」
古「それは使い心地が全然違ったんですか?」
渡「うん、そうなんですよ。何が違うのか分からないけど。」
古「笑。何が違うのかすごく気になるんですが。」
渡「なんとなく3kgの方がディスカバリーに近いんですよね。味も。」
古「3kg5kgの違いは周りは変わらずに中のドラムの大きさが変わるっていう仕様でしたよね?」
渡「うん、そう。」
古「せっかく買うんなら5kgにしようみたいなのはなかったんですか?」
渡「そこはディスカバリーを買う時の気持ちと同じなんだよね。5kgまではちょっと・・・って笑。」
古「笑。あと2,3年後くらいに後悔してそうですね笑。」
渡「笑。もう5kgにしておけば良かったなってなってる。」
古「すでに笑。でも周りは変わらずにドラムだけだったら簡単に換えてもらえないのかな。」
渡「いや、ここの幅が変わるから換えるのはドラムだけではないかな。」(手振りで示しながら。)
古「そこごと変えなきゃいけないんだ。」(ドラム周りの覆い部分かと。)
渡「買う時色々悩んだんですけどね、ディスカバリーもう一台買おうか、とか笑。」
古「笑。筋金入りのディスカバリー好きですね。そもそも他のメーカーさんの焙煎機とかは考えなかったんですか?」
渡「触ったことはあるんですけど、あの、電気を使って焼くやつとか。んー、でもなかったなぁ、選択肢に。あとSさんとかMさんも同じメーカーさんだったので、そういうのは一緒にしたいなっていう気持ちもちょっとあった。」
古「信頼感ですね。私はあの、Iさんのとこのやつは候補に上がると思うんですが。」
渡「うん、確かにね。」
古「でも、もう夢の話ですかね。」
渡「やっぱりそうなんですか?」
古「一度だけUさんに連れられて訪ねて行ったんですが、お一人だったので、おそらく・・・。」
渡「ううーん。・・・、そういえばIさんの1kgもあったんですよ、ブラウンチップ。」
古「そうなんですか。ものすごいシンプルな造りしてますよね。」
渡「そうそう。」
古「前に喫茶いずみの伊藤さんのところで見せてもらったんですけど、ダンパーが、小さな引き出しを手でどのくらい引き出すか、みたいな。」
渡「そうそう。Fさんの1kgも昔そうだったんですよね。」
古「そうなんですか。でも、それで問題ないですもんね。ほとんど手廻しのようだと思いました。まぁ他のにしてもそんなに・・・。私、渡邊さんの焙煎機使わせてもらったじゃないですか?」
渡「うん。」
古「今のところの結果、手廻しと一番変わるのは風を吹き付けているところだと。」
渡「うん、そうですね。」
古「そこを操作すればより手廻しに近い味にできそうかなぁと。でも、それまで一応一生懸命やってたじゃないですか?笑、迷惑だろうなぁと思いながらも行くたびに半日籠らせてもらって笑。ひたすら焼いて。」
渡「笑。うん。」
古「風の量をいじるのはそういうのを全部0にしちゃうから、だから今二の足を踏んでいます笑。」
渡「笑。」
古「うん、風の流入が一番違うところで、それが機械焙煎の特性を生むっていう良い作用をしていると言えるし、機械の焙煎機になって失われる所がある、っていう悪い言い方もできる部分かな、と。」
渡「うんうん。」
古「ただ、風の流れを全部無くしてしまった時にちゃんと焼けるのかどうか。火とドラムの距離がありますからね。」
渡「あれ、近づけることできるのかな。」
古「頼めばできそうですよね。でも、それをやって機械の焙煎機で焼くということにどれだけの意味があるのか。焙煎機なりの特性を活かした上で美味しい珈琲を探すっていう方が、意味があるんじゃないかなぁっていう気持ちもありますね。」
渡「確かにね笑。」
古「でも、やっぱり味は随分違うなぁと思いました。機械と手廻しとで。焼いたやつをここ(うず)で飲んでみて。やっぱりここで飲むのが一番分かりやすいので。・・・ブラジルは、惜しかった。でもやっぱりすっきりしますね。」
渡「そうですね。」
古「それが良いんでしょうけどね。」
渡「うん。」
古「私ほぼダンパーの操作しなかったので、全閉じから最後少し開け、くらい。だから下(吹き込む風は焙煎機の下に切り替え用のレバーが付いている)で調整するしかないでしょうね。他の豆は焼けきれてなかったですね。熱当たりの方でダメージ入っちゃって、味が柔らかく焼ききれていない状態。・・・ディスカバリーと3kgはやっぱり味変わりますか?」
渡「変わりますね。」
古「どっちがどういう味に?」
渡「んーーー、3kgの方がすっきりするかな。ディスカバリーの方がもう少し、雑味が残る、かな。」
古「ふーん、でも、造り自体は大体一緒ですよね?」
渡「うん。」
古「でも吹く風の量は大分変わるから、その違いが大きそうですね。」
渡「ディスカバリーの方がドラムと火が近いんですよ。なので、そういった味の出方があるなぁと思う。」
古「ふむ。・・・まぁ、なんとなく言っていること分かるんですけど、後で書き起こす時にどういう風に分かるように書こうかなっていう笑。」
渡「笑。なんというかね、(ディスカバリーの方が)豆に負担をかけやすい。」
古「豆肌へのダメージが入りやすいのかな?」
渡「たぶん、そう。そういう感じがするかなぁ。」
古「ふうむ。まぁそうあっても他の味を強く出すことで雑味が目立たなくなったパンチのある珈琲も魅力的だし、すっきり綺麗に雑味が取り払われた珈琲も、あーこれはこれで美味しいなぁと。」
渡「うんうん、そうですね。私、木下さんの珈琲好きなんですけど、木下さんは手廻しだけど綺麗な味。もしかしたら洗う工程が関係しているのかもしれないけど。」
古「木下さんは確か直火式(手廻しのドラムに穴が空いてる)で、外を覆って、最近は遠赤外線発生プレートなるものを挟んで楽しんでましたね。」
渡「笑。」
古「調子良いみたいですよ。そうなるとやっぱ炭火かなぁとかになってきますね。」
渡「あれ、(山口の)S珈琲さんって炭火?」
古「なんか最近炭熾してるのTwitterで見ました。あの方はこだわり派ですね。お店とかも格好良い。」
渡「うん。」
(S珈琲さんの話。伺ったことがなく不確実な話が多いので割愛。)

古「まぁ、でも機械の焙煎も楽しいですね。」
渡「うん、楽しいですね。」
古「焙煎を詰めるのは機械の方がやりやすくて良いなぁと思いましたね。手廻しだと比べたい変数の他をきちんと揃えてできているかの判断が難しい。・・・焙煎機の取り付けってすぐ済むものなんですか?」
渡「注文して、2ヶ月かな、取り付けの時、なんか、『事前に壁に穴開けといてくださいねー』みたいな感じで言われるんですよね笑。ダクト用の。」
古「あ、こっちで穴開けるんですか笑。」
渡「そう言われたんですけど、『こっちで手配しましょうか?』って言ってもらえて。」
(焙煎機の取り付けやダクト設置と壁に穴開けて整える工事の業者さんが違うのでしょうね。)
渡「取り付けは半日くらいだったかな。組み立てて納品されるんですけど、ウチ2階の設置で重くて持ち上がらないので分解して上げてました。」
古「大変ですね。」

古「うん!どうですか?他に話しておきたいことありますか?笑」
(この時点で2時間経過。)
渡「笑。」
古「いやー、もしかしたらテーマを一つに絞ってやった方がいいのかもしれないですね。ちょっととっ散らかっちゃいましたかね。」
渡「笑。」
古「もう時間も長くなってしまったので、締めていきましょうか。ブネイさんは先々こういう珈琲屋さんになりたい、というようなものはありますか?」
渡「うーーーん・・・、分かんないですけど、まぁ・・・、死ぬまではやりますけど。」
古「死ぬまでやるんですね。」
渡「うん、先のことは分かんないけど、このままいったら死ぬまでやります。身体が保てば。と思っていますけど。」
古「Sさんは今おいくつでしたっけ?80近い?」
渡「たぶん80くらいだったと思います。うーん、何か、何だろう、後世には何か残したい、っていう気持ちはあります。珈琲屋として。」
古「珈琲屋として。」
渡「ブネイコーヒーとして、ですね。」
古「それはどういうモノでも?」
渡「うん。こういう珈琲屋あったよね、みたいに。」
古「それはもう残ってるんじゃないですか?」
渡「分かんない。」
古「残すって・・・、後はまぁ人、ですかね。」
渡「あー、うーん、あんまそういう気はないんですよね私笑。」
古「笑。モノとか、思い出、記憶みたいな方で残したい。」
渡「そうそう。記憶として、ですね。」
古「人の記憶に残る珈琲屋でありたい。」

(間。)

古「なるほど。いやぁ、ありがとうございます。」
渡「笑。いいの?これで笑。」
古「じゃあ最後に、渡邊絵美子にとっての珈琲とは?笑」
渡「笑。えぇ、何ですか?古屋さんにとっての珈琲とは?」
古「えぇ。珈琲は珈琲でしょう。」
渡「笑。」
古「いや、あのー、結論はそうなんですけど、人間側からああだこうだ珈琲に求め過ぎじゃないかと思うんですよ。ただでさえ、珈琲の人権、じゃないけど笑、まぁ人間はやりたい放題やっているわけじゃないですか。勝手に栽培したり他の国へ持って行ったり遺伝子弄ったり、ねえ。飲むまでの工程も実を捥いで肉を削ぎ乾かし、火に当てて砕き湯で煎じるとか、もうやりたい放題ですよ。その上さらに何か珈琲に押し付ける、というのは何か違うんじゃないかと。・・・という関わり方をしたいです笑。」
渡「うん。なるほどね。」
古「まぁ珈琲はなるべく・・・、・・・、まぁ、なんとも思ってないです笑。」
渡「笑。」
古「珈琲は珈琲で、自分は自分で。そういうスタンスで。」
渡「ふむふむ。例えば今珈琲屋じゃなかったら何やってますか?」
古「並以下だけど落第までは押されない、っていう感じのサラリーマンだったと思います。」
渡「笑。」
古「うーん、いやあ、何やってたかな。そもそも珈琲屋も大坊珈琲店にいなきゃやりたいって思ってなかったでしょうしね。働き出す前はやろうって思っていなかったですから。」
渡「あ、そうなんですか?」
古「はい。大坊珈琲店で働きだしてから、あ、いいな、珈琲屋って思いましたから。分かんないですね、ホームレスになってた可能性も十分にあったでしょうね。」
渡「大坊さんが閉店した時はおいくつでしたか?」
古「26,7。coffee tramやりだしたのが27の歳だったので。私はだから、新米ですね。」
渡「古屋さんは、今後どうしていきたいですか?」
古「うーん、それずっと悩んでるんですよね。まぁこの企画もその悩みから生まれたところもあるんですけどね。」
渡「ふーん。」
古「まぁ、ここ何年かで何かしら形になるものをやりたいなとは思ってるんですけど、分かんないですね。うーん、あんまりここ(うず)で死ぬまでっていうイメージはないですね。そもそも焙煎をここでずっとやり続けるっていうのは環境的に厳しそうですし。焙煎所を別に作る、とかはあるかなぁ。」
渡「ふうむ。」

(ここでお互い従業員は雇わないのか、という方に話が広がるんですが、齟齬を生みそうなのでカットしました。)

古「ん、あれ?珈琲とは?笑」
渡「笑。珈琲とは。うーーーん。」
古「笑。まぁ別にあれですよ、聞かれて困るだろうなと思って聞いたんで笑。」
渡「笑。うーん、珈琲、というか、まぁ、珈琲屋は、天職ですね、私にとっては。何の苦もない、かな。」
古「大分苦労話を聞きましたけど笑。」
渡「笑。でも、何の苦もない、かな。」
古「・・・はい。いただきました。ありがとうございました。」
渡「笑。ありがとうございました。」

阿佐ヶ谷 Bnei Coffee
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