男、でもない

以前の投稿で自分が女だということについて考えてみたのだが、考えるほど女であるとはどういう事か分からなくなった。そこで試しに自分は男か?について考えてみる。それで分かる事があるかもしれない。

とにかく私は男性の少ない環境で育った。男兄弟も無く女子校育ちで地元の友人も女の子ばかり。女性の中で育って私はいつも違和感を感じていた。女らしさって、自分には合わない。本当は男の子の方が気が合うのかも。

高校を卒業してバイト先やサークルで、日常的に男性と接するようになったが時々相手が戸惑うのを感じた。なんとなく分かったのは、男女で適切な距離感に違いがあるという事。女友達に話しかけるように男性に話しかけると相手が少し距離を取ろうとする。どうも近過ぎるらしいと感じて徐々に学習した。それは距離の問題だけでなく、プライドでもあるらしい。お互い領土を侵さない緊張感が求められる。友人として関わるなら、男性の方がスマートだと感じた。適度な尊重、初めから仲良しじゃなくていい、同性ノリの共有から始まらない関わりが快適だった。
しかし当時は、あるいはたった今まで、それを男性の特徴と思っていたが、思えば異性だからに過ぎない気がする。男性でも馴れ馴れしい人は居たし、社会に出てからは同性でも最初は敬語で慎重な距離感の人は多い。

自分は女性的ではない、だから男性的だと単純に思っていた。しかし事はさほど単純ではないようだ。
女友達との会話は愚痴と噂話になりがちだから、男性との方が話題も新鮮で楽しい気がすると思い込んでいたけれど、結局それは同性という内輪の甘えと、異性だからの特別扱いの違いに過ぎないのかもしれない。

私が男性と居て楽しかったのは、私が男性ではないからだ。その気付きは時折感じていたこと、ここから先は仲間に入れないという疎外感が裏付ける。
私は、男ではない。改めて、もっと丁寧に、女としての自分も見つめて行きたいと思う。


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