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【読書ログ】ゼロ秒思考

先日の記事「【読書ログ】遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣」でも少し言及をした『ゼロ秒思考』を再読したのでまとめておく。

ゼロ秒思考を読んだ目的と効果

瞬発的に思考を書き出す練習を積むことで「自分の脳内を外部に書き出すこと」を躊躇せずにできるようになる、というのが今回の目的だ。

ちなみに本書を読む前に『アウトプット読書術』でアウトプットの必要性を学び、『遅読家のための読書術』で軽めのアウトプット法を練習している。この本を読むことでアウトプット力をさらに一歩進めようという目論見である。

まだ始めたばかりなので直接的な効果は出てきていないが、すでに脳内を絞っている感覚を得ている。これは英語の学習で瞬間英作文や暗唱を始めた頃の脳を燃やしている感覚と似ているので、おそらく慣れれば負荷が減ってくるたぐいの感覚だと思われる。

また、これはまだ実行できているとは言えないが、思考を体系化する&アウトプットを行う際の流れの全体像が把握できた。この枠組みはさまざまな事柄に応用できるはずなのでまずは身の回りのこまごましたことから深掘りしてみようと思う。

感想と要約

実は数年前に読んだことがあるのだが当時はあまりピンとこず、早々にメルカリで売ってしまったため今回改めて購入した。

この本は思考を整理し考えを深めるためのメモ術を紹介している。利用方法や具体的なテーマの決め方などについても詳しく記載しているため、読んだ後で「つまり何をすればいいんだ?」といった感想を抱くことはないはずだ。

ゼロ秒思考を行うことによるメリットとしては
・思考が整理される
・メンタルが整えられる
・考えを深めることができる
・アウトプット力・コミュニケーション能力があがる
といったことが考えられる。順番に紹介していこう。

1.思考が整理される

私は脳内が常に雑然として思考に支配されている。しかし深いことを考えているのかと言われるとただ思考が川のように流れて行っているだけな気もする。

ゼロ秒思考は言ってみれば脳内の作業スペースの外部化である。脳の外部メモリとしてのバレットジャーナルと併用することにより思考がクリアになる感覚を得られるだろう。

また、考えているだけだとあっちこっち行って元の場所に戻ってこられないことも多いが、メモであれば足跡が残り本題から外れてもすぐに戻ってこられるため安心して脇道へ入っていくことができるようになる。

ちなみに、ゼロ秒思考で一つのテーマを深掘りしていくと自然とロジックツリーの形になっていく。通常のメモ書きであっても文字にして客観視するだけで考えを整理しやすくなるものだが、ロジックツリーになっているため全体像や構造の把握がより簡単になり、優先順位をつけやすくなる。

しかもメモを取っていくだけで自然と構造化されるため余計なエネルギーがかからない。大変魅力的である。

2.メンタルが整えられる

心配事にとらわれていたり心が乱れていると頭がうまく動かないというのは誰しも経験済みだと思う。心を整理させる、気持ちを落ち着かせるということは思考する上でも大事なことなのだ。

ゼロ秒思考でただひたすらに自分の気持ちを書き出していくと気持ちがすっきりしてくる。これはモーニングページでも得られる効果ではあるが、ゼロ秒思考ではさらに悩みが可視化されることによって解決の糸口が見つかりやすくなったり「実際は大したことがなかった」と気づいたりするため、ストレスを根本から解消するアプローチにもなる。

また、ストレスや悩みを掘り下げていけば自然と大事なことと大事でないことの区別がつくようになる。大事なこと以外あまり気にならなくなればそもそものストレスが溜まりにくくなる。

3.考えを深めることができる

頭を使わないで成長することはできない。

これは勉強や仕事だけでなく、趣味や遊びなど何についても言えることだろう。

本書では書き出したメモの中身を派生させて深掘りしたり別の立場から同じテーマについて書いてみる、といったように一つのタイトル(=テーマ)について何度もメモ書きをすることを推奨している。

こうして深掘りしていくと複雑でむずかしいと思っていた問題であっても小分けに分解・整理していくことができるので全体像が見えてくる。

こうして考えを深め、整理し、全体像を把握して優先順位をつけていくといった作業は鍛えれば鍛えるほど力がつくのだそうだ。

どの本だったかは失念してしまったが以前読んだ本でも「アウトプットは筋トレ」といったようなフレーズを見かけた記憶がある。(アウトプット読書術かな……確認したら追記します。)

4.アウトプット力・コミュニケーション能力があがる

アウトプット力を上げるために本書を読んだのだが、アウトプット力と言語能力、コミュニケーション能力は密接に結びついていると知ることができた。

アウトプットの訓練としてイメージや感覚を言葉にしていくと、自分の感覚にぴったりあっているだけではなく、相手にとってもわかりやすい表現ができるようになってくる。相手に伝わりやすい表現ができるというのはそのままコミュニケーション能力の高さであるといえるだろう。

また、「頭がいい、仕事ができる」と形容される人というのは、「言葉の感覚が鋭く、そのためにコミュニケーション能力の高さが光って見える」場合が多いのだというが、これについても周囲に思い当たる人が何人か浮かぶはずである。

まとめ

本書では頭の中の整理や悩みの解決といった基本の使い方にとどまらず、思考を深める具体例として企画書の立案方法が解説されている。

そのままの使い方で企画書を作るような機会がない人であっても、レポート作成や創作活動、家族へのプレゼンなど使い道はいくらでもありそうだ。

まずは本書で推奨されている通り1日10枚のゼロ秒思考を習慣化するところからはじめていきたいと思う。

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