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バイオフィリアデザイン -建築に自然を取り入れるメリット-

こんにちは、つじしゅんです。

海外の建築ニュースを要約しお届けする、

建築Reading Part17です

取り上げたニュースはこちら

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いきなりですが質問です
「リフレッシュできる場所として、あなたはどこを想像しますか?」

多くの方は森や山、海、草原といった自然があふれる場所を想像するかと思います。
オフィスを想像する人はほとんどいないでしょう。

ですが、私たちの多くはほとんどの時間を家やオフィスのような室内空間ですごしています。

この事実をうけて、ストレスを受けずらく快適な空間を作るため、バイオフィリアという考えに多くの建築家やデザイナーが目を向けています。

バイオフィリアとは?

バイオフィリア(Biofilia)とは、ギリシャ語で「生物への愛」という意味です。

はるか昔、人は自然から食糧や治療法、外敵から身を守れる場所を恵まれ生活していました。

時間がすすみ、産業革命や技術革命が起こると、人と自然の関わり方は大きく変わり、バイオフィリアが失われはじめました。

現在、バイオフィリアを取り戻すべく、建築やインテリアに自然を取り入れようとする動きが起き始めています。

バイオフィリアについてはイングリッド・フェテル・リー著の「Joyful 感性を磨く本」にも出てきます。

  ↑  単行本

  ↑  Kindle版(電子書籍)

今回紹介しているバイオフィリアについてだけでなく、色や光の持つエネルギー、形状がひとに与える感覚について等、いろいろなことを知ることができるのでオススメです。

バイオフィリアデザイン

そもそも、バイオフィリアの原理は「人と自然を結びつけ、幸福度を向上させる」というシンプルなものです。
建築家は、人と自然を結びつけるためにどのようなことができるのでしょうか?

その手法は大きく分けて3つ

・自然そのものを取り入れる
植物や水、自然光を取り入れたデザインとする

・自然界の材料を取り入れる
木や石のような、自然界のものから作られた材料を使う

・自然的な形状を取り入れる
植物等をモチーフにしたような、有機的な形状を取り入れる

バイオフィリアデザインをオフィスに取り入れる

職場に自然を取り入れることのメリットについては、多くの研究が行われてきました。

従業員は一日のうち、平均で8〜9時間をオフィスですごす。
この当たり前のような行為ですが、私たちの体に様々な悪影響を与えます。

・代謝率の低下
・糖尿病、心臓病、うつ病のリスクの増加
・腰や首の痛みといった体の不調

、、、2つ目のリスク、驚きですね。
まさかここまで体をむしばまれていたとは。

ですが、ポジティブな研究結果もあります。

オフィスをオフィスと感じなければ私たちの体に対し、良い結果が出る。

この研究結果を受け、最近ではオフィス感を減らすために、バイオフィリアデザインを取り入れる建築家が増えています。

インテリアに木材を使うことで得られる効果

「バイオフィリアデザイン」で取り上げた、自然界の材料を取り入れる、という手法。

その中で私たちと最も馴染みの深い材料といえば木材でしょう。

木材をインテリアに取り入れることによってさまざまな効果が得られることが研究から分かっています。

上記のイラストでは、木がどれだけ見えるか(木視率)によってどんな効果があるかをまとめています。

左は木視率20%以下の数値、右が木視率60%以上の数値です。

この画像からわかるように、
空間・働くことへの満足度、将来に対する不安の少なさ、自信を持てるか、ストレスレベルの低さ、集中力、生産性
すべての項目で、木視率が高いオフィスが良い結果を出しています。

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オフィスを対象にした研究ばかりでしたが、きっと住宅や学校、病院のように滞在時間の長い建築でも同じような効果があるはずです。

私自身、現在在宅ワークをしているため、住宅はほぼオフィスも同然。住宅に自然をもっと取り入れていきたいと思います。

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