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実際の統計データから見えてくる「北陸は日本一のドカ雪地帯」というFACT
著者:Code for Toyama City 冨成、 編者:Code for Toyama City 寺田
2021年正月明けの週末、富山や福井は大雪で大混乱になりました。富山市では、1/7から1/9までの3日間で118cmもの雪が降り積もり、交通機能が完全にマヒする事態に。
さて、令和3年の大雪(R3豪雪)は、過去の富山や他の豪雪地帯と比べるとどんなものだったのか・・・気象庁のデータをもとに簡単なグラフで考えてみました。
S38豪雪, S56豪雪と比べて大したことがなかった…は本当か。
富山市内の日積雪深の比較です。積雪では、圧倒的に186cmのS38豪雪です。ただ、積雪深の伸びでいくと、少し違います。各積雪深の伸びは、以下のとおりです。
青色=S38豪雪 1/24-25の32cm。
橙色=S56豪雪 1/11-12の54cm。
赤色=R3豪雪 1/7-8の60cmです。
少なくとも、”ドカ雪”度でいえば、R3豪雪が最強だったのかもしれません。
富山は北海道・東北と比べて雪が降らないの…本当か?
こちらは、豪雪地帯の県庁所在地、R3年1月の日積雪深の推移です。
(上の表については、今回あんまり雪が降っていない福島とか、山形とか除いています。)
赤色=富山市
黒色=福井市
青色=青森市
緑色=秋田市
ピンク色=札幌市
富山市(赤)、福井市(黒)の角度が半端ないことになっています。
今年被害が大きかったとされる秋田市(緑)ですら、富山・福井と比べると緩やかに積雪が深まっていることがわかります。青森市(青)は日本一の豪雪地帯であるだけに、積雪量は圧倒的。ただ、ドカ雪(短時間積雪量)では、北陸ほどではないように思えます。札幌市(ピンク)は、大して雪が降っていないけど溶けないので、今は富山より雪が多いという感じでしょうか。
暖冬続きの21世紀はどうなのか
R3はわかったけど、例年はどうなのさ…というお話。北陸は暖冬…といわれる21世紀のデータだけで見てみよう(こちらは日降雪量の累計です…なのでS38豪雪、S56豪雪は含んでいません。データは2001/1/1~2021/1/18まで)。
21世紀の降雪量。ダントツ一位は青森市でした。2位は札幌市。以下、山形、富山、秋田と続きます。降雪量でみれば、富山市は4位でしかありません(まあ、それでもすごいのですが…)。
下にあるのが、県庁所在地ごとの1日の最大降雪量(こちらも21世紀になってからのデータ)です。
1位=金沢市 84cm
2位=富山市 69cm
3位=青森市 67cm
4位=鳥取市 65cm
5位=福井市 58cm
北陸は3県ともランクインしています。福井は58cmしかないですが、福井の場合、TOP10に連続した2日間が含まれており、2日間で100cmを超える降雪があります。
北陸地方の雪の特徴は、”ドカ雪”ということがわかります。
次に、一日に40cm雪が降った日数を出してみました。
(40cmとしたのは、富山県民としては30cmまでなら、生活には支障がそんなに出ない感覚があるからです[個人的な見解です])
1位=富山市11日
2位=青森市 9日
3位=福井市 5日
4位=金沢市 4日
4位=札幌市 4日
富山市がダントツです。2位こそ青森市に譲りましたが、3位が福井市、4位が金沢市・・・と北陸勢が上位にいます。
やはり、北陸地方では”ドカ雪”に出会う確率も他の地域に比べて高いようです。
まとめ
北陸は、日本最強の”ドカ雪”地帯に間違いはなさそうです。
それでも、北陸に住んでいる人たちは、北陸=日本最強の"ドカ雪"地帯とあまり認識していない気がします。「昔はよく雪が降ったけど、最近は降らない」という人を良く見かけるくらいです。積雪の量は、確かにそうかもしれませんが、”ドカ雪”に限れば、今も昔も変わりません(多分)。
北陸の雪は、いつもガツガツ降るわけではないけれど、降った時は日本でトップレベルの降雪があるという厄介なやつです。富山の場合、40cm降るのが2年に1回程度、50cmとなると4年に1回…ピークは高いけど、頻度は低く、毎年ピークに合わせて除雪の準備をするのはあまり現実的ではないかもしれません。
特に”ドカ雪”のときは、道路の除雪が追い付かず、大渋滞・立ち往生が発生し、物流や救急自動車、医療・介護サービスなどが破綻しかねない状況になってしまいます。
この際ですから、”ドカ雪”のときは可能な限り…お休みにしましょう。どうしても出かけるときは、可能な限り公共交通を使うと良いかもしれません。
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