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後輩を可愛がるにも責任はつきものだ。

今日は、私のチームにいる1番可愛がっている高校生の子についてちょっと触れつつ、私の歳下との接し方についてお話させてください。

その子は私が今のチームに入るもっと前から所属していて、とても真面目な子です。ひたむきで、素直で、決して上手なわけでは無いけど、私はとても評価している子です。

口数は多くない、すぐ泣く、控えめで遠慮しい。

対して私は、ぬるま湯チームの王様。歳上であろうがパスをくれと言えばどんな状況でもパスは来るし、私がどんなミスをしようが何も言われない。自分に自信があるし、こうやって言えるくらい自分は間違いなく誰よりも時間も含めて本気でサッカーに取り組んでいるんです。

だから、ピッチの上で泣く奴が大嫌いだったし、理解できなかったんです。泣くくらいならやれよ。泣くなら出てけよ。って。でも、この子に出会ってこの子と向き合うと、どうしても涙を止められない理由があって、この歳でちゃんとサッカーと向き合ってるんや。って思えたんです。

でも、1ヶ月ほど前、彼女が言ってきたんです。

『もう、辞めようかなって。苦しいんです。やっと試合に出れても、同じディフェンスラインの人達に信頼されてないから合わないし、どうしたらいいか分からないんです。泣いたら皆に迷惑かけるから我慢しても家に帰ったら涙が止まらないんです。でも家に帰ったら誰にも相談出来ないし教えてもらう事も出来ないから何も変われない。こんなに苦しいのに頑張る理由ってなんなんですかね。』

これを、彼女から聞いて、あれ。何て言ってあげられるんやろう。気付いてやれんかったのに、ここまで追い詰めてるのに。なんで分かってあげられんかったんや。ってすごく後悔しました。

私は、この1年間、周りにも彼女自身にも、

『めちゃくちゃ良い。君のプレーすごく好きだから一緒に試合出たい。自分なら活かしてやれるし君となら自分はもっと良いプレーが出来る。』

って言い続けてきました。監督にも、彼女を使ってくれ。ダメなところは全て自分がフォローするから。と伝え続けてきました。もちろん、毎日良いとこも修正点もたくさん話して、ドリブルが大好きな私だけど、彼女にパスを出し続けたし、責任持ってフォローし続けた。そうやって自信を持って言えます。彼女は本当にこの1年でめちゃくちゃ上達したし、本気でパスを求めるようになりました。ネガティブな彼女だからこそ、私は君を認めていると常に伝え続けました。

自分が高校生の時、そういう人に出会いたかったから。ちゃんと認めてくれて、自分と向き合って欲しかったから。自分を否定され続けて挫折してしまった過去があるから。自分は彼女にとってそういう存在でありたいから。

それでも、この時まで、ここまで苦しんでいた事に気付けなかったんです。

私は、彼女の人生の中のほんの一部にしか触れられないから、

『辞める、辞めないに対して何か言うつもりはないよ。自分で決めたらいい。でも、サッカーが好きならここでじゃなくても良いからサッカー続けなね。自分のサッカーにはもちろん君が必要だから辞められたら悲しい。でも、他のチームには私はいないよ。私以上に上手くて面倒見てくれる奴なんかいないね(笑)ここでサッカーを続ける理由が欲しいなら、私とサッカーしたら楽しいだろ?私とサッカーがしたいから。それで良いじゃん。』

残って欲しいから、彼女には残る理由をあげました。泣きながらこの話を聞いて帰った彼女は、次の練習後、

『試合に出れなくても、誰に信じて貰えなくても、認めてもらえなくても、私さんとサッカーがしたいから、私さんからパスを貰える限り走り続けたいです。』

こうやって笑顔で言ってくれたんです。

この子が本気でサッカーを楽しめるまで、責任持って可愛がってやろうと思います。

長い文を読んでくれてありがとうございました。

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