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〈創作超短編2〉シャボン玉🫧

シャボン玉

シャボン玉

一つのシャボン玉の中に

好きと嫌いという言葉が浮いてる

たくさん"嫌い"という言葉が
その中にいっぱいにすると
僕は友達をいっぱい嫌いになる

たくさん"好き"という言葉を
その中にいっぱいにすると
僕は友達をいっぱい好きになる

だけど
好きがいっぱいになっても
嫌いがいっぱいになっても

僕は満たされない

"嫌い"がいっぱいになると
僕は友達をいっぱい嫌いになって
ひとりぼっちになる

"好き"がいっぱいになると
僕は友達をいっぱい好きになるけど
すぐに僕の元を離れてしまう

何でだろう

どっちを選んでも
僕が望んだ人は現れない

ある日僕を嫌いだと言う人が現れた
その人は毎日のように嫌いだと言ってくる

またある日には僕を好きだと言う人が現れる
その人も毎日のように好きだと言ってくる

僕を嫌いだと言う人も好きだという人も
僕の元から離れない

今の僕のシャボン玉は
好きも嫌いも同じぐらいの量になってる

僕はとても不思議な感じがする

何でだろう

僕はそれぞれとお話ししてみた

何で僕の元から離れないの?って

2人とも同じ様な事を言って来た

「「友達になりたいから」」

「好きだから友達になりたい訳じゃない」
「嫌いだから友達になりたくない訳じゃない」

「「ただ友達になりたいという理由だけで側にいるんだよ」」

「「友達になりたいという興味があっただけ」」

「何故好きなのだろう、その理由を知る為」
「何故嫌いなのだろう、その理由を知る為」

「「今の君はそれを教えてくれる様な気がしたんだ」」

「「それを教えてくれる為に
僕たちの前に現れたんだよね」」

「「だから君に興味があるだけだよ」」

「「ただそれだけだよ」」

そしたら僕のシャボン玉が破裂して
中に有るはずの好きと嫌いの言葉たちは全て
興味という一つの言葉になっていた

僕はこの人たちに興味津々になっていた

僕の心はワクワクして仕方がなかった

執筆者:千尋ゆか

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