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読書感想文:『ライフトラベラー』

「たくさんの経験が<真の財産>となる」
人生という<旅>において、出会いや経験、旅の中で起こることを楽しむ大切さを教えてくれるストーリー。

大学生の知哉は人生を変えることがしたくて、友人の夏輝から提案された「人生を変える旅」に行くことにします。しかし、その旅は<自由>な<不自由な旅>。つまり、やったことがないことを経験することを大切にした旅でした。

夏樹は言います。
「旅先にあふれている<0>をできるだけたくさん<1>にする」
「どこまでも自由な不自由さに飛びこめば、いままでの自分とは違った自分と出会える」

私はこの言葉から、<0>から<1>にすることをしていない、むしろ<1>にしようとすることを恐れている自分がいることに気づきました。<1>になれば、<1>を<2>にすることは難しいことではなく、<2>を<3>にすることはもっと簡単になっていきます。でも、<1>にできていない。

ただ、この数年の間にそうならざるを得ない状況で、<0>から<1>にできたことがあります。

それは、「子育て」です。

出産をした瞬間から子育てが始まります。赤ちゃんを抱くこと、授乳をすること、おむつを替えることなど、今となっては当たり前になっていること一つ一つが未知のことすぎて戸惑いの連続でした。

また、赤ちゃんとの暮らしによって、これまでの生活スタイルが大きく変化をし、子ども最優先の生活となり、産後しばらくは変化についていけず鬱のような状態になってしまいました。

でも、この大きな<0>から<1>への経験は、私を母として、人としてもすごく成長させてくれています。まさに「財産」!

「子育て」の始まり時、つまり<0>から<1>が本当に大変だったし、苦しかったけれど、今は<2>から<3>、もしくは<4>へと向かっている段階なので、起きる出来事のハードルが下がってきているように感じています。

もう一つ、この物語から教えてもらったことは「計算よりも情熱で行動する」こと。

私が耳が痛かったのが、<損得>が行動の基準となっているということ。何かをするときに、先の計算をして得をしそう、何か得られそうと思う方を選んで行動していました。

夏輝は言います。
「ぼくたちの可能性を引き出してくれるのも出会い。ぼくたちに幸せを運んでくれるのも、新たな学びを与えてくれるのも、すべて出会い。だから計算したり損得を考えたりして一歩を踏み出すかどうかを決める生き方をするよりも、何かを感じたら一歩を踏み出す」。

情熱を感じるものがあったら何か行動を起こしてみる。私の場合、ワクワクしたものというほうがしっくりくるかな。ワクワクしても後先を考えて、やっぱりやめようということがよくありました。でも、とりあえずやってみないとわからないし、やることで<経験>となる。だとしたら、<情熱>という基準で行動してみるほうが面白いんじゃないかと思うようになりました。

夏輝は旅に出る前に、
「起こることすべてを楽しんでくると決める」
と伝えます。その心の準備が、いい旅にするために一番大切な準備だと言います。

ということは、人生という<旅>においても同じこと。私の今回の<旅>をいい旅にするためにも、これから起こることすべてを楽しむと決めました!
なんだかこう思うようになっただけで、ワクワクしてくるから不思議。これから起きる出来事や出会い、経験をすべて楽しみながら生きていきたい、そう思わせてくれる話でした。


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