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躁状態が危険な理由

うつ状態と躁状態。
「躁の方が活発に活動できるから良いんじゃないか」と考えるかたもいらっしゃるかもしれません。
でも、実際危険なのは躁状態の方です。なぜなのかを私の実体験から3つお話します。

今から10年ほど前のエピソード達ですが、今でもその頃のことを思い出すと憂鬱になりますし、取り戻せないものの多さに辛くなります。
明るいお話ではないので、心に余裕がある時にご覧いただけると幸いです。

体験その① 寝ないで活動する
私は躁モードが酷かった頃は休職中でしたので、時間はたっぷりありました。
終電で繁華街へ出て行っては、朝を超えて昼まで遊ぶ。過剰に飲酒をして歩けなくなり、お店の人に担いでもらってタクシーに乗り込んだり、一晩に10万弱飛んでいった夜もありました。
太陽の光を浴びない生活に加えて、双極の薬とアルコールを併用する日々。
そりゃ治るものも治らなくて当たり前です。

体験その② 散財
その①の件とも少し重なりますが、休職中で収入がないのに、貯金を崩してまでお金を使っていました。
それも飲み会で何万円も使ったり、しょっちゅう高い買い物をしたり、平気でタクシーを使ったり…。
働いていたときに貯めた貯金が、みるみるなくなっていきました。
頑張って働いたことでうつ病になったのに、躁状態になってそれを散財してしまうというのは今考えると本当に虚しいです。何も残りませんでした。

体験その③ 激怒
小さなことですぐ感情が上に突き抜けるような、とにかくすぐに激怒することが多かったです。
怒鳴り散らす。物を投げつけて壊す。家族にだけではなく、友人にもいきなり怒っていましたから、そりゃ友人も離れていきます。
うつがひどくて約束を守れなくて離れて行ってしまった友人もいましたが、この躁状態による被害を受けて離れていった友人のほうが多かったように思います。
思い出すと、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

以上、思い出せる範囲で、私の体験を3つご紹介しました。
ポイントは「今後の人生に影響する」ということです。
失ったお金も、人間関係も、もう取り戻すことができません。
幸いにも私は実家に連れ戻されたので、体験その①でお話しした「終電で出掛けていく」ということや過剰な飲酒は、家族がいることで食い止められました。
家族が私を見放していたら…と思うと、もう私は生きていないでしょう。

とにかく、躁状態の時は「行動力がありすぎて歯止めが効かない」というのが、私の場合でした。
今、専門職として躁状態で悩んでいる方々のお話を伺うと、「お金を使いすぎて借金をしてしまった」「借金により自己破産せざるを得なくなった」「性的に逸脱した行為を繰り返してしまう」など、いっけん元気に見えるようでも、実際のご本人の悩みはとても深いのだということを思い知ります。

もし、この記事をご覧になっていて、「自分に当てはまる」ということがあるような場合は、すぐに病院を受診していただきたいです。
そして、家族や福祉など、頼れる人たちに頼ってほしいと思います。
私と同じような消えない過去を抱える人が少しでも減ることを祈っています。

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