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地獄の河原
気が付くと私は河原に立っていた。
辺りは薄暗く、見上げると濃い紫がかった空に青白い三日月が川面を照らしている。
そして相当な湿気を含んだベタベタとした風が身体をなめるように撫でているのだが、これがまた言いようのない不快感でしかたない。
ふと足元を見ると、いくつかの石を積んだ山があちこちに点々とみられる。
私は三途の川で子ども石を積むと聞いたことがあるがそれかな?と軽く思っていた。そして薄暗く足元もよく見えない石だらけの河原を、裸足の私は痛みを感じながら川の側へ歩いていた。
『なに!?』
川の向こう岸から声にもならないような、地を這う低くかすれた声が聞こえる。
不気味で正体がわからないから余計に気持ちが悪い。
何だろうと視覚で確認しようにも川の向こう側は漆黒で何も見えない。
ただ目を凝らすとうっすらと何やら影のようなものがうごめているのはわかった。不気味で、その声を聞いていると徐々に恐怖が襲ってきた。
川への歩みを止めて川沿いを歩き出したとき、足元を滑らせて石が転がった。
次の瞬間
『お前がなぜここにいる!ここはお前の来るべきところではない!!』
空から突風とともに怒号が降ってきた。
驚いて動けずにいると、さらにその声は迫力を増したものになり『帰れ!!!』とものすごい勢いで再び突風と共に降り注ぐ。
帰れと言われてもそこがどこかもわからない私はパニックになっていると、後ろから名前を呼ばれた気がした。
振り返ると空から小さな光が降ってきたと思うと、それは一瞬で私を包み込んだのだ。
そして私は止まっていた呼吸が息を吹き返したかのように飛び起きた。
体はジメジメと汗ばんで気持ち悪い。
これは私が見た夢のおはなし。そして夢だったのかもわからないお話。ここに登場する光はこのほかにも登場する。いつも私のピンチに来てくれる存在なのだが謎の存在です。
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