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【インターン体験記】「会社やプロジェクトのアイデンティティを正確に伝えられるデザイナーになりたい」東大嵩

デザイン学生が「ここにある」でインターン!?

こんにちは、東京の桑沢デザイン研究所専攻デザイン科ビジュアルデザイン専攻2年の東大嵩(ひがし だいしゅう)です。僕は10月3日から8日まで、株式会社ここにある(以下、「ここにある」)でインターンをしていました。

なぜ、デザインの専門学生がここにあるでインターンをしていたのでしょうか。時を戻すこと2ヶ月前の8月20日。大学時代からの知り合いであり、ここにあるのメンバーである唐溪(からたに)さんから、ご連絡いただいたのがきっかけで、東京で社長である藤本さんと一度お話しすることに。そして、まずは短期インターンとして関わってみることになりました。

学べるのはデザインだけじゃない!

インターンの期間中は数々の打ち合わせに参加させていただきました。議事録を取ったり、イベント運営のサポートをしたりする日々。プロジェクトの広報に使うビジュアル案やイベントで使う名札のデザインを考えることも。とはいえ、デザイン専門学校での制作生活とは異なる仕事に最初は戸惑いばかり。しかし徐々に、こう考えるようになりました。

「企画を中心とした様々な業務に携わることで、プロジェクトの進め方やクリエイティブディレクションの仕方を総合的に身につけられる!」

打ち合わせに参加し、企画やプロジェクトマネジメント、そして広報のための最終的なアウトプット制作(ビジュアルの方向性の決定、ロゴをはじめとしたフライヤーデザイン、Facebookのバナーデザインなど)などに横断的に関わりました。

僕は将来多くの人のためになるモノやコトをつくっていくプロデューサーやデザイナーになりたいと思っています。ここにあるはそのために必要なスキル、つまりプロジェクトの進め方やクリエイティブディレクションの方法を総合的に学べる最高の環境です。しかし、ここにあるでやっていくためにはそのスキルだけでは足りません。

関わる人との信頼関係をいかに構築するか

ここにあるでインターンをして気づいたのは、社内で完結する仕事はほとんどないということ。むしろ社外の関係者やクライアント、地域との関わりでつくられるプロジェクトばかりだということです。つまり、関わる人との信頼関係をいかに構築するかが仕事をする上での肝になります。

藤本さんは数々のプロジェクトを並行して進める中で、最も多い仕事のうちのひとつは「連絡」だと教えてくれました。印象的だったのは、事務所にいるときあらゆるSNSを駆使して、多くの人へ丁寧に「連絡」をしていた藤本さんの姿。僕自身、連絡や返信はマメにする方ですが、藤本さんを見習って、今後はこれまで以上に丁寧かつ迅速に連絡することを心がけていきたいと思います。また、人との関わりに関して、藤本さんに教えてもらったことがあります。

関わる相手のことをとことん考える

インターン2日目、奈良県の平城京跡近くの「toi」という場所で住み開きの活動をする島田さんと大越さんの元へ訪問したときです。その場所には「いこま未来Lab」のメンバーである高校生4名が視察に訪れていました。

その場所から尼崎までの帰り道で藤本さんは「なんであの2人は視察を快く受け入れてくれたと思う?」と尋ねてきました。実際、なぜなのか僕にはわからなかったのですが、藤本さんもわからないとおっしゃっていました。でも1つ大切だと気づいたのは、「今まで藤本さんが築いてきた信頼関係の積み重ね」の上でその時間があったんだということ。

また、藤本さんは「その人がどうやって稼いでいるかを想像しておかないと。個人事業主とサラリーマンでは全然稼ぎ方が違うし、1時間の重みも違うんやで」と教えてくださいました。相手のことをじっくり見つめて、相手がどういう状況や環境にいるのかを想像することが大事。そして「それはデザイナーとして大事なことやで」と。藤本さんの言葉を受けて、これから人と関わるときには関わらせていただく相手のことをとことん考えて、相手の状況や環境を想像することを大切にしたいと思いました。

制作物に求められる高いクオリティ

インターン1日目のランチの時間。僕が「文字に関するデザインが好きで、文字組みや作字をするときはバランスにとても気を遣っている」と話すと、藤本さんから「文字組みとか細かいところにこだわってこそデザイナーやと思ってる」と言われ、全身に震えが走りました。同時に、以前から感じていた藤本さんのデザインに対する想いをさらに知れて、制作に対してより一層頑張ろうと思いました。

その後、藤本さんから「ここにある」で文字を作ってほしいとの依頼が。インターン期間中はその制作に多くの時間を費やしました。それぞれの仮名のバランスや単語としての全体的なバランスなど、できる限り細部にわたり試行錯誤を繰り返しながら制作に取り組みました。

そして、できた文字を制作意図と合わせて藤本さんに確認してもらうことに。「バランスはいいね。でも、だいしゅうの言うどっしり感(インターンの期間で、社内の雰囲気やプロジェクトの持つ性格から『ここにあるぞ』というどっしり感がこの文字には必要だと感じたという経緯から)が伝わってこない」との指摘を受けます。別案として、文字の追加制作を依頼されました。このとき、より一層細部までこだわって、会社やプロジェクトのアイデンティティを正確に伝えられるデザイナーになれるよう粘り強く頑張っていこうと思いました。

インターンシップ中に制作した「ここにある」の文字。

他にも、同じように感じた瞬間がありました。それは大阪の豊中で行われたイベントの名札デザインをしたときです。藤本さんから名札についての説明を受け、制作に取り掛かりました。完成データを藤本さんに見せると、所属を書くスペースと名前を書くスペースを分ける傍線をもう少し上にした方が良いことや、所属や名前を書くスペースの狭さを指摘されました。そして、修正作業をし改めて完成データを見せると、また別の指摘が。幾度かの修正を繰り返し、最終的にOKをいただくことができました。

実際に使われる場面を想定し、制作しなければならないことを改めて痛感した出来事でした。ロゴのときと同様に、基本的なことですが、高いクオリティや使いやすさを大事に制作に取り組まねばならないと感じました。関わる人たちが使いやすいと感じるデザインや、関わる人たちの想いを伝えられるデザインができるように頑張っていきます。

僕はここにある

このインターンで、ずっと考えていたことがあります。それは「ここにあるで働くとどんな生活になるんだろう」ということです。1日目の朝礼のとき、藤本さんがある図を例にここにあるという会社と個人の関係性について説明してくれました。その図は、事業活動においてよく用いられる3つの円。それぞれ「can」、「will」、「need」。この3つの円が重なるところに事業や活動が生まれるということ。

後日、自分で調べた情報で補足すると「can=自社や自分ができること、強み」、「will=自社や自分がやりたいこと」、「need=クライアントや取引先、地域が求めていること」でした。会社だけでなく個人にもこの円は存在します。まずは個人、つまり自分の円を大きくしていき、そしてここにあるに還元していくことが大事だと学びました。

この説明に関して、後日ここにあるのメンバーである白川(しらかわ)さんに話してみると「良い意味でいう公私混同やな。『会社と個人』という関係じゃなくて、会社と個人がごちゃまぜになり関係性を作っていく感じ」と説明を受け、とても良いなあと感じました。

というのも、僕はまだ学生ということもあり、会社と個人は別々の軸で、仕事は仕事、プライベートはプライベートと切り分けて考えていました。仕事とプライベートを分けずに自分の活動を会社の仕事に繋げていくという考え方は、目から鱗でした。

そうすることによって、仕事とプライベートの境目を感じることなくどちらともに横断的に関わることができ、より自由により広く視野を広げ、活動していくことができると感じました。人との出会いが大好きな僕にとって、そして、人とのコミュケーションの中で生き、コミュニケーションをつくっていきたい僕にとって、ここにあるは最良の環境だと感じています。

ここにあるで企画やプロジェクトマネジメント、広報のためのアウトプット制作に横断的に関わることで、多くの人々のためのモノやコトを作るプロデューサーやデザイナーとして成長できると思いました。

きっと、ここにあるで働くことで、将来今の自分では想像もできない自分になっているのだと思います。それを楽しみに、これからもここにあるに関わっていきたいと思います。僕のルーツ、居場所は「ここにある」と感じながら。

ここまで読んでくださりありがとうございました。そして、藤本さんをはじめ、インターンを受け入れてくださった株式会社ここにあるの皆様、打ち合わせやイベントを通して少しでも関わりを持つことができた皆様、ありがとうございました。これからもすべての人が幸福だと感じられるように、誰も排除しない関係性を育む仕組みをつくっていきたいと思います。引き続きよろしくお願いします!

ここにあるでは一緒に活動するメンバーを募集しています。少しでも興味を持っていただけた方は、こちらのフォームよりお問い合わせください。メンバー一同、みなさんとの出会いを楽しみにしています。ここにあるで働くイメージを深めたい方は、過去の採用記事をご覧ください。

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