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【詩】キーマカレー

夢の中のパセリ、星のように緑、細かな夢の欠片に変わる前に。朝露に濡れた玉ねぎ、時の流れに切り裂かれ、粗く刻まれた運命を抱えて。

灯台の光のように、油に灯された弱火、ニンニクと生姜、遠い記憶の香り。玉ねぎ加わり、月明かりの下でしんなりと踊り、中火のリズムに身を任せ、時を刻む。

冬の終わり告げる牛豚の肉、色変わるまでの旅、カレー粉の雲、遥かな香りを呼び覚ます。

トマトの缶、秘めたる想いを解き放ち、水気が消えるまでの孤独な航海。火加減は、焦がさぬよう慎重に、塩加減は、心の声を聴きながら。

白いご飯の上に、物語をそっと盛り付け、パセリの緑、希望を添えて。完成の瞬間、シンプルな材料から生まれた奇跡、一皿の中に、世界が息づく。


こちらのレシピを詩にしてみました。↓

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