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食の安全性 最終話 味覚と食

 

 今回の食の安全性、最終話として、「note」コンテンツの終わりに改めてまとめさせていただくのが「味覚と食」です。

 今回、一連の記事を綴って思ったことは、やはり、健康と食は不可分であり、健康を考えていく上で食は、人間社会の在り方や生活そのものなのだ、ということでした。

 私たちは、命あるものを戴き、
命を紡いでいる。

という自覚を、現在全世界に広がる苦境の中から、もう一度認識し直す必要があると思います。

 そして、何より新型ウィルスの初期症状に「味覚」異常や「臭覚」異常が出現することが分かってきました。医療情報ネットCareNetから転載します。

嗅覚障害および味覚障害がウイルス感染と関連するのは周知の事実である。2020年3月、米国で新型コ ロナウイルス感染症における味覚・嗅覚障害の報告がなされた。その後、この症状を訴える患者が日本でも確認され、症状出現に敏感になっている患者も多いのではないだろうか。

今回、伊・ミラノの保健所ASST-FBF-SaccoのAndrea Giacomelli氏らが伊・L.Sacco病院で新型コ ロナウイルス(SARS-CoV-2)と診断された患者の一部に、嗅覚および味覚障害(OTDs:olfactory and taste disorders)が出現したことを明らかにした。また、研究者らは「OTDsはSARS-CoV-2感染患者で頻繁に見られ、本格的な臨床症状(発熱、咳嗽など)の発症に先行する可能性がある。非特異的ではあるが、パンデミックの状況では病院に入院していない感染患者の臨床的スクリーニングツールになる」としている。Clinical Infectious Diseases誌オンライン版3月26日号掲載の報告。

研究者らはSARS-CoV-2感染症患者のOTDsの有病率を調べるため、2020年3月19日、SARS-CoV-2陽性で入院していたすべての患者に対しOTDsの有無や欠如についての質問を含む簡単なアンケートを実施。発症した症状のタイプなどのインタビューを行った。

主な結果は以下のとおり。

・入院患者88例中、59例から回答を得た(非回答の29例の内訳は、認知症:4例、言語バリア:2例、非侵襲的換気実施:23例)。
・20例(33.9%)は1つ以上の味覚障害または嗅覚障害を、そのうち11例(18.6%)は両方の症状を訴えた。
・12例(20.3%)は入院前に症状を示したのに対し、8例(13.5%)は入院中に症状が出現した。
・女性(10/19例[52.6%])のほうが男性(10/40例[25%])よりもOTDsを強く訴えた(p=0.036)。
・1つ以上OTDsを訴えた患者(中央値56歳、四分位範囲[IQR]:47~60)は、訴えなかった患者(同:66歳、IQR:52~77)よりも若かった(P = 0.035)。
・すべての患者がOTDsの持続性を報告した。

以上

 このように、味覚は感覚的に鋭敏なものですが、普段から花粉症や鼻炎など、あるいは、刺激物の摂取などで感覚が低下している場合は、身体の異常に気づきにくくなります。

 また、味覚を感じる時に、嗅覚の存在は欠かせません。鼻をつまんで味を感じることが難しいように、香りと味は、相互に関連し合っています。

 ですからここで、まず、「香り」について説明してから味覚のお話をしていきたいと思います。



Ⅰ.香の話



1)匂いと呼吸の関係

 「香」は呼吸に関与するのはお分かりだと思います。匂いを嗅ぐとき少し吸気を早め鼻に意識を集中させたりします。臭覚というのは匂いを感知することは当然ですが、このセンサーは脳の最も深いところとリンクしており、実は過去の記憶とも深く関係しています。

 同じ匂いに関する「香」と「臭」は、

「香」は快さを感じる匂い

「臭」は不快に感じる匂い

として一般的に分けられています。

 悪臭は不快に感じ、芳(かぐわ)しい芳香は快さを感じるものです。

 これは、匂いの粒子が鼻の粘膜に付着しそれが脳に伝わるという科学的な反応の結果生じるものと考えられています。

2)内面から香るにおい

 一方、これらの科学的反応として捉える他に、感情そのものに起因する内面の匂いというものもあります。

 すなわち、怒りの匂い、喜びの匂い、思慮の匂い、悲しみの匂い、恐怖の匂いがあるのです。まるで「鬼滅の刃」の主人公、炭次郎たんじろうが持つ特殊能力のようですね。

 五行では、昔から人体から漂う匂いとして、病人や病室などに広がる特有な匂いのことを「五香」として表しています。

 これが、すぐに内面の匂いに関与するわけではないのですが、一部関連しているところもあるのではないかと感じています。

 私自身の経験でも、患者さんを診察したり触診したりするときに、口臭やえも言われない体臭を感じることがあります。

 ここで「五香」の匂いを列記してみましょう。

①木性 肝 怒 臊 あぶらくさい
②火性 心 喜 焦 こげくさい
③土性 脾 思 芳 かんばしい
④金性 肺 悲 腥 なまぐさい
⑤水性 腎 恐 腐 くされくさい

 五行のエレメントとしての属性と、それに関与する臓器と関連する感情、そして匂いを表しています。

 このような表記は五行を検索していただければすぐにヒットしますし、頭での理解にすぎませんが参考になるかもしれません。

 臊あぶらくさい、は脂肪などが溶けたときのにおい、焦げは特に髪の毛などが燃えるタンパク質のにおい、芳しいは脂や焼き肉などのにおい、なまぐさいは魚屋さんのにおい、腐れくさいは生ごみの臭いなどと表現できるのではないかと思います。

 西洋のアロマのように、香のいいものという分類ではありません。どちらかというと、臭気のような分類です。しかし、この臭いは臨床で研修をしていたときに患者さんに感じたことのある臭いにも似ています。

 また、私がヴィパッサナー瞑想をしたときに、香りが鼻に漂ってきたことがありました。このような内面の香りというのは実際にあり、私が施術している経絡治療(鍼灸)では、実際にある経に施術するとその匂いが少なくなったり体臭に変化が生じることもあるのです。

3)過去の記憶との関係

 ある匂いに、思い出を想起することがある方もいらっしゃるでしょうか。私の場合、金木犀の匂いを感じると、その季節や学校の帰り道などの風景が思い起こされたりします。

 香りとともに良い想い出がある場合もありますし、臭いによってはあまり良くない想い出があるかも知れません。

 想い出と同じように、過去の失敗や屈辱的な経験も呼吸の調整によって記憶とともに浄化を促し、蟠(わだかま)りを解消したり整理するきっかけが得られるのです。

 様々な呼吸リラクゼーションがストレスを除去する働きがあることは、すでによく知られているところです。

 また、悲しいときに上手く感情表出が出来なかったときには、悔しい気持ちや屈辱的な怒りの情動や鬱積を内面に溜め込んだり、悲しみを抑圧したりすると、それが記憶として残る場合があります。

 臓器としての肺の役割として、そのような過去の記憶や感情を、呼吸を利用して解消していくことも可能です。

 これは、肺を活用した実践スキルがあるので、別の機会にお話します。今回は「味覚」のメンテナンス方法について最後に触れたいと思います。

4)意志を働かせられる臓器

 ここで、「香」にまつわる特筆すべきことを申し上げておかねばなりません。

 臓器は、それぞれが特異的な役割をしているわけですが、肺は特に他の臓器と異なる特徴があります。それは、唯一、自分の意志で動かせる臓器であるということです。

 もちろん睡眠中は無意識に呼吸をしますし、普段意識をしていないときは勝手に呼吸動作を行っています。

 しかし、深呼吸をするとき私たちは自らの意志によって胸を広げることができます。そして、もう一つ、外気が直接臓器に触れるのも、この臓器以外にありません。

 肺は「氣」の精製と深く関わっており、肺の動きとその動きへの意識の向け方によって、様々な効果や効能が現れるのです。

5)共感から統合へ向かう方向性

 人は自らの辛い過去や、苦しみや悲しみの経験が上手に昇華されると、人の痛みや苦しみが分かるようになります。昇華する作業とは、辛い過去が自らにとって必要であり役割があったということを納得できる状態になったことを指します。

 つまり共感力や、レゾナンスという共鳴を持つことができるようになるということです。肺はこの部分に大きく関与しているのです。

 肺の動きは、呼気は「死」へ向かう方向性、吸気は「生」へ向かう方向性であり、常に一呼吸において「生」「死」を繰り返しています。

 一つひとつ、一度、一回の呼吸に意識を向けて、それが生まれまた死にゆく循環の中で繰り返されてるという事実と、生から死へ、死から生へ、という切り替えの間際を観察することで、さらに精妙な段階へ意識を移すことができるようになります。

 辛いときにこころが凹み、その辛さを意識しながら弾発し、膨らみ始めるとき、そこに必要なエネルギーとパワーの源である希望や生きる方向を指ししめす何らかの力が働くことを意識できるようになります。

 これは、個々人がストレスをコーピング(解消)する極めて有効な方法なのです。



Ⅱ.味覚の話




1)メンテナンスの必要性

 なぜ、味覚が重要かといえば、それは、口にする食物の味を判断し、それがはたして有害なものか、あるいはそうではないのか、判断するセンサーであるからです。

また、五感の中でも、実質的に直接触れ、それが体内に入る「食」に直結していることです。

 私たちの体を構成する食材は、当たり前かもしれませんが、直接栄養を摂取するために、自らの身体内に入る必要があります。

 その最初のセンサーが「味覚」なわけですから、そのセンサーのセンスが悪いと食材の良し悪しを判断することができません。

 このような意味で、五感の中でも「味覚」は最大限にセンスを高めておく必要があるのです。

 また、少し、こころの面からお話をすれば、「味覚」だけではなく、その他の感覚を司る感覚器へ意識を向ける必要があるのは、これらの感覚器は個々人の中心から派生している『自我』の調整に必要となるからです。

 自我とは自分があるという意識を指すのですが、それらを構成している本質的な情報は全て感覚器から来ています。それらの調整をすることは、自らの自我を見直したり、正しく使われているかをチェックすることにもなるのです。

 感覚器からの情報源を正しく調整すると、自らこころの中心を見出しやすくなり、直観が働きやすい状態になります。また、第六感を働かせる素地を作るためでもあります。

 いわば、直観センスを高める効能があるのです。

 本来、自我と自己とは関連のあるもので、いわば宇宙や自然の一部として私たちの源となっているものです。

 話がだいぶ「スピ系」にシフトしていますが、これは、マインドセットやマインドリセットの方法にも応用できるものです。

 そして、本来自分が本当にやりたいことや、自分自身のしたいことを公に対してともっと展開できる方法を見出すきっかけを与えてくれるはずなのです。

これには、まず自分の

中心を見出す

これがメンテナンスの本質となります。

2)『唯識』の教え

 仏教の深層心理学に『唯識』という教えがあります。これは、「唯(ただ)、識(しき)あるのみ」という教えで、この『識』というものは、 「目」、「耳」、「鼻」、「舌」、「身」(触覚)とされる五感と、それに、「意」を加えた六根であり、これにより『識』が織りなされるわけです。

 すなわち、これらの「意識」(※これはカレシのような発音でイシキと呼ぶ)を構成するのが感覚器官なわけです。

 したがって、これらの「意識」や私たちが本来自覚している『識』を適正に使用するには、やはり感覚器官のメンテナンスをしておく必要があるのです。

 一般的には、これらのメンテナンスは、たとえば夜間の睡眠時、脳でオートマチックに行われているのが普通です。

 そして以前にもご説明したように、自分が何かに没頭している状態、仏教でいうところの『三昧』状態でも行われることがあります。

 これら一般的に行われているメンテナンスをさらに有効に効率よくアシストしてあげるという感じでしょうか。

 皆さんも、自分の好きな物を見ているときには夢中になって没頭すると思いますが、実はその没頭する感覚でそれぞれの器官を観察していただければその方法で基本的には良いのです。

 メンテナンスの方法については、最後に触れますが、物事には段階がありますので、どうか慌てずに、これからご説明する解説も参考にされながら、ご自身の大切な感覚器官をまず愛でてあげることにしましょう。

3)「味覚」の役割

 感覚器の中でも「味覚」は、非常に情報量の多い器官なのです。特に触覚の最たるもの、直に触れて食感や味わいを得るにはなくてはならない器官でもあります。

 特に、舌の作用は特有で、味覚センサーは、舌の先端と両脇、中央、そして、舌の根と書いて舌根(根元の部分)の味覚は異なる味を見分けていますし、言葉をしゃべるときには、舌はダイナミックに活動し、巧みに舌を動かしながら言語を操ることができます。

 このように、多くの活動をする口唇と舌の感覚を捉える脳の支配領域は、手指の指先の感覚領域を凌ぐもので感覚を受容する範囲が非常に広いのです。

 したがって、この部分の情報量は当然多く、ストレスの掛かった時には脳にも負担が掛かります。

 ですからこれらのストレス要因を、こちらから状況に応じて適度にアシストしてあげられると、脳への負担が軽減されやすいのです。

 味覚センサーだけではなく、このように様々な役割がある舌ですが、ここで最も強調しておきたいのは、口腔内にある舌自体は筋肉でできており、その要素としてのつながりは五行では『心』(※心臓と同じ)に例えられているということです。

 その他、五行では、「火」に例えられ、これは、頭に存在する器官の中では最もダイナミックに活動することと関連付けています。

 心臓も絶えず動き血液を循環させており、その働きはポンプとしての役割を持っています。ポンプには弁があり、この弁は弁(わきま)えることでもあります。

 言葉巧みに喋る人を弁士といいますが、この「弁」は、ただ喋るだけではなく、言葉を弁えることが大切です。

 弁が立つとは同時に正しく判断する「義」を弁えている必要があり、二枚舌で言動と行動の一致しない場合は誠実になることはできません。

 このような意味でも、「味覚」は、マインドの調整としても非常に重要であることが分かります。

4)「味覚」調整の実践方法

 これから、「味覚」の実践方法をご紹介するのですが、その前にもう少し、舌に関連のある事柄をお話させてください。

 舌は、味覚だけでなく言語に関連する構音を構成し、話すという機能を持ち合わせています。

 そのため脳には実に多くの知覚・運動領域があり、舌と連動する感覚は、その動きや言葉と共に、強く情動にも影響していることがお分かりいただけると思います。

 このように言葉を紡ぐ器官である舌は、間接的に情動に関与しているため、もしストレスとなるような言動があった場合はこの器官に影響がでることになるのです。

 私たちが文化的生活をしている限り、あるいは社会的動物として人間関係が存在する限り、誠実さや正しさ、そして真実や善きことが、中心を担う軸として必ず存在しています。

 簡単に言えば、普段から正しい言葉を使うよう心がけることです。

 やはり、メンテナンスは必要なのですが、基本的に道具は丁寧に使う必要がります。

 メンテナンスをすれば乱暴に使っていいというわけではありません。これでは、本末転倒になってしまいます。

 私たちは自分の体に備わっている感覚器が、あまりにも当たり前に〈ある〉という身近な存在のために、ついこのことを忘れてしまいます。

 ですので、ここで言葉使いに関して例を挙げるとすると、次のようなことに留意しなければなりません。

 情動から生じる不平不満、他人への誹謗中傷、羨望嫉妬から生まれる言葉、つまり心が腐り「チェッ」と言った舌打ちや、慇懃無礼に美辞麗句を飾り立て、自分や人を卑下したり差別を生むような言葉使い、あるいは、諂(へつら)い、嘘や偽りの言動など、私たちの中にはたくさんの情動があるのです。

このようなあまりよくない癖は、改善したほうがよいのです。これらの感情の改善できる具体的な方法を、今日はお教え致します。

 最後に舌にまつわるお話を、もう一つさせてください。

 東洋医学の診察法の一つに『舌診』というのがあります。舌証とも言いますが、これは、舌の状態で身体の様子をある程度見立てることができる診断方法の一つです。

 大きさや形、色合いや歯痕といって舌の際に歯型がついているような場合は浮腫みがあることを示します。体に冷えがあったりすると、全体的に白っぽくもっちりとした胖舌という形になりやすいのです。

 また、体に熱が籠っている場合は、中央に黄色っぽい苔(たい)が付着している場合もあります。

 それが長じると、黒くなる場合もあります。その他、地図状舌や亀裂などの裂紋もあります。これらは、少なからず消化器症状を表していることがあります。

 身体の不調が舌に出ることも多く、私は個人的に検診時に『舌診』を必ず行うようにしています。

 このように舌には、様々な反応が私たちの知らない間に現れています。

 昔聞いた話ですが、レストランや厨房で働くコックさんやシェフの方で、舌の状態を毎日チェックしているということを伺ったことがあります。

 これは、非常に重要なことだと思います。皆さんも、時々自分の舌がどのような状態か見ていただくと良いでしょう。

「味覚」調整の実践へ

さて、お待たせしました。これから、「味覚」の実践方法をご紹介しましょう。

「味覚」の調整をお使いいただく場合、特に次のような症状がある方にお勧めしています。

他人への羨望嫉妬心が強く
常に他人と比較し自分の優劣を感じやすく
劣等感に苛まれ自分や相手を卑下しがちな方
そのような方には、「味覚」調整をお勧めしています。

具体的な方法

 特に意識を集中しやすい静かな場所でリラックスして行うと良いでしよう。舌の感覚は集中によって様々な反応を起こすので、精妙な変化を感じることがあります。

①軽く唇を閉じた状態で舌の力を抜きます。
≪ポイント≫
舌先はできるだけ口腔内の歯に
触れていない状態が望ましいです。
しかし
舌の大き目な方はどうしても舌先が
歯についてしまう場合もありますので、
その時は、舌の力が抜けているとこを優先してください。

②舌の根元(舌根)と喉の奥を感じます。
≪ポイント≫
初めは慌てずにゆっくりと感じてみてください。
舌根を感じるのは、少し時間が必要です。
普段あまり感じていないところなので、
無理もないのですが、少し感じ取れたら次へ進みます。

③舌の両側を意識します。
はじめに舌の右側(利き手側)を意識します。 
今度はゆっくり左側へ意識を移行させます。
舌の根元から舌の右側へ意識を移し
その後、ゆっくりと左側へ意識を移動させてみてください。

④それから舌先へ意識を移行させます。
舌先への意識の移動は比較的簡単です。

⑤そして最後に舌の中央に意識を移します。
≪ポイント≫
そこにビー玉くらいの大きさの玉が乗っているのを想像してください。
そして、それを実際に口の中で舌を動かさずに
舐めている感覚を感じてみてください。

以上で終了です。

 特に最後の舌先へ移動させてから、舌先の感覚がしびれるように感じたり、あるいは冷えた感じがしたり、ある種の味を感じたりすることがあります。

 これは、個人差があり、本当にいろいろな反応が出てきます。この反応はそれぞれが浄化の過程で出てくる症状なので、そのままにしていただいて構いません。

 これをしばらく継続すると、味覚が少し変化してきます。自分の身体に合わないものは、自然に食べたくなくなってきます。

 無理に抑制したり、我慢したりする必要がありません。このメカニズムは、自分に向き合う、という行為にあります。

 普段から、身体をいたわる、この意識が身体の「声を聞く証(あかし)」となるからです。

 早い方では、その日から、遅くとも2週間継続していただくと効果が実感できると思います。

5)このシリーズ「食の安全性」の最後に

 以前も申し上げましたように、食は精神に精通します。その戴き方も然りです。人に良いと書いて食、膳本来の意味を深く認識し食への感謝を忘れずに日々の食事を召し上がっていただきたいと思います。

 このシリーズは、未だ書きかけの部分もあります。今後書き足して参りたいと思います。このシリーズが皆さまの健康増進にお役に立つことがあれば幸いです。

 また、『手作りシリーズ食材編』では、食材の安全性に配慮した安心して召し上がれるメニューを掲載しています。そちらも参考にされてください。市販の化学調味料やブイヨンや出汁、シチューやカレーなどのルウはなるべく使わず、できるだけ自然な食材を利用した献立をお考えいただくと良いでしょう。

 皆さまの健康と豊かな人生のヒントとして、この「食の安全性」をご活用下さい。


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