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『愛の美学』 Season2 エピソード 3 「愛の側面」(2970文字)

前回は「愛の領域」として、「愛」の二元論的なお話をした。

今回は、「愛の側面」は三つあるお話を進めていこう。

そして、新しくなったSeasonシーズン2を迎えて、今後は次元の話も踏まえながら、意識進化させる愛の形を考察していくことにしよう。



1)3つの側面


愛には3つの側面アスペクトがある。

1)肉体的
2)心理的
3)精神的

実際「まと」は一つだが、そこに集まる筋がある。実は、それはベンツマークのよう!幾何学的モチーフは、それなりに意味がある。

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ちなみにベンツマークの由来をみてみよう。頂点はそれぞれ「陸・海・空」を表現していて、優れた自社の理念や製品が業界の頂点にあることを強調する意味が込められているらしい。

そう、これはたいへんに素晴らしい。まるで「愛」そのものだ。

1)肉体的⇒陸
2)心理的⇒海
3)精神的⇒空

これは、「こころの立体モデル」で見た通り、

1)[からだ]
2)(こころ)
3)<あたま>

とまったく同じ関係だ。だから、「愛」もこれに絡む。

しかし、「愛」がなぜもこう分かりにくいのか・・・だが、すでに「愛」のなんであるかを知っている人は、簡単に「愛」を語れるだろう。

ほんとは、あまりむずかしくはないはずなのだが、僕自身は、納得できる「愛」の形をいまだかつて見たことがない。だからここでは、こころを立体的にして見えてきた、「愛」の話をしよう。

皆さんは「うらはら」という言葉をご存知だと思う。

実は、このうらはら、があるから、正確にいうと、うらはら、と思っているこころがあるから「愛」を複雑に見せている。ふつうは、裏をみることはしない。というか、裏を取ることは単純に労力がいる。

たとえば、最近はネット販売が増えた。ネットでは手軽にモノを買うことができるが、このときの注意事項がいくつかある。きっと失敗したと思い当たるふしがあるはずだ。それは、「心地」の絡むものは気を付けなさい、ということ。

たとえば、着心地、履き心地、乗り心地、座り心地、寝心地、触り心地、居心地、など心地に関するモノたちだ。(そのほか、貼り心地、刺し心地、濡れ心地、抜き心地や脱ぎ心地も!)

服などはデザイナーブランドのかっこよさはあっても、着心地が今一つだったりする。からだに触れるモノは特に、注意が必要だ。

これらの心地を一つのキーワードにまとめれば、すべて「触れ心地」になる。

触れた感触つまり触感だ。

これは、手で触れている感じだけでなく、体感覚として[からだ]で感じる心地良さのことだ。

とかく裏を見る内偵するのはめんどうだ。手軽に簡単にすませたい。ネット販売のような触れない世界から、「心地」を知ることは基本的には困難ということだ。極めて当たり前のことだが。

つまり、仕事の良し悪し、つまり商品の良し悪しであるとか、製品そのものに手抜きがあるとか粗悪品などは別としても、その人に見合った品物かは、その人の自身の心地によって変わるし、そもそも触れなければ分からないことがある。

「触れ心地」がこころに響くゲートになっている。

上の例は、全ては[からだ]のゲートを通した表現だ。

そして当然、(こころ)に対する「触れ心地」もある。それは、人の人生の琴線に触れること。心触れ合うことそのものだ。

<あたま>に対する「触れ心地」もある。「あの人、とうとう気が触れちゃったよ」というと、キチガイになった、ということだし、同じ書き方でも「気触かぶれる」という表現もある。

これは、西洋かぶれ、とかいうときに使う言葉だ。ちょっと意気がって、得意になっているようなときだろうか。

このように、さまざまな面から触れ合うことに「愛」が関係していることは、お分かりいただけるだろうか。それは、「愛」がずーと見ていたいという持続的な観察を意味しているからだ。

さて、これからあまり言葉は使わず、ベンツマークの幾何学的な解釈から「愛の目的」を解説することにしよう。

2)幾何学における「愛の側面」


ここでも、できるだけ単純化した図にして、複雑なところは後からお話していくことにする。

「愛の側面」といえる三つの面は、「秩序」「公正」「活力」といえる。

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その幾何学的関係性は上図のようになっている。それぞれの面については、順に説明する。

この中で、底面ベースを為す「活力」が先に触れた触感という感覚の面である。その他、この面は動機モチベーション欲求ニーズと関係する。

人間は感情の動物である。人々の心は感情によって大きく左右される。心地良さにこだわることは、こころの環境、つまり心境に大きく変化を及ぼす。

はじめは単純な理解でよいと思うが、三つの面の関係性をあらためて書いておく。

1)青い面=秩序[からだ]
2)赤い面=活力(こころ)
3)緑の面=公正<あたま>

となっている。

ベンツの「スリーポインテッドスター」を座標軸に見立てると、中央0を原点にこちらに向かって伸びる矢印、プラス側と、向こう側に向かって伸びる矢印、マイナス側の違いにも触れておこう。

こちらに向かって伸びるプラス側は、自分にまつわる三つのcenter portionセンターポーション(中心部分)がある。それは、基本的欲求に因み、呼吸、食欲、睡眠だ。

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向こう側に向かって伸びる矢印マイナス側の相手にまつわる三つのポーションは、作務、公案、禅定とする。

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これらが相俟っている。相手にまつわるものは、仏教の修行とされている三つだ。これらを合わせた図を見る。

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この中心に規律心と利己心が存在する。自分側には「利己心」、相手側には「規律心」がある。

この中央0点に「愛」の位置がある。

ベンツマークの中心に本来の「愛」がある。

3)健康創成論と三つの側面


もう一つ、「愛の側面」で触れておきたいことがある。それは、アーロン・アントノフスキーという社会学者が提唱した「健康創成論」というものだ。「Season 2 エピソード0序」で、かなり詳細な説明もしているので、ここでは、ごく簡単に説明しておこう。

彼は、第二次世界大戦中にアウシュビッツ強制捕虜収容所に収監されていたユダヤ人の生存者に、「自分の人生は幸せだったか」と尋ねた。当然、過去の辛い体験で幸せと答える人は少なかった。しかし、そんな中、少数ではあったが「幸せだ」と答えた人たちがいた。

その人達が持っているこころの特性を調べた結果、彼なりの結論として以下のこころの作用があったという。

1)理解可能性
2)対処可能性
3)有意味性

である。これを極めて簡単に表現すると、

1)わかる感
2)できる感
3)やるぞ感

という。今回の秩序、公正、活力に合わせてみると、

1)わかる感=秩序の面
2)できる感=公正の面
3)やるぞ感=活力の面

にそれぞれ関係している。

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これは、基本的なツールとスキル、モチベーションに関係している。ツールとは道具のことだが、その使い方が分かるか、そして実際に使うことができるか、そして最後は、使いたいか、である。

まさに、こころも使い方次第で、その中心に「愛」が存在している。それは例えるなら、「愛のカタチ」と「愛の手引き」と「愛の価値」であり、愛を愛することでもあるのだ。

それぞれの面について、次回「愛の象限」で説明していこう。




つづく







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