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『愛の美学』 Season2 エピソード 4 「愛の象限」(1736文字)

今回の「愛の象限」では、構造的理解を深めるため、より簡単な図解を心掛けてみようと思う。

前回説明した「愛の側面」には、それぞれに「4つの象限」が存在する。エピソード7「愛の境界」では、このうち一つの側面「理の面」の四つの象限について、かなり詳細に解説している。そのため、今回は、他の二つの面についても同様に触れていくことにする。

また今回は、側面を単純に四象限に分けていく手続きとして、立体モデルでは少し分りにくい部分もあるため、還元的手法によって解説したいと考えた。

簡単に、還元とは元に戻すことなのだが、今回の還元は単なる還元ではなく、設計図をイメージし基本の三面図を構成してみる。仮に平面図しかなかったら、立体全体のイメージを把握することは極めて困難なのと同じように、側面図や上面図、さらに立体パースや、実際の模型モデルもあったらさらに分かりやすいはずだ。

前回提示した「こころの立体モデル」は、このパースや模型のようなものだ。建物の壁やはりなどの仕組みが分かるようになっている。

ただ、このツールの利用方法を知らないと、どう使うのか分からない。実際には、どう思考して結果に結びつけるのか、という具体的な方法を説明しなければならない。それは、全体を通して見えてくることなので、とにかく構造的な把握からしていきたいと思う。


1)側面とアスペクト


本題に入る前に、前回解説した三つの側面を「アスペクトという。

言語学では、状態や出来事が終わっていることを示す完結相、完了していない非完結相、現在進行形の進行相、変化の結果が持続していることを表す結果相などに分類されている。

敢えてこの解釈に沿えば、非完結相が「やるぞ感」の活力、現在進行形が「できる感」の公正、結果相や完結相が「わかる感」の秩序となることは既に触れた。

言語学上の認識と被るのは、秩序は結果的な相であること、公正は概念化するプロセス、つまり進行している相であること、活力が完了していない非完結相なのは、これから何かを将来的に行う展望を示す相として、欲求や希望など、あるいはモチベーションを持つ「場」と捉えられるからだ。

前回提示した「こころの立体モデル」の基本形を参照する。


先に説明した通り、このベンツマークを見立てるXYZ軸の中心点を見る視点が、主格(主体、主観)の位置で、その中心点0が起点になっている。

そして実軸、つまりプラス軸の側にあり、そしてマイナス軸側に他者の視点が存在する。

実は、これは次元命題にも絡んでくるのだが、それは次回以降に触れるとして、幾何学的な理解で大切なことは、単に平面的な二つの領域を同じとするのと、立体を意識した上で平面へ還元するのは、まったく思考が異なることだ。

早速どのように異なるのか、見ていこう。

2)平面を立体的に見る

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提示したXY軸は、単なる軸ではなく、それぞれ二つの面であることを認識し、XY軸平面と見ると、交点に手前に広がる空間と奥行をもつZ軸が理解できる。

「内面、外面」や「個々人、集団」の視点の他、「公私」の視点は実際には、下の図に示すように「自分軸」と「他者軸」の中央を二分する軸が出現する形で、対角線のような位置関係になっている。

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同様に、ZY軸は単なる軸ではなく、面であることを意識すると、ZY軸平面にはX軸があることが理解できる。この面で、公人性、私人性が明らかに表れる。しかし、「自分側」と「他者側」の境界は、XY軸平面と同様に中央を二分するように描かれている。

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さらに、XZ軸は単なる軸ではなく、面であることを意識すると、XZ軸平面にはY軸が見えてくる。ここでも「自分側」と「他者側」の境界は、XZ軸平面と同様に中央を二分するように描かれている。

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ここでは、これらの平面視と立体視の本質的な相違には触れないが、根本的な幾何学的理解は、これがポイントの全てといっていい。

つまり、それぞれの平面における理解は、平面的に閉ざされており、奥行や立体空間を感じることはない。しかし実際は、正に私たちの意識が空間認識をしている「場」として、存在している。

それは実軸、つまりプラス軸の側にあり、そしてマイナス軸側に他者の視点が存在するという意識だ。

そして、そこにそれぞれの軸を二分するように存在する「✖️」の軸があるとうことだ。

基本的に四象限はこれら三つの側面アスペクトに存在している。今回、このセクションで強調したいのは、これら三つの面には「自分側」と「他者側」の軸があることを意識することだ。

そして、そのカタチが「愛の素因」となる。次回はそのことについて語る。


つづく







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