見出し画像

4.睡眠について・・・良質な睡眠とは

「新元号『令和』に寄せて」

 平成の世も昨日で終わり、本日から、「令和」元年になります。
 この「令和」の世が、命の輝と和気に満ちた年代になるよう祈念したいと思います。 

こちらの一日一答も、粛々と進めて参ります。
今後ともよろしくお願い致します。

はじめに

 本日は、令和の初日。令和元年5月1日。第4問、お題は「睡眠について・・・良質の睡眠」です。

 睡眠は、人生の約1/3を寝ていると考えると、大切な時間と考えられますね。そもそも、三大欲求として睡眠は精神活動にも密接に関係しているので、良質の睡眠を摂ることは非常に大切なことは言うまでもありません。

 しかし、世の中には、不眠で悩んでいる方が結構多いのも事実です。

 まずは、日本人の睡眠の現状と、良質の睡眠を摂るためのヒントについてお話いたします。

 それでは、早速はじめましょう。

わが国の現状

 まず、わが国の現状はどうなのでしょうか。

 厚生労働省 平成25年「国民健康・栄養調査」の結果ですが、「睡眠の質」として、男女ともに「日中、眠気を感じた」と回答した者の割合が最も高く、男性 37.7%、女性43.0%であったとされています。

 1日の平均睡眠時間別にみると、6時間未満の者が、男女とも全ての項目において有意に高く、6時間未満の者では、男女とも「日中、眠気を感じた」がそれぞれ最も高い44.5%、48.7%でした。

 その他の項目では、「睡眠時間が足りなかった」と回答した者の割合が男性では 30 歳代、女性では 20 歳代および 40 歳代で約4割に上っています。

 一般的な1日の均睡眠時間については、男女とも「6時間以上7時間未満」と回答した者の割合が最も高く、男性33.9%、女性34.2%でした。(厚生労働省の平成27年 国民健康・栄養調査)

 大まかに、わが国の成人約20%が慢性的な不眠を訴え、約15%が日中に過剰な眠気を感じているというデータもあります。後者においては、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの症状も考えられ、いずれも、良質な睡眠が摂れていない症状として挙げられるものです。

 そしてやはり、生産年齢人口(20歳代~40歳代)の不眠や寝不足が多いのが目立ちます。 

不眠と睡眠障害

 まず、不眠症とされる症状には、大まかに三つの睡眠障害のタイプが知られています。

1.入眠障害
2.中途覚醒
3.早朝覚醒

です。

入眠障害
寝つきが悪く入眠に1時間以上かかるというのが目安です。30分以内で眠れる場合は入眠障害とは言えません。

中途覚醒
これは、睡眠中に何らかの原因で目が覚めてしまい、そのあと眠りにつくことが困難になるケースです。

早朝覚醒
これは、早朝、早い場合では3時か4時頃に目が覚めてしまい、そのあと眠れないという場合です。

 それぞれに原因となる生活習慣や対処方法がありますが、今回はこれらの睡眠障害を改善する一般的な方法をお教えすることに致しましょう。

睡眠関連ホルモンとバイオリズム

 睡眠のリズムについては、よく言われることですが、例えば、日曜日や祝日、お休みの日などは遅くまで寝ている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 実は、バイオリズムとして脳から放出されるホルモンは、時間の影響を受けるものもあり生理的なメカニズムに大きく影響します。

 その中で特に睡眠に関するホルモンとしてメラトニン(グラフ中の赤線)があります。脳内の小器官、松果体から分泌されるホルモンで、催眠作用と日内リズムを調整する働きがあります。

 日中は分泌が抑制され、夜間に増加し、通常の入眠時刻の1~2時間前から増え、最低体温(グラフ中の黄線)あたりで最高値となり、その後減少していきます。

 さらに、やる気ホルモンと呼ばれるセロトニンなどの神経伝達物質も、光刺激に関係しているとされ情動に影響します。起床時に朝日を浴びるとセロトニンが増え、抑うつ的な症状になりにくいとされています。

 また、副腎皮質ホルモン(グラフ中の青線)のコルチゾールは日内変動があり、睡眠の初期に最低値を示し、後半に向かって分泌量が増加し、朝の起床前後で最大となる日内リズムをもっています。

 その他、睡眠に影響されるホルモンとして、成長ホルモンがあるのですが、このホルモンは寝入りばなに出るといわれています。成長作用とタンパク質合成を促進する作用があり、身体の成長や修復、疲労回復に重要な役割を果たしていると考えられています。

 これらのホルモンの働きを促すには一般的に、早寝、早起きが良いとされますが、それは、このような様々なホルモンや神経伝達物質が恒常性の維持(ホメオスタシス)を司るために、太古の昔からセッティングされたメカニズムがあるからなのです。

 ですから、なるべく、一定の時間に就寝、起床するという習慣が最も良質な睡眠を摂るための第一原則であるというのは間違いないでしょう。

 では、最適な時間帯というのはあるのでしょうか。

睡眠時間帯(ゴールデンタイム)と
東洋医学の智慧

 「一日一答、ザ・レジリエンス・プレトーク」では、東洋医学的な智慧の一端もご紹介していこうと思います。

 睡眠には、ゴールデンタイムというものがあります。それは午前0時±2時間とされています。この場合のゴールデンタイムとは、成長ホルモンのようなある特定のホルモンが分泌されるので美容にも健康にもよい、というような解釈ではありません。

 東洋医学では、病気の勢いや病態などを陰陽の関係で表現することがあります。実は睡眠は、脳と太陽の動きと深い関係があり、そこに陰陽のメカニズムが働いているのです。

 陰陽は、大まかに

形と、動き

で区別します。

 一般的に、形は、大きいものが陰、小さいものが陽、動きは遅いもの(あまり動かないもの)が陰、速いもの(よく動くもの)が陽、です。

 この原則から、東洋医学的に「脳」は極めて陽性の高い器官です。なんといっても神経細胞の塊です。それは神経細胞がたくさんあり、電気的な連絡の動きを見れば、どの器官より陽性が高いことがわかります。

 これは「どんぐり」と「樫の木」の例でいえば、「脳」は一つの「どんぐり」であると言えます。「どんぐり」は、「樫の木」よりも小さく、そして転がり動くことから陽性が高いのです。

 自然界では、必ず法則があるのですが、それは、発芽の原理も同様です。

 どんぐりを発芽させるには、どうしたらよいか、ということは、私たちは経験上知っています。

 つまり、土に入れて水を与えれば、自然と発芽するということです。

 土も水も東洋医学では、陰の要素になります。

 これと同様の理屈で、「脳」を発芽させるには、陰の氣に触れさせる必要があるということです。

 自然界で最も強い陽氣である「太陽」が地球から最も離れている時間、一番遠くに離れる深夜0時が相対的に最も陰の氣が強まるわけです。したがって、陰の氣が強まる時間帯は、午前0時±2時間、それが睡眠のゴールデンタイムと一致します。

つまり、極陰の時間帯に
陽性のものを触れさせる

という理屈です。

 そうすることで、自然に発芽する、この条件は首尾一貫した自然の摂理だということです。私たちが眠くなり、睡眠中動かなくなるのは、睡眠中の意識レベルが低下するという事実もそうなのですが、そもそもじっとしなければ、陰の氣を受け取れないということがあるのだと思います。

 陰と陽が触れ合うことで
自然に発芽する生命の
「不思議」

 この作業を、僕たちは日々繰り返し、「脳」を「ひらめかせて」いるのです。

本日も最後までお読みいただき
誠にありがとうございました。


ここのコメントを目にしてくれてるってことは最後まで読んで頂いたってことですよね、きっと。 とっても嬉しいし ありがたいことです!マガジン内のコンテンツに興味のある方はフォローもよろしくお願いします。