『哲学』の散歩道 Vol.7「システム」論Ⅰ
本日から「居心地の良い場所」について語ろう。そして、その「場所」を見出すために必要な「システム」とは何か、それを探っていこうと思う。
はじめに
「システム」とはなんぞや、と問う前に、私たちが「システム」と向き合う方法がいくつかある。それは、
システムを作る
システムになる
システムで働く
システムを使う
である。
どの領域にも重要な働きがあるが、その中で私が最も興味があるのは、「システムを作る」という「場」だ。
ここで基本に戻り、自分が目指す「命」とは何かを考えてみた。
それは社会に
「居心地の良い場所」
を提案すること
その「システム」、つまり仕組みを創ること。
居心地の良い場所の提案
先にも示した通り、これが、私に求められている「命題」であり「使命」であり、「課題」だ。
最近では、会社学における組織マネージメントやマーケティング手法など経営学の観点からも「組織社会学」というジャンルが注目されている。
そこでは様々な組織形態を研究し集団やチームの在り方を模索し始めている。
その中で、「居心地」の問題、「雰囲気」的なわが国の「空気読め!」というものを科学的に分析していこうとする動きがある。
この「空気」の醸し出す「雰囲気」には、国によって様々な気分的な違いがあるだろう。
特にわが国は、独特な「気」を持っている。
自己認識
私たちの持つ一種独特の「気」というのは、何ものか「気配」に属している。
それは「自意識」とでもいうべく、周囲を察知する能力だ。それを西洋的には「自己認識」という。
「自己認識」について最近の書籍で、insight(インサイト)という本を読んだ。
「自己認識」は自分自身を明確に理解する力で、一つは自分の観点から自分自身を理解する「内的自己認識」、もう一つは他者の視点から自分自身を理解する「外的自己認識」があるとする。
いわば自意識過剰になれば、内的な調整が上手くいっていると本人自身が考えているようには「上手くいっていない」こともあり得る。
また、外交的で社交性があると本人が思っていても、周囲からは「トラブルメーカー」と思われている場合もある。
「自己認識」の力を得て、それを保つための方法論は、実は、私の命題である、「居心地の良い場所を構築する」ことに直結する。
この本にも、
「自分がフィットする場所、自分が幸せで存分に力を尽くせる環境を見つけたとき、人は以前よりも少ない労力で多くを達成できるようになり、良い時間を過ごしたという気分で一日を終えることになる。(中略=そのために)より幸せに暮らす手助けとなる深いインサイトを得る必要がある。(p56)」
と。
この場合インサイトとは、「気付き」あるいは自分自身の「見える化」のような意味合いだ。
つまり、私が目指す「居心地の良い場所を構築する」とは、
「場所」=「自己認識」
を「見える化」するということだ。
もっと簡潔に言えば、
場=認識
の「見える化」だ。
これは、関係性の理論では、すでに言われていることで「認識」は「場」によって成り立つ。
その「場」が変われば、その「人」のアイデンティティーも変化する。
東洋独特の「気」
関係性の理論、あるいは「場」の理論もさることながら、私たち東洋人はその中に常に「気」の巡りを無意識に感受している。
この流れについては、書籍「木を見る西洋人、森を見る東洋人」の中にヒントがある。
西洋人は「マテリアル」や「素材」そのものを追求する。
東洋人は「素材」よりも「関係性」や関連を意識している。
「insight」では、理詰めに「システム」で「自己認識」を解説していく。
このような「気」の違いを言葉で表現するのは難しいが、これを立体的な「幾何学」に汎用し「こころの立体モデル」を構築するのが、私の役割だ。
次回、「システム」論Ⅱで、こころを見立てる方法を解説していく。
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