天国の島でのミニリトリート マインドフルな旅 in ベトナム
女四人のロードトリップ
朝、10時半ごろにハノイでステイしているお宅を出て、車で北西に向かう。
島に行くと言っていたけど違うのかな?と思っていたら、Yên Bái(イェンバイ)省の湖のなかの島だった。
連れて行ってくれるのはMさん。
わたしにベトナムの旅を誘ってくれたTさんとは、カリフォルニアのディアパーク僧院で出会ったマインドフルネスのプラクティスの仲間。Tさんとフランスのプラムヴィレッジのリトリートで一緒だったHさんも、もちろん一緒に。女4人のロードトリップ&ミニリトリートが始まる。
高速道路をずっと行くと、道路脇に懐かしくも見覚えのある葉っぱを発見。 もしや、とGoogle翻訳の力を借りて後部座席隣のHさんにきくと大当たり。
キャッサバ
キャッサバの畑だった。
キャッサバの葉っぱを見るなんて、もう20年ぶりくらいじゃないか。
プラムヴィレッジの僧院ではごくごくたまにキャッサバが出てきて、ベトナムにもあることは知っていた(僧侶の多くはベトナム人で、僧院ではベトナムの伝統と所在地の文化が融合した暮らしを営んでいる)。
それにしても、遠くから見分けられるほどのキャッサバ愛を自分のなかに確かめられて、密かに喜ぶ。
キャッサバは、ベトナム語ではsắn(サン)という。
英語ではcassava, フランス語でmanioc(マニオック), ポルトガル語でmandioca(マンディオカ)。
南米、アマゾン地域原産の芋で、大航海時代にヨーロッパ人たちによってアジアやアフリカにもたらされた。
栽培が簡単で早く、甘みがあり、もっちりとした食感で人気がある。
わたしが3年半を過ごしたコートジボワールでは、茹でてついたおもちのようなもの(フトゥ)、発酵させたクスクス(アチェケ)などがあり、どれもわたしの大好物だった。
日本でも、戦後に兵士たちがインドネシアから奄美大島に持ち帰って、育て始めたらしい。
数年前に奄美大島のキャッサバを取り寄せて、インド、インドネシア、セネガルのキャッサバ料理パーティーをした。ああ、キャッサバ!この旅のどこかで食べられたらと思う。
街道沿いの食堂でランチ
ランチは街道沿いの食堂で。
前回のベトナム訪問はプラムヴィレッジの公式ツアーで、ファンシーなレストランが多く、こういうところには来れなかったのでとてもうれしい。
天国の島へ
車を預け、ボートに30分ほど乗って着いたのは、その名も Paradise Island。
着いたらまずは休息。
僧院では、昼寝は大切なリラックスタイム。 ここでもまずは体の疲れを癒す。 そして、島の真ん中にあるプールでひと泳ぎ。
二人は静かな湖にカヤックを漕ぎに。
夕方の光がとてもきれいだ。
そして、Tさんから今回のミニリトリートの予定の提案。
まず今夜は、レイジーナイト!
なにもしない、どこにも行かない
レイジー、怠惰な時間を意図的につくり、たっぷり楽しむこともプラクティスなのだ。
プラムヴィレッジの僧院では、週に一度の休みの日をレイジーデイという。 何もしない日。
といっても、忙しい僧侶たちは予定でいっぱいになったりするようだが。
ミシシッピ州のマグノリアグローブ僧院に滞在したとき、食べたりする以外は本当に何もしないで過ごす日があったということを、シスターBからきいたことがある。
本を読むのも、何かを書くこともしない。 ただ、ハンモックにゆられていたり、庭の木を眺めていたとか。
マインドフルネスの歌
のんびりと過ごしていたら、Mさんがプラムヴィレッジのプラクティス・ソングのひとつ、Freedom of the Heartをかけてくれた。いつも英語か日本語で歌っていたけれど、ベトナム語できくのは初めて。
生産的であることのみを求める世界は、非生産的なことを軽視しがちだ。 Doing、何かをすることや、Having、その結果として得た何かで、自分の価値を上げないと、生きていけない。
現代に生きるわたしたちは、無意識にそんなことが刷り込まれているのではないか。
Nothing to do
Nowhere to go
何もしない どこにも行かない
これは、ティク•ナット•ハン禅師から現代社会へのマインドフルネスのお誘いなのだ。
レイジーナイトの夕食
わたしにとって夕食のハイライトはこれ。
竹筒で蒸した餅米。 黄色はターメリック、紫はある葉っぱの色だという。
他の人は、持ち込んだ赤ワインとチーズ!と言っていた。
在家のプラクティショナーは、お酒を飲んだり肉食する人はまあまあいる。自分なりにできるところから始めればいいのだ。
ちなみにわたしは2018年にマインドフルネスの教えに出会ってから、お酒をやめ、ベジタリアンになった。
朝の瞑想とヨガ
翌朝。
ゆっくり歩いても、10分で島の外周を歩けてしまうなんとも小さな島。
朝、6時半から隣にある小さな島へ渡る橋の上で、30分ほどみんなで瞑想。
ディアパークから持ってきてくれたホワイトセージを焚く。
そのあと、島で30分ほどヨガと気功体操をリードさせてもらう。
とても蒸し暑いので、慣れない身体はすぐに疲れてしまう。
午前も午後もたっぷりと休憩をとり、ただ共にいることを楽しむ。
水力発電所訪問
三日目、最終日はダムの水力発電所を訪問した。
まずはダム湖建設時に犠牲になった180名あまりの方たちの慰霊塔にお参りをする。
案内してくれた男性職員の祖先のお墓はダム湖の下にあるという。
建物の片側が、ダム湖、反対側が川。
施設の中に入る。壁際には手の届くところにいろいろボタンがあるのだけど、大丈夫なんだろうかと余計な心配。
Yên Báiの水力発電の記事があった。
小雨が降り、蒸し暑く少し朦朧とする天気と、心も同調していくようなダムの水力発電所訪問だった。
三日間のミニリトリートを終え、ハノイへ。
天国の島でのミニリトリート(2024年7月22日〜24日)
続きます。
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