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プラムヴィレッジゆかりのお寺、慈徳寺でのリトリート 〜マインドフルな旅 in ベトナム

ティク・ナット・ハン師の故郷であるベトナムで、そのマインドフルネスの教えを生きようとする人々を訪ねる今回の旅。

そのハイライトのひとつは、僧院でのリトリートに参加すること。
場所はプラムヴィレッジの僧院のひとつで南部カムランにある慈徳寺。

8/7-11までの5日間のリトリートに、僧侶と在家を合わせて400名以上いただろうか。
外国人は、わたしただひとり。
がっつりベトナムのプラクティスの雰囲気にひたってきました。


ベトナムにある4つのプラムヴィレッジ・センター

ベトナムには、プラムヴィレッジのプラクティスをしている僧院、マインドフルネス・プラクティスセンターが、いくつかあることが今回の旅で分かった。

・慈孝寺 トゥー・ヒィウ Chùa Từ Hiếuと、隣接の尼僧院ディウ・チャム Ni xá Diệu Trạm(中部フエ)
ここはプラムヴィレッジの祖寺として多くの人が認識している。あとの3つは日本ではまだあまり知られていないと思う。

・慈徳寺 トゥー・ドゥック Chùa Từ Đứcと尼僧院チャム・アン Trầm An
(南部カムラン Cam Lâm)


・尼僧院フゥン・スゥァン Phùng Xuân(南部ホーチミン市の近郊、ドンナイ Đồng Nai)

・チャン・ニエム Trang Nghiêm(南部ダクラック Đắk Lắk)
小さな僧院だという。この旅ではこちらを訪れることはできないだろう。

今回はカムランにある慈徳寺での5日間のリトリートに参加した。

慈徳寺 「Từ」が慈しみ 「Đức」が徳。漢字を基にしているため似たような読みが多い 


いよいよ僧院でのリトリートに参加。がしかし

ホイアンから深夜バスに乗り、ニャチャンへ。そしてカムランへとタクシーで移動。長旅だった。

ようやくお寺に着くと、ハノイとホイアンでお世話になった母子と合流。みんなで受付に行く。
そこではフランスの僧院で一緒に活動したベトナム人女性や、フランスからベトナムに帰国したシスターとのうれしい再会が。

みんな順調に受付を済ませていく。
しかし、わたしはみんなと同じように僧院に滞在することができないということが、この場で知らされた。

それはわたしが外国人だからだった。


外国人の宿泊

あとで分かったことだが、ベトナムでは外国人の宿泊については警察など管轄部署への登録が必要らしい。

ホテルなどに宿泊するときは、パスポートを預けろと言われることがある。えっ、そんな大事なものを滞在期間中ずっと預ける? 
それは困る、写真を撮って現物は返してほしいとお願いしたら、なんとかなることが多かったけれど。

そしてもうひとつには、ティク・ナット・ハン禅師の僧院と活動は、ベトナムではまだ正式に認められていないということもある。
外国人を泊めることもままならないということなのだろう。
ここでは、僧侶であっても外国人がお寺の敷地内に泊まることはできないという。こうしたことに慣れているシスターが、ささっと民泊に予約の電話をする。

ベトナムにおけるプラムヴィレッジの事情と、政府による外国人旅行者の管理。
思いがけない事態に戸惑うが、受け入れるよりほかない。

しかし結果としては、ホームステイでの宿泊に大いに助けられることになる。
民泊までは徒歩15分とのことで(実際は25分くらいだった)、往復のための自転車を借り、なんとか無事にリトリート生活をスタートした。

リトリートのスケジュール

スケジュールはこのような感じだ。
これは、タイ、フランス、アメリカなど、どこの僧院でも似たようなスケジュールになっている。
暑い国では、歩く瞑想は早い時間にすることが多い。

ベトナム人が主体のリトリートは当然ベトナム語で進行される

4:15 起床
5:00 坐る瞑想(瞑想ホール)
6:00 歩く瞑想(僧侶による説明につづいて、みなで黙って境内を歩く)
7:00 朝食 食べる瞑想(瞑想ホール)
8:00 働く瞑想(作務。トイレ掃除や瞑想ホールのセットアップ、キッチン手伝い、境内の掃除など、ファミリーグループごとに分かれて行う)
9:00 法話 / Q & A(瞑想ホール)
11:00 昼食(瞑想ホール)
12:30 トータル・リラクゼーション(瞑想ホール)
14:30 ダルマ・シェアリング(敷地内の各地にグループごとに分かれる)
16:00 体操、コンサルテーション、売店の開店時間
17:30 夕食(ダルマ・シェアリングのグループでともに)
19:00 オリエンテーション、5つのマインドフルネス・トレーニングの発表、ビギニングアニューのデモンストレーション、Be-In(マインドフル演芸大会?)など (瞑想ホール)
21:30 聖なる沈黙(翌朝の朝食後まで沈黙)

最終日の朝は、5つのマインドフルネス・トレーニング(現代の五戒)の授与式、午後にはローズセレモニー(母への愛をふりかえる儀式)があった。

わたしは、離れたホームステイに泊まったので、4時には起床して、真っ暗ななか自転車を走らせてお寺に向かった。

ボランティアの方が英語に訳してくれた。やさしい。
歩く瞑想 どこかの目的地に行くために歩くのではない。この一歩一歩にたどりつく

参加者とグループ

5日間のリトリートの参加者は、合計350人ほど。
年齢別にプログラムがある。
大人のグループ、18-35才の若者グループ、13-17才のティーングループ、12才以下のキッズも年齢別に2つのグループがあるそうだ。

きく人によって人数が違うので正確にはわからなかったのだけれど、ティーンが60人くらい、キッズは30人くらいいたように見えた。若者も30-40人はいただろう。
おおむね36才以上の大人グループは、50代以上の女性が最も多い層にみえる。これは日本でも変わらない傾向だ。

およそ25-30人くらいに分かれてファミリーグループをつくり、そこにファシリテーターのダルマティーチャーと数人のシスター、ブラザー、在家のボランティアがつく。
このグループでダルマシェアリングや働く瞑想などを行う。

ちなみにベトナムは25-40才までの人口の割合が高いらしく、2022年の平均年齢は32才。しかし同時に少子化と高齢化が進んでいるそうだ。

ティーンのグループ

宿泊場所

参加者は、慈徳寺と尼僧院チャムアンに分かれて宿泊した。
原則として女性は尼僧院に泊まるのだが、女性の参加者数が尼僧院の収容人数より多かったのか、慈徳寺のほうにもたくさん泊まっていた。

これまで参加したリトリートは、テント泊、ドミトリー泊、二人部屋などを選べて、それにより料金が変わるが、今回の予約はすっかりおまかせなので分からない。ちなみにわたしは1,000,000VND (約6,000円)を払うように言われた(かつ別途ホームステイ代も支払った)。

タイ、フランス、アメリカの僧院と比べると、こちらはややタフな感じがして、通常はダイニングホールや小ホールであろう大きな広間に、ござをしいて2,30人が一緒に雑魚寝というスタイルの宿泊場所をいくつも見かける。

元々ベッドが置いてあるような宿泊用の部屋(その一部はエアコンつき!)に泊まれた人は、一部のようだ。もしかしたらテントが最も快適だったかも。

宿泊用のテント


追記:リトリートの動画

リトリートのオリエンテーションや法話などの動画がYoutubeにさっそくアップされていた。一縷の希望をかけて字幕を探ると「ベトナム語の自動生成」のみ。文字起こしをコピペして翻訳ツールにかけるか、音声翻訳もできるだろうか、、、。根性のあるときに、、、。


(2024年8月7日〜12日 慈徳寺)

続きます。

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