ココアヤ

物心ついたときから「言葉を紡ぐこと」が好きでした。何を見ても、聞いても「なぜ?」と無邪…

ココアヤ

物心ついたときから「言葉を紡ぐこと」が好きでした。何を見ても、聞いても「なぜ?」と無邪気に疑問を持つ子どもでした。大人になった今もそれは変わってません。「永遠の5歳児」ココアヤの、心の中を言葉で紡いだ詩をお届けします。

最近の記事

こだまさん

またこの感覚だ……。身体が重いし、頭も痛い。 「たかし!起きてる?たーかーしーーー!学校だよ。ご飯食べな」 母さんがまた張り切っている。新しい学校に行く日はいつも決まってこうだ。ボクは行きたくないのに。あと5分寝たい。 ボクはもう3回も学校を変わっている。今日は4回目の転校生になる日だ。もうだいたい分かっている。朝礼で全校生徒の前で何かを話す。そして、クラスに行っても黒板の前に立たされ何かを話す。それからの流れもだいたい分かる。 1時間目の休憩時間にクラスの一番喧嘩が

    • 詩「依存を手放す」

      偶然にしてはうまくできすぎている 運命を感じてしまう 雨が降り続いていることと あたしの気分が一向にあがらないことの間にある 因果関係 野性の本能 これはなにかあるな 短い言葉で 一向に伝わってこないメール もどかしさの裏に 寂しさを感じ取る すべてを語るだけが コミュニケーションではない みなまで言うな ちょっと足りないものを愛そう 足りないくらいでちょうどいい 満足してしまったらそれで、はいおしまい つい寄りかかってしまうのは やさしい言葉を期待しているから

      • 詩「さようなら」

        あの人から離れようと心に決めた日は やけに空が青く ジオラマのようで嘘くさかった 梅雨の合間の晴れ間 少し湿気を含んでいるから 空気がまとわりつく とっさに耳元で大きな声を感じた 執念深く何度も何度も 同じことを言っている 足元の土がめくれあがって 粘土質の地層が見えている どこから始まったか忘れてしまった 今終わりにしようとしていることも きっと記憶として残らない 頭の上でヒバリが鳴いている カラになった空き瓶が 重なり合って 悲鳴のような高い音を出す 「騙

        • ママといっしょに、お散歩

        こだまさん

          今、泣いているキミへ。

          大好きだよ。 ずっとずっと大好き。 永遠に手をつないでいられると思っていたね。 その瞬間から少しずつ離れていくのも知らずに。 でもね。 仕方ないよね。 そのときはそれが全世界なんだから。 あのときも。 あの日も。 純粋な目をして、疑いなど1ミリもなかったね。 その感情がガラガラと崩れていくのを 目の当たりにして たくさん泣いたね。 抱きしめてあげたい。 でもね、きっとその先の人生に いいことがたくさん待っているよ。 流した涙は 心に蒔かれた種に たくさんの愛情を

          今、泣いているキミへ。

          スキをならべて、きみを想った

          晴れた日の散歩 犬の鼻 コリコリとした食感 シュワシュワしたお酒 朴訥な人 緑の稜線 透明に近いブルー 熱い涙 わたしを呼ぶ声 コケの生えた石 小さな貝殻 はき古したスニーカー お酢のきいたスープ かわたれどきの海 きみの笑顔 わたしのスキなもの

          スキをならべて、きみを想った

          ジャンクフードとぼく

          ジャンクフードとぼく

          珍味

          くずかごに放り込んだ言葉たちを もう一度拾い上げて 丁寧に切り取って 貼り合せてみた 臭すぎて 耐えきれずに すぐに丸めて また捨てた どうして こうも臭い言葉ばかり 連ねてしまうのか だいたい察しはついている あたし 珍味好き

          小さな妖精「こだまさん」

          小さな妖精「こだまさん」

          みんなつながっているんだよ

          みんなつながっているんだよ

          詩「光の中」

          遠くに見える もがいているあのときの自分 大丈夫 世の中そんなに悪いもんじゃない 一見不幸に見えることさえ 人生のスパイスさ 気の抜けたソーダみたいな人生がいいのかい? よく分からず もがいているなら もっともがくといいよ すると気づくはずさ 自分が光りの中にいること 一寸先は闇って 誰が言ったの?

          詩「光の中」

          詩「涙なんてとっくに枯れちまった」

          ひざを抱えている小さなボク うるいさな 少し放っておいてくれないか 「何が気にいらないの?」ってかなぎり声をあげるなよ とっくに乳離れしてんのにさ 妄想の邪魔すんなよ もう少しでレベルが上がるところなんだ ひざを抱えている小さなボク 本当は抱きしめてもらいたかったのかい? あっちから 手を伸ばす人と ただ逃げてしまいたかっただけ 泣いてなんかいないよ 涙なんて とっくに枯れちまったよ 赤ん坊の頃にね

          詩「涙なんてとっくに枯れちまった」

          心の畑

          人は生まれながらに 心に畑をもつ 柔らかでふかふかな土が やさしく広がっている 人として生きるためのルール 人に好かれるための笑顔 空気を読む感覚 長いものに巻かれるしなやかさ そのすべてを 丁寧に教わっていく いつしか 心の畑は カチカチに固まり 他の種を寄せ付けなくなる 心の畑を耕そう 心の畑を耕そう 自分の種を植えよう 小さな芽を摘まれないように 大事に育てよう あなたにしか 育てられない芽を 大きく育てよう 心の畑に農薬をまくな 自分の畑は 自分で

          【あのころの詩シリーズ】物欲

          「あの頃の詩シリーズ」 若かりし日のわたしの「詩」アーカイブ。あの頃の自分にハグ。 物欲 欲しいものは次から次へと出てくる でも君 そんなに高価ではないんだ 高価ではないけど お金では買えないものばかりで 困っている 途方に暮れてしまう 一体、いつになったら どうやったら 手に入るものなのか それさえも分からず 暗雲がたちこめる 霧がかかる それでもあきらめることなんて 出来やしない 今一番 必要とするものだから 人間の心が欲しい

          【あのころの詩シリーズ】物欲

          【あのころの詩シリーズ】栄光のために生ける人たちへ

          若かりし日のわたしの「詩」アーカイブ。あの頃の自分にハグ。 栄光のために生ける人たちへ 本当の悲しみの意味を知ったなら なぜそれでも欲しいのか? 淋しさに耐えがたく 北風が私をさらしていく 涙なんて枯れてしまった 栄光だけが私を包んでくれるなら… 心と心が分かり合えたなら 地位や名誉や栄光なんて 本当はいらない そうでしょう? それでも欲しがるあなたは 私の涙を飲みなさい

          【あのころの詩シリーズ】栄光のために生ける人たちへ

          あの頃のわたしに教えてあげたい。

          note、はじめます。 物心ついたころから、心の中の感情を言葉として紡ぐことに喜びを感じていました。はじめのうちは、ただ言葉をつなげているような文章だったのが、次第に「詩」になっていった。 誰にも言えないようなことも、詩では言えてしまう。読まれるのは恥ずかしくて、こっそりお手製の詩集にしたり。 でもあるとき、その詩集を姉や母に読まれてしまった。しかも隠れてこっそりと。隠していたエロ本を見つかったような(たとえが微妙ですが)、ばつの悪さを感じたのを覚えている。 そもそも

          あの頃のわたしに教えてあげたい。