見出し画像

精神科デイケアに9ヶ月通ってみた話~これまでのこと、これからのこと

こんにちは、COCOA-MUのアカネです。
以前、近況報告の記事に少し書いたのですが、現在私はリハビリとして「精神科デイケア」に通所しています。
通所し始めたのは体験含め去年の7月からで、そろそろ9ヶ月が経過しようとしています。

今日はここまで通所してきた中で感じたことや、精神科デイケアの利用のひとつの方向性などを綴っていきます。
精神科デイケアへの通所を検討している方、精神科デイケアに通所している方に何かしら参考になる部分があればと思います。


精神科デイケアとは~通所を決めるまでの注意点など


「精神科デイケア」
とは、通所リハビリテーションの一種で、精神科デイケアは名前の通り、主に精神疾患を有する人が、社会参加・社会復帰や入院予防等々、色々な人が色々な目的を持って通う福祉・医療サービスとなっております。

利用料金は1割負担(自立支援医療の適用)で800円ほど、昼食代込みです。
3割負担だと相当な金額になってしまうので、自立支援医療のような医療費支援サービスの申請後の利用がオススメです。
(精神科デイケア利用希望者であればほぼ間違いなく審査は通るかと思います)

私の場合は、全般性不安障害(不安神経症)の症状が大分落ち着いてきたので、「社会復帰」(働いてお金を稼ぐこと)を目標に据え、精神科デイケア(以下デイケア)に通所することを決めました。
デイケアの前には同じ病院のOT(作業療法)の方に二年ほど週1~2ペースで通っていて、「家から出て外に出てどこかに通って活動をする」という部分はクリア出来ていたのですが、OTに通いつつ徐々に体調が安定してくると、いよいよ社会復帰を本格的に考えるようになりました。
主治医・OTの作業療法士さん・家族等々、色んな人と相談を重ねて、最初はOTにもそのまま通いつつ、OTに通っていた分の内の1日をデイケアに変える、という少し変則的な通い方からデイケア通所をスタートしました。

通所の決め手になる事柄は人によって様々かと思いますが、私の場合重視したのは、

・プログラムの内容(作業はOTでしていたので、特に運動プログラムがしたかった)
・時間の長さ(朝に出かけて、夕方ぐらいに帰る)
・デイケアから先にステップアップする場合の支援体制

といったところでしょうか。

プログラム内容等は、一か月のスケジュール表を拝見したり、実際に見学や体験してみて興味を惹くものが多く、私には合っていると感じました。
また、デイケアの担当者さんから「自分のペースを守るのが一番大事」「休みたい(一日でも、通所後でも)時は遠慮なく言うこと」等、無理なく通所するサポートがしっかり出来ている事を聞けたことも良かったです。
給食も実は少し楽しみでした。一か月入院してた時はそこまで食べたいって思わなかったのになぁ…(笑)
不安な部分も最初の説明時や体験の際に色々聞いたことにより大体解消出来て、流石に人間関係だけはちょっと不安はあったものの、そこは通ってみないと分からないからと割り切り、通所を決めました。

私の場合、誰にデイケアを勧められるわけでもなく、自分自身で目標を持ち通所を決めたので、現在に至るまでデイケアに対する不満というのは全然ありません。

ですが、例えば主治医などにデイケアを何かしらの理由で勧められている場合は「どうして自分はデイケアを勧められているのか」「デイケアに何故通うのか」という目的・目標といったものに少し具体性を持っていた方が良いように思います。
別に凄く高尚な目的・目標とかじゃなくて、少しでも「自分がこうなりたい」といったビジョン…そうですね、これこそ個々人で凄く差があると思うのですが、自分の体調や、自分の立ち位置、そんなところから「安心な場所に向かって外に出たい」とか「家族以外の人(これはメンバーじゃなくてスタッフさんでOK)と会いたい」とか「居場所が欲しい」とか簡単な気持ちで良くて、とにかく「デイケアに行くことが悩み」にならないような状態で通所を始めるのが良いように思います。

その為にデイケア通所を決めるには、自分のデイケアに対する不安点・疑問点を主治医やデイケアの担当者さん、ご家族がいる方はご家族ともと良く話し合っておくと良いのではないでしょうか。

精神科デイケアのスケジュール(私の通所の場合)


デイケア通所を決めて最初は週1(+OTを週1)から通い始めました。
その後週2(+OT週1)→週3(ここでOTは卒業)→現在週4で通所しています。
私の通っているデイケアの簡単なスケジュールは以下のような感じです。

・9:30までに通所受付・通所準備をを済ませて、この時間までに体育館に集合、ラジオ体操第一・第二をした後に朝礼

・午前プログラム。休憩をはさみ、2時間ほど活動

・11:30~13:00は昼休憩+給食、精神科診察のある人はこの時間で受診に行きます。

・午後プログラム。こちらも休憩をはさみ2時間ほど活動、14:50でプログラム終了です。

・プログラム終了後は体育館に集合し、整理体操をして一日の終わり、解散となります。

私は今まで丸々休みは一日だけで、整形に行きたくて少し早めに帰宅したのが一回、あとは無遅刻無欠席です。
他の方は結構マチマチで、交通機関の都合で少し遅れてくる方、他の科の受診が終わってから来る方、普通に寝坊する方などなど、ゆっくりめの方もいます。
必ず連絡をすること、あとはお昼ご飯までに来れることが通所基準となっています。

精神科デイケアで出来るプログラム~頭や身体を使う・コミュニケーション能力の向上等


具体的なプログラムですが、これも各施設によって凄く違いあるところではないでしょうか。
私の通っているデイケアでは、基本は「頭を使う活動(創作活動含む)」「体を使う活動(いわゆる運動)」を午前午後各一つずつがベースになっています。
それぞれ例を出しますと、

頭を使う活動・創作活動
脳トレ(算数・国語なども含む)、大人の塗り絵、七宝焼、陶芸、手芸(パッチワーク)、調理など

この他に週一回「定期話し合い」というものがありますが、デイケア通所中に気づいたことや、冷蔵庫(基本自由に使えます)のチェック、スタッフさんからの全体連絡といったことに使う時間で、ガッツリ全員で何かのテーマを話し合うものではありません。
終わったら皆で軽く体を動かす時間になります。

挙げたプログラムは全て全員参加というわけではなく、希望者のみのものもあります。
実際調理は一回入ってみたけど事情で抜けまして(後述)、手芸はやっと曜日が合って先週から入りましたがめちゃくちゃ楽しいです!

体を使う活動(運動)
マシンエクササイズ(トレッドミルやエルゴメーター、ステッパー等)、卓球、ゲートボール、カーリンコン、ヨガ、リズム体操など

運動の程度は個々人に合わせてあり、私のようにゴリゴリ動きたい人は最初から最後まで時間いっぱい運動するし、程度を見て加減をする方もいます。

いかに翌日以後に疲れや筋肉痛などを引っ張らないようにするか、という点がかなり大事なんですが、最初の内はマシンの次の日は筋肉痛でうめいてました。
今はかなり慣れたので、多少痛くても「まぁあと一日ぐらいで治まるのだコレは」みたいな悟りを得ました(笑)
体を動かすこと自体は凄く好きなので、運動プログラムも楽しいです。

特殊活動(季節やタイミングにより)
上記以外に、時期によって行う活動などもあります。

去年を例にとると、春には近場お花見、夏には神社のお祭りに、、その他には計画を立てての遠足(去年は4人グループで水族館を見てバイキング食べに行きました!)、年忘れ会(好きなケーキを選んで食べながらの軽い忘年会)といった行事がありました。

プログラムはある程度固定のものもあるのですが、年度末などにスタッフさんが今後やりたい事などをアンケートや面談などで聞いてくれて(実現するかは別として)私が通所している間も少しずつプログラムが変わったりもしているので、スタッフさんが色々考えて下さってるのがよく分かりますし、嬉しいです。

北海道はこれからが桜の季節なので、お花見に行ける頃にお天気よかったらいいな~というのが今の希望ですね!

精神科デイケアに通っている目的・目標を随時更新すること


さて、上のような感じで現在週4でデイケアに通っているのですが、最初に決めた「社会復帰を目指す」という軸は変わらないものの、時期により小さな目的・目標が変わったりもしています。

例えば少し前に記事にしたジェノゲストへの服薬変更の際には、「週4通所は薬に慣れるどうか様子を見てから」とか、「起こるか分からない副作用のことは考え過ぎない」といったことを私の担当スタッフさんとお話したりして、その際に作業予定(日取りまで)がきっちりと決まっている調理プログラムからは相談の上で抜けるといったことをしています。

通所している間に起こった変化に合わせて、大目標はそのまま据えつつも、例えば「体調不安があり達成までの期間に余裕を持つ」、といった細かい変更は、定期的に行われている担当スタッフさんとの面談などの際に入れ込んだりします。
通所も長くなってくると最初のころより「自分はどうしたいか」というのが増えたり、または減ったりもしてくるものです。

その時々でデイケア通所の目的・目標は随時更新していくと、デイケア通所に対する心持ちが違ってくるのではないかと思っています。
実際私はジェノゲスト変更後の体調を落ち着いて様子を見ることができ、ありがたいことに大きな変化はなかったので、予定通り週4通所に移行しました。
でもこれは途中で少し目標変更をして、気持ちや体調に余裕を持つことができなかったら、少し結果が違ってたかもしれません。

次の面談は6月の予定ですが、そこまでの間にも「デイケア通所でこうしたいな」「こういう風になりたいな」といったものが出てきたら、ちょっとした小さなことでも目標意識を持つこと、またスタッフさんとの連携は引き続き大切にしていきたいです。

精神科デイケアを上手に利用する~周りに振り回されない・周りを振り回さないで


ここまで私のデイケア通所について色々と綴ってきましたがいかがでしたでしょうか?
色んな方のデイケア記事を拝見しましたが、本当に場所によってプログラムなどが凄く違いますよね。

そういえばデイケアメンバーさんとの関係性については全然触れてこなかったですが、おおむね良好です。
お話する方もいればしない方もいる、お話自体する日もあれば全くしない日もある、という感じですね。

私の通所しているデイケアでは「自分からお話をしなければならない」というプログラムがほぼないので、本当に話さない方は一日を静かに過ごして、静かに帰るという方も普通にいます。

流石に在席も長くなってきましたので、「その人がどういう風にデイケアにいたいか」というのは大体分かってきているので、そういう方とは必要最低限の接触で終わることもすっかり日常です。

私自身はおしゃべりで賑やかな方だし、何かする時についつい声が出がちな方なので、どうやらガヤ担当みたいに思われてるっぽいですが(笑)それを特別嫌がられているわけでもなく、むしろ弄られている時もありますが、嫌な気持ちになったことはないです。
皆楽しければ私も嬉しいし楽しいですし、何より私はデイケアのメンバーさんやスタッフさんがとってもとっても好きなのです。

そういえばデイケア通所を始める際に担当スタッフさんとお話したことで凄く大切だと思ったのは、デイケア通所にあたり「周りに振り回されない・周りを振り回さない」というものです。
前述の通り、デイケアには色んな方が、色んな理由・目的で通所しています。
独りよがりになって、誰かを強引に振り回さないというのはとても大切だと思います。
そして逆もしかりで、周りについつい飲まれて自分が振り回されないというのも、自分のデイケア通所の目標や目的からずれないために大事にしていきたいですね。

精神科デイケアは、目標・目的と自分の将来のビジョンが合っている人とってはとても良い場所になり得るものではないでしょうか。
私も今後もデイケアを上手に利用しつつ、大きな目標に向けて小さなステップアップの積み重ねを頑張っていこうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?