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井の中の蛙から抜け出そう

日本が戦後発展した原動力だったのは、日本の職人気質だった事はあまり異論がないのではないだろうか。物事の細部にこだわり、徹底的に改善することをいとわない職人気質が、いわゆる『カイゼン』によって世界に誇る日本製品の高品質を生み出していたのだと思う。しかし日本が発展し、生活が向上し、円高も手伝って日本での製品開発がコスト高になってしまったときに、融通の利かない職人気質は日本にとってマイナスの要素に転じてしまった。

それまで日本に製品のアイデアを提供して、日本での製品化を後押ししてくれた欧米が、日本を見捨てて独自の商品化や他のアジアの国での商品化を推し進める様になった時、日本はなすすべもなくただ今ある市場や製品の改善をがむしゃらに進める事しかできなくなった。

しかし、すでに在る限られた国内市場だけで生き延びようとしても、国内での競争が激しさを増すだけで、本質的な成長にはつながらない。そんなことは分かっているはずなのに、誰もそこから抜け出そうとはしていない。

今は『カイゼン』をするだけではダメで、新しい日本発のビジネスのアイデアを考え出さなくてはいけない時代になったのだ。そうなったにもかかわらず、日本は一向にそれをしようとはしていない。

日本にものづくりで勝てないと悟った欧米は、単なるものづくりから脱却してSaaSなどのネットワークとソフトウェアによる市場価値を独占していった。20年前、世界の企業価値上位50社の32社を独占していた日本企業は、今ではTOYOTAがかろうじてその中に入っているだけだそうだ。

日本はもう一度どうやって世界に羽ばたくか考えなくてはいけないのだ。新しい価値の創造。それは、日本のもの造り文化を生かしながらその先を目指すやり方でないといけないはずだ。

そうしなければ日本の将来はない!その瀬戸際のはずなのに、まったくそういう感じがしないのが日本の最大の問題点なのだろう。

井の中の蛙、木を見て森を見ず、茹でガエルを待つ


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