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本当の学校が必要だ!

僕は会社をやっているのだけれど、何でやっているかというと、世の中に自分の考える『より良い製品・考え方』を広めたいと思っているから。お金だけが目的ならもうちょっと違う方法でやるべきだけど、これだけはどうしても譲れない。本当に不器用だなーと思うが、仕方ない。

僕は大学を出ているけど、大学院には行っていない。どうも大学が好きになれず、勉強の仕方が判らなかったから。研究は好きだと思うんだけど、勉強のための勉強が大の苦手で、第2外国語とか一般教養とかが全くダメだった。

それに比べるとソニーは僕の学校だったと思っている。世界でビジネスをする方法を教えてくれた。何より世界の最先端でビジネスやっている人が身近にいたという事が本当に素晴らしい学校だったと思っている。世界を変える様な開発をしている人もたくさんいたし、世界を相手にマーケッティングや営業などをしている人もいた。デザインで頑張っている人もいたし法務で頑張っている人もいた。今思えば本当にすごい所だったと思う。

そういうのが本当の学校だよね。研究のための研究ではなくて、世界を変える、お金を稼ぐ、新しい製品を開発するために頑張る所。自分も社会も成長することを目指すための学校。

それは、明治維新の時に活躍した多くの人たちを輩出した吉田松陰の松下村塾に近いのだと思う。今見るとみすぼらしい建物から日本を変える人たちを多数輩出した松下村塾。そういう学校が今の日本に、そして世界に求められているのだと思う。僕にとってのソニーはそういう所だった。

僕は高等教育機関が大学しかないという事に非常に違和感を感じている。特に日本では大学は勉強と研究をするところで、ビジネスとはあまり縁を感じない。学府ではなくてビジネス府が有っても良いと思う。それが無いのが不思議だ。ソニーは唯一それに近かった。

日本はかろうじて世界的な技術レベルを保っていると思うけど、あと10年したらもうそれも無くなってしまう。失敗することを恐れ、成長を目指さない国に未来はない。ノーベル賞を受賞する人もこれから減っていくだろう。

日本のビジネスはどんどん本質的に重要なものごとから離れて行き、枝葉末節なマーケッティングばかりに気をとられて、悪い方向に向かっていってしまっている。ビジネスが成長しなければ、学校も社会も人間のレベルもどんどん下がる一方だ。あと10年で日本は世界から相手にされない国になってしまう。もうその第一歩を歩み始めてしまっているのに、心配しない人が多すぎる。

新しいことにチャレンジしようっていう意欲を持つことが一番大事だよね。組織のしがらみに取り込まれてやるべきことをするだけではなくて、自分が考える将来に有望な事に取り組んでいくことが重要だ。それがあれば道はだんだんに開けていくと思うんだけど、あまりその意欲を世間から感じることが少ない。

何でそうなっていくのかと考えると、日本では形式的に評論家体質になってしまう事が多いからだと思う。何か上手くいったことであれ、上手くいかなかったことであれ、それを後から評論して解説する人がすごく多くて、重宝がられる。それも失敗を避けるための手法なのだろうけど、そういう人とチャレンジし続ける人は本質的に異なるタイプの人なのだ。

外国人の人と話をしていつも感じるのは、『この人は自分株式会社の社長なんだな』ってこと。日本人もそういう人になっていかにといけないのだ。



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