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愛の分散は人を強くし集中は弱くする

米津玄師のニューシングルみたいなタイトルですけども、これこそ、2023年の学び栄えある第1位なわけです。

これまた、大恋愛を経てレボリューション的に体得した訳ではなく、今春、球団マスコットから沼った野球で見つけた推し(人間♂)と、御年3歳を迎えたお馴染みの推し(亀♀)が教えてくれたのだから、健全さホワイト企業なのよね。

飼い主、中日ドラゴンズの球団マスコット ドアラ先生(歴年の功績が大きすぎて皆、先生と呼ぶ)の沼に落ちた。

コミカルな動き、脱力感MAXな今日のひとこと、愛くるしい選手との絡み。飼い主の母性が行き場を失い、暴走している。キャントストップ マイボセイ。

生ドアラ(半生もウェルダンもないが)を見たら、余計に愛着が湧いて、気付けば、球場でもショップでも、カプセルトイでも、この世に蔓延るドアラを回収する事が生きがいになった。

それはそうと今時の各球団、みなYouTubeを駆使して、練習の裏側や選手の様子を発信することで、ファンは、ファンサービスの良い選手やお人柄が素晴らしい選手を見つけては悦に浸るのだが、飼い主もこの包囲網から逃れることが出来ず、1人、推しを見つけてしまったのだ。

人間の推し、ミツケタ

その方は、想像に易いオラオラ体育会系(絶滅種?)感が全くなく、見るからに穏やかで、監督室に呼ばれた後輩のネクタイを結んであげるくらい優しい。

その優しさが投球をも易しくしてしまったのか、即戦力と目されて入団したのに、一軍で思うように結果が出ず、4年目の今年で最後(戦力外通告)じゃないかとまで言われていた。

それでもひたむきに灼熱のナゴヤ球場で、毎回100球を投げ込んでいる姿…は生でもウェルダンでも拝見できなかったが、速報アプリで生存確認は怠らなかった。毎週火曜は「今日も頑張ってくれよ」と南西の空を見上げた。

6月下旬、急なニュースが飛び込んできた。「推し1軍昇格」

キターーーーーーーーーーー!!!!

仕事帰りのセブンイレブンで歓喜に湧き、ちょっと泣いてから、友人に連絡を入れた。

頭の中で、エレクトロパレード流れる。てんてれてんてんてれれんれん…てれt…

だって、二軍に居てはテレビに映ることがなく、待てど暮らせど、推しは見れない。やっと推しを画面越しで見る権利を与えられた。

そのニュースを見てから、毎日がほんのちょっとだけ軽やかになったが、嫌な仕事も頑張れる…ということはなく、周りに優しくなれる…ということもなかった。すまん、諸君よ、ワレ、聖人君主ではない。

とはいえ、テレビで推しを見るために爆速で仕事を終わらせ、ダラつく部下を煽り散らかし、令和の世には珍しく、テレビを見るために早く帰る。社会人歴 十ウン年とは思えないが、テレビが見たいのだ。テレビが。てr…

推しにも、良いときと悪いときがある。ビタビタにキワキワの決め球を放ることもあれば、相手打線に5点も献上して覚醒工場と化すこともある。

そのたびに、一喜一憂するのだ。5点献上した翌日は、車を運転しながら、やり場のない気持ちに涙が出た。その2日後、痺れる場面を0点で抑えた時は、洗濯機の後ろからテレビまでの5メートルを、昇竜拳しながら駆け抜けた。

最近思うのだ、推しに操られてはいないかと。飼い主は、愛情を分散させることが出来ないのかと。

いつの間にか、ドアラ先生より、観戦の楽しみより、チームの勝利より、推しだけの活躍に一喜一憂しすぎてはいないかと。

こうやって嫌になったことがたくさんあったように感じる。いつだって、自分を狭めて、苦しめるのは自分だ。

仮に、推しが球団を辞めることになっても、新加入の独立リーグを調べ上げて、観に行けば良いのだ。「応援してまぁぁぁーーーーすぅぅぅ」って、今度こそバックネットによじ登って、声援を送ってやるからな。

好きなものはたくさん用意しておいた方が良い。

というところまで書いて、下書きを眠らせていたら、推しは二軍降格となりました。

またテレビで見れない日々が始まりました。現在、推しは所在不明です。辛すぎてカレーしか喉を通りません。

居場所だけでも教えてくれ、推しよ、、

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