平安京を代表する建造物「羅城門」と、その存在感から生まれた文学、映画、能作品「羅生門」。羅城門と羅生門はいずれも、歴史に名を連ねた名作として長く語り継がれている。

画像1 羅城門は、平安京の真ん中を走る主要な通り、朱雀大路の南端に位置する壮大な門だった。この門は平安京の正門、都の表玄関として建てられた。
画像2 朱雀大路の最南端にある羅城門は、平安京で重要な位置を占めていた。この門は東西に延びる九条大路(現在の九条通)という境界を持ち、都の内外を明確に区別していた。当時の住民たちは、羅城門を越えれば、まるで異境に足を踏み入れたような感覚に陥ったと伝えられている。
画像3 門の幅は約35m、奥行き約9m、高さ約21m。木部は朱塗りで、壁は白土塗り。重層の入母屋造で瓦屋根に鴟尾がのっていた。楼上には、王城鎮護の象徴として兜跋毘沙門天像が安置されていたという。
画像4 能「羅生門」 は、観世小次郎信光の作。羅生門に巣くう鬼と戦った渡辺綱の武勇伝を謡曲化した作品。五番目物の鬼退治を描いた名作。
画像5 映画「羅生門」は芥川龍之介の名作短編の「藪の中」と「羅生門」を融合させて作った1950年の名作。イタリアのヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞や、アメリカのアカデミー特別賞など、海外の映画賞を受賞した。
画像6 芥川龍之介の「羅生門」は大正6年、「鼻」「芋粥」の短編とともに阿蘭陀書房から第1短編集『羅生門』として出版。この作品は「今昔物語」を基に創作している。

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