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ワークライフバランスとヒュッゲに興味津々な話

息子の発達障害の対応に本格的に取り組み始めたのは、つい最近のことです。

「大人になれば発達障害グレーなんて落ち着くでしょ」と気楽に捉えていたけれども、小学校に上がってからはそうはいかなくなりました。

体育の授業でみんなが整列している中、突然一人だけ全力ダッシュで「うんてい」に向かい、やり始めたものの、落下、結果骨折、なんて事件を起こすようになって、集団行動するうえで最低限の安全を確保できるようにサポートしていかないといけないと本気で取り組み始めました。

それまでは、私もバリキャリの端くれとしてお仕事大好きで、寝ても覚めても仕事のことばかりでしたので、発達障害の対応は休日が中心でした。

が、発達障害について調べるにつれて『今』、しっかりと時間をとって息子の発達障害の対応する必要があると考えが変わっていきました。

発達障害の診断ではWISCなどの知能テストが有名ですが、2018年に福井大学が発表したAIを活用した研究結果によると、ADHD児童の子供の脳の構造・面積に、ある特徴が現れることが80%という高い精度でMRIをつかって発見できるという研究結果が発表されています。

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脳の構造に起因したものであるならば、杉山登志郎先生の「発達障害の子どもたち」でも記載されている通りに、10歳まで機能している脳の代償性に着目してトレーニングをしていくことが有効である可能性が高いのではないのかなと思いました。

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脳の代償性とは、脳の特定の部位の失われた機能を別の部位が補う現象です。脳の神経回路はだいたい10歳以降は使われてない経路は消滅するのですが、それまでは脳の一部が事故などで欠損したとしても高い代償性を発揮して、元の機能を補う機能を有しています。

本書の中で軽度学習障害のある子供が小学校中学年に適切な学習サポートが受けられると、その後普通の子供と変わらない知能を発揮できるケースが多いことが紹介されていました。

これらを読んで、「あ、もう『今』息子の発達障害のことやらないとダメだ」と完全にスイッチが切り替わりました。

自分がリーダーを担当しているプロジェクトの終了が見えてきたタイミングで、上司に息子の発達障害の症状や、それに有効なトレーニングがあること、そのためには毎日それなりの時間が必要なことを説明しました。

そして、プロジェクト終了と共にこれまで出社前に早朝に仕事をして、子供の世話をして出社、夜は20時まで残業していたのをやめて、毎日17時半には退社させてもらうように働き方を変えました。

キャリアには多少は未練はありましたが、先日息子と遊びに行った船橋アンデルセン公園の売店でたまたま見つけたデンマークの伝統的な方「ヒュッゲ 」についての本を読んで、もっと息子との時間を大事にした生活に変えたいと強く思うようになりました。

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「ヒュッゲ 」とは「人と人とのつながりが生み出す、ホッとする温かい雰囲気」といった意味です。デンマークは国連の世界幸福度調査で何度も1位をとっている国です。本書の中では生活が困窮しない経済条件が整うとそれ以降の給与の増加は、幸福度の大きな増加には繋がらないことも調査結果として紹介されていました。

私自身もある一定の収入を超えたあたりから、出世すればする程、家族との時間が少なくなっている上司たちをみて、自分がそうなりたいとは思えなくなってキャリアに迷いも生じてたので、この本を見たときに「次にわたしがやりたいライフスタイルはこれだ!」とものすごくしっくりきました。

息子のことはシングルマザーかつ発達障害で実家も遠方なので、大変じゃないかと言われればすごく大変ですが、それよりも、というよりもそのおかげで一緒にいれる時間が増やせたことが本当に幸せに感じます。

今まで遅くまで仕事をしてきて、お留守番している息子に迎えられていた私ですが、今は息子より早く帰ってきて「お帰り!」と息子を迎えてあげることができ、それに対して息子が「最高だね!」と言った瞬間が最高にヒュッゲだなと思いました。

私自身も多少発達障害の気があるなかで、根性と上昇志向だけでなんとかやってきましたが、これからはもう頑張ることは卒業して、いかに毎日を「ヒュッゲ 」にするかを大切に過ごしていきたいと思っています。

「ヒュッゲ 」自体も興味深いのですが、国ごとに大切にしている文化に応じて、存在している言葉が異なり、デンマークの様に日常を大切にすることを重視する国はそれを表現する言葉の種類が豊富であることがとても興味深かったです。

日本は世界で一番便利な国の一つではあると思いますが、日常の豊かさを表現する単語ってパッと浮かばないなと思ったので、海外のいいところはぜひ取り入れて、何でもない日常を一番ホッとする素敵なものにしていきたいと思いました。

この「ヒュッゲ 」の考え方がGoogleが高いパフォーマンスを出すチームの必須条件として、調査結果を発表していた「心理的安全性」にも通じるものがあるなぁと、私は興味深々なのですが、長くなりすぎましたので、また別の機会に想いを綴ろうとおもいます。