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FRUITPUNCH AUDIO MIDNIGHT;KI・ZU・NA〜世界は無駄な5分間でもっとよくなる〜


 おばんでございます。おしめりがちな週末、いかがお過ごしですか?カクテルです。今週はポッドキャストFRUITPUNCH AUDIO MIDNIGHTの更新はございませんが、ぜひ雨のお供にバックナンバーをお聴きください。↑

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 ずいぶん前のお話なんですが、仕事に飽きた自由業のわたくしは、フラッと散歩に出かけました。
ワンブロック離れた定食屋の脇を通りかかると、看板の陰に隠れるようにして2人の少年がヒソヒソと話しています。5、6年生って感じでしょうか、ガタイの良い子が暗い表情をしたメガネ君の肩を抱くようにして、何事か言い含めています。


すわ!これはカツアゲ、脅しのパターンか?!
そう感じたわたくしはさりげなく、ゆっくりと近寄って2人の会話に耳をそば立てましたーー。
「…だから大丈夫だって」
ーーなるほど、何が大丈夫なんだかわかりませんが、これはカツアゲの常套句でもありますね。
「俺がその時は言うから」
ーーうん??
「だから、あんな奴らの言う事なんか気にしたらダメだって」
ーーそう言ってメガネ君の肩をさするガタイの良い子の姿を見て、わたくしトシのせいでしょうかウッと込み上げるものがありました。どうやら意地の悪い子たちにからかわれてメゲていたメガネくんを元気づけているようなのです。
2人がなんだか『スタンド・バイ・ミー』のリバー・フェニックスと主人公に見えて来ます。


で、ここからが恥ずかしながらわたくしの小市民たるゆえんなのですが、(ううっ、この尊い子らにアイスクリームか何かを!)なんて事をやめときゃいいのに考えたのですね。
疑ったおじさんが悪かった、そして残念ながら短パン姿、無一文でフラフラ出歩いたおじさんが悪かった、そう思いながら家に財布を取りに帰りました。

世知辛い世の中で、善き行いに対しては当然のギフトを送るのだーー小市民ゆえドキドキしながらコンビニで白くまアイスを2つ買い、5分後、定食屋に着きましたが2人の姿はどこにもありません。完全に無駄な、中年男の5分間でした。
わたくしは何事もなかったような顔を作って帰り道にぼんやりと、そういえば子供の頃にいきなり何かくれたヘンなおじさんやらおばさんがいたな~、完全にこっち側へ来てしまったな~、と。そして感情のままに動いた自分が怖い!この時代に子供2人とどうコミュニケーション取るつもりだったんだ、このお調子者が!などとグルグルと脳内を働かせておりました。


2個の白くまを自宅の冷凍庫に入れながら、ああ不審者の声かけ案件にならなくてよかったと思いつつも、あ、しかし人生の中でのこういう無駄な5分間こそが世界にはもっと必要、みたいな切り口で何かその手の作り話でも書き足して本にしたらカネが儲かんないかなー、タイトルには『絆』も入れとこうかな、なんて不埒な事を考えるのでした。

えー、ちょっとイイお話になったのかならなかったのか、それともギリ不審者のお話になったのか?かしこい名作映画のように、皆様のご判断にお任せしたいと思います。で、今日は皆様のお好きなうんこが出て来るお話を含めた回を紹介したいと思います。#003、上のリンクからお聴きくださいませーー

ポッドキャストFRUITPUNCH AUDIOMIDNIGHT、
今夜も最後まで、どうぞよろしくお願い致します。■


とにかくやらないので、何でもいいから雑多に積んで行こうじゃないかと決めました。天赦日に。