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鑑賞するだけのレシピ本

そう。レシピ本が好きなんです。

料理もするけど、それとは別でレシピ本が好きなんです。

 香りも温度も感じるような美しい写真のレシピ本が好きすぎる。
時間をかけて、特別にあなたのために作りました。みたいな料理の写真なんて特に大好き。

美しいそれをつくってみたい、と思うけれど、実際につくるのはごくわずか。
写真と同じような見た目にならないから。
光も背景もお皿も全てがこだわりの写真だからやっぱり素人じゃ、同じにはならない。
だから私が作った物は不正解。

写真だけではどんな味かも、わからないけど、きっと味を知ったら興味がなくなる事もあるかもしれない。
そうなるのが嫌で、写真集と同じような感覚でレシピ本を見る。

ふと思った。
これは『いいな』と思ってる男性がベッドの上ではどんな人なのかな、とムラムラしている時に似ている。
正解はいらない。
ただ目の前にいるその人が私の妄想を膨らませるそれがいいのだ。

『ええ?こんなに素敵なのにベッドの上ではこうなの?』とか何度かあった。
だからお酒を飲んで手をつないで、キスをして、それでもういい。
今日はありがとう、またね、って奥歯を噛み締めながら家路に着くのだ。
簡単に手に入れてはいけない。
我慢するよりセックスするほうがはるかに楽だし、答え合わせができる。
でもしない事にしている。
その方がずっと繋がっていられる。
身体の関係を持ったら終わりがくる。

そうか、わたしはただのムッツリスケベなんだな、と今更ながらに大好きな美しい料理の写真を見ながら自分の性癖を知ったのでした。


美しい料理の写真とムラムラしたまま仲良くしてくれる男性が好きです。

サポートしていただけるならおいしいコーヒー飲ませていただきます( ´艸`)