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ゲー選かけ流しvol.10 『百英雄伝』(中編)

ゲームの選評を気の向くままにチビチビとかけ流す、ぬるま湯スペース。
前編に引き続き『百英雄伝』。
前回はシナリオ・音楽・戦闘にフォーカスを当てて選評をまとめた。中編は本作最大の遊びどころである本拠地システムについて語っていく。


少しずつ着実に発展していく本拠地システム

前編でも触れたが『百英雄伝』は『幻想水滸伝』の精神的続編として製作されており、幻想水滸伝の特長の一つである本拠地システムについてもしっかりと踏襲されている。

本作ならではのシステムとしては、本拠地の各種施設を新設するには、施設の運営に対応する英雄に加え、素材が必要になるという点。
施設の発展(強化)に当たっても追加の素材が必要となるため、本作は『百英雄伝 Rising』に引き続き、ゴリゴリの素材ゲーである。

『幻想水滸伝』との違いは、スキルツリーのような
構成で本拠地を小出しに発展させていくところ。

集めるべき英雄達は特定の条件を満たすと仲間になってくれる。その条件はバリエーションに富んでいて、これまた幻想水滸伝を思わせるデキ。面倒くさい条件もあるけれど、精神的続編を遊んでいる!という実感も湧いてくるポイントで、本作最大の楽しみどころの一つ。

見どころ盛り沢山な各種施設とミニゲーム

前置きはここまでにして、本拠地の主な設備についてまとめていく。なお、設備に関連するミニゲームについても併せて記載する。

アイテム倉庫/素材倉庫

取得した各種アイテムと、探索中に収集した素材を保管する倉庫。本作はアイテムの所持数制限があるので、お世話になる機会が多いことだろう。

本拠地完成後すぐに開放でき、
最後までお世話になる倉庫。

派遣ギルド

本拠地で待機中の英雄達を様々な場所へ派遣し、各種素材を収集できる派遣ギルド。本作は素材ゲーとしてかなり重たいので、派遣ギルドで自動的に素材収集できるのはかなりオイシイ。優先的に発展させたい施設。

開放時期がやや遅いのがネック。
「?」の部分はレアアイテム。
ゲットするまで繰り返し派遣する事になる。

練兵場

戦争パートの演習ができる施設。本施設で練習しないと突破困難な戦争パートは無かったが、報酬はもらえるので、やり込みの一環としてチャレンジするのもアリ。

スタッドラーに話すと、
戦死した兵士達について語ってくれる。
(兵士は皆クラウドファンディングの支援者である)

占い部屋

まだ仲間になっていない英雄の居場所を占いによって特定してくれる最重要施設の一つ。(一部例外有り)
既に仲間になっている英雄については更なる情報を得る事もできる。お金はかかるが高額ではないので、積極的に利用する事になるだろう。

恐らく最も頻繁に訪れる事になるであろう占い部屋。
バババには本当にお世話になりました。

実績協会

ゲーム内の様々な記録を閲覧できる実績協会。追加の素材をつぎ込む事で特定のランキングを称える像を建造する事もできる。

プレイ記録を見てニヤニヤする場所。
仲間にした英雄の数だけは実用性のある情報かも。

ノアの部屋/工房

ノアの部屋と工房は共に、拡張する事で自室と本拠地をデコる事ができる。デコレーションアイテムはそれなりに貴重な素材を必要とするので、特にこだわりがない限り、後回しにした方が良い。

実用性は無いに等しいが、リーダーたるもの、
デコレーションを楽しむ心の余裕は
持っておきたいところ。

図書室

ゲーム内で入手する各種書物、モンスター一覧などの閲覧が可能な図書室。作品の世界観を底上げする情報を閲覧できるので、テキストを楽しむという意味では有意義。ゲームの攻略とは直結しないので、根を詰めて書物を探し求める必要はない。

世界中いたるところで入手できる古びた本を読むと、
意外な人物の過去を知る事ができるかも。

謎の場所

管理者である英雄ともども謎につつまれた空間。過去に戦ったザコキャラ・ボスキャラが強化された状態で再戦する事ができる。
非常に厳しいが、倒す事ができるとレベルを跳ね上げる事ができるため、施設が開放されたら積極的に利用するのも良い。報酬もそれなりにオイシイ。

謎の女性セルビネット。
敵がとにかく強烈なので、実質エンドコンテンツ。

温泉

温泉に入る事でリフレッシュし、戦闘で追加効果を発動できる。特定の組み合わせで特殊な会話が発生する事もあるので、キャラクター同士の掛け合いが好きなプレイヤーは楽しめる施設。

温泉イベントを見ていると『幻想水滸伝』を
思い出さずにはいられない。ほっこり。

レース厩舎

エッグフットレースを楽しむことができる施設。

<エッグフットレース>
エッグフットレースへの出場、エッグフットの育成、交配を繰り返して頂点を目指す。タマゴは戦闘でのドロップでも手に入るが、購入もできるのでご利用は計画的に。

レース中は実況もあるので、思ったより退屈さはない。

レースにハマっていると英雄集めがはかどらないので、あくまでも息抜きとして遊ぶ事を推奨。

劇場

様々な脚本の物語に英雄達を配役し、鑑賞する事ができる劇場。
高評価を得る事で報酬がもらえるため、そちらを狙って配役するのもいいけれど、選んだ全ての英雄と配役にボイス付きのセリフが設けられており、セリフの組み合わせの数は莫大。一番力が入っているミニゲームの一つ。

前作『百英雄伝 Rising』の寸劇を楽しむこともできる。
肝心の主人公3人組が本人の役を演じてるのに
今一つしっくりこないのは何故だ。何故なんだ。

鍛冶屋/交易所/道具屋

各地の町でも利用できる各種設備。発展させれば本拠地だけで買い物が事足りるようになる(掘り出しものは除く)。

発展させるごとに本拠地が便利になっていくのを
実感できる施設。

釣り場

釣りのミニゲームを本拠地で手軽に遊べる場所。発展させると各地の魚を釣る事ができるようになる。

<釣り>
ワンボタンで決着するシンプルなミニゲーム。魚が食いついたタイミングで素早くボタンを押すだけ。他のゲームなどで良くある目押しや連打、レバー操作等は一切なし。反射神経優先。

ノア、世界を釣る!

カード屋

英雄達とカードバトルを楽しむことができるカード屋。

<カードゲーム>
3つの陣地にカードを3枚ずつ置き、カードに書かれた数字の合計で争うゲーム。基本的に数字が大きいカードで固めるのが基本だが、同じ数字や連番などでボーナスを上乗せする事ができる。

カードを購入する事で、英雄が描かれたレアカードを引く事があり、こちらは特殊な効果を持っている。レアリティが高いほど追加効果が強烈なので、基本的にはカードを買い漁ってレアカードをまとめたデッキを組んでから英雄達に戦いを挑むのが良い。

場に設定されている王冠の数で勝敗が決まるので、
王冠3つの陣地では必ず勝利をもぎ取りたいところ。

鑑定屋/魔導レンズ研究室/防具屋/アクセサリー屋/カバン屋

冒険に役立つ各種施設は対応する英雄と素材によって開放できる。追加素材で発展させれば他の町で買い物する必要がないくらいに品ぞろえが豊富に。
カバン屋はアイテムの所持上限を拡張してくれる。できれば優先して開放させたい。

カバン屋といいつつ、カバンを購入する機会はない。

ヒーローズデン

他の町と同様、宿屋として体力回復・編成・セーブができる。演奏場とレストランが併設されており、雰囲気は良い。何故かここにはメンヒルがなく、移動に一手間かかるのが難点。

『幻想水滸伝』でいうジーンのような
ミステリアスな雰囲気を漂わせるカサンドラが店主。

演奏場

いわゆるサウンドテスト。前編でも少し触れたが、名曲揃いなのでしばし耳を傾けるのも良いだろう。

名曲をいつでも!いつまでも!

レストラン

体力回復に加え、様々な追加効果をもたらす事ができる料理を作ってもらえるスペース。レシピを集めればレパートリーが増える上、後述する料理対決に有効。

必要となる素材との兼ね合いで、
レシピを使いこなすのは中々に難しい。

<料理対決>
『幻想水滸伝II』ではミニゲームの目玉として大いに盛り上がった料理対決は本作でも登場。闇竜料理会にまつわる”料理漫画あるある”なストーリー仕立てで、本編とはまた違ったアツい展開を見せている。(ただし、長い…)

審査員は好き嫌いが激しく、全体的に辛口審査(※バグも影響しているようだ…)。基本的には審査員のうち誰か一人の好きな料理を提供するか、好き嫌いが少ないメニューを選択すればある程度安定して勝てるようになる。筆者はデザートにココナッツジュースをおススメしたい。

料理中の演出も『幻想水滸伝』を踏襲。
ボタン連打で料理の完成度を高められる。
全然役に立ってないノアのポンコツぶりが微笑ましい。

採掘場/牧場/農場/猟師小屋/木こり小屋

各種素材を採集できる施設。これら施設で取得できる素材は数を必要とするものが多いので、できるなら早いタイミングで開放し、素材の備蓄を増やしておきたいところ。

レアな素材ではないものの、数が必要な素材を
採集できるので、早いうちから発展させておきたい。

ベーゴマ研究所

英雄を仲間にする事でベーゴマバトルを遊ぶ事ができる。ただし、基本的には世界各地にいるベーゴマ使い達とバトルを繰り広げる事になる。料理対決と同じくストーリー仕立て。

ここに3つのベーゴマがあるじゃろ?
ベーゴマの真理を追究するあまり、
やがてウソみたいな場所に
研究所を作ってしまうイカれたDr.コキト。

<ベーゴマバトル>
世界各地で入手したベーゴマを使用してバトルを繰り広げるミニゲーム。
主にモンスタードロップで入手したベーゴマを使用してライバルを倒していく流れ。

テクニックは同じレアリティではとても重要。
最低限度の連打力が必要になるところだけ注意。

ベーゴマの回転の強さを決める目押しや、連打バトルで大きく相手のベーゴマの耐久力を減らす、などのテクニックはあれど、原則的にベーゴマのレアリティがモノを言うシビアな世界。本格的にベーゴマバトルのストーリーを進められるのは、モンスターからレアなベーゴマを入手できるストーリー終盤近くになってから。

いちいち暑苦しい掛け合いがあるベーゴマバトル。
ベーゴマの時だけノリとテンションがおかしいノア。

その他

幻想水滸伝でもあったテレポート機能は本作も健在。テレポート能力を持つ英雄を味方にすれば利用可能になる。

本拠地が大きくなると、拠点内の移動も一苦労。この問題を緩和するために設置されるのがメンヒル。拠点内をテレポートする事で目的の場所へ速やかに移動できるようになる。

なお、本拠地以外で遊べるミニゲームとしてはシャークシップレースがある。

<シャークシップレース>
砂上船シャークシップに乗れる場所で遊べるシャークシップレース。
よくあるミニゲーム型のレースゲームだが、「マリオカート」などのようにライバル機と同時に走るのではなく、タイムアタック形式。自分の走りにのみ集中すればOK。

いわゆるショートカットのような裏ワザは無さそう。
ソウルを集めてダッシュを決める、
ゲートは逃さず通過する、といった王道の攻略が必要。

コース上のソウルを集めてダッシュでタイムを縮め、ゲートをくぐってゴールを目指すシンプルな構成。ハンドル操作にバグがあるようで、ハンドルが正しく利かない問題があるため、ムダに難しくなっているのがネック。やり込むにしても程々が良い。

バグの関係もあってお世辞にも操作性が良くないが、
ストーリー進行においてはそれほど
シビアな目標設定ではないのが救い。

おわりに

本拠地とミニゲームを一通り説明するだけでこれだけの大ボリュームである。筆者自身選評をまとめる事で改めて、本作のスケールの大きさを再認識できた。
ミニゲームの完成度はバラツキが大きいものの、ゲームを脇から盛り上げる要素としては決して悪くはないと思う。筆者は大きく発展した本拠地を歩き回るだけで大いに心が満たされた。拠点ゲーにハズレなし、である。


中編の選評は以上。
後編はゲーム全体としての評価、バグとバグの改修状況を踏まえた本作の功罪についてもしっかりとまとめておきたい。

次回もよろしくお願いします。


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