明治神宮野球場ダイナミックプライシングビジター

コブ山田です。

ようこそいらっしゃいました。

今回は、大きな価格差について、記します。

プロ野球が開幕した2024年04月、私は東京都江東区にある商業施設千客万来に行ってきました。

大きな理由は、このニュースが気になっていたからです。

『豊洲・千客万来、7千円の海鮮丼が外国人に売れまくり…日本人は低価格店に列』

実際に見てみるとこのようなものばかりではなく、2,000円程度のメニューもありました。
ただ、確かに1品で10,000円を超える価格の海鮮丼もあり、私の感覚においても割安感はなく、簡単に食べるという決断はできません。前述の2,000円か、出せても3,000円台。そもそも海鮮丼を食べないという選択だってできます。

ただ、この価格にも払うだけの価値はあると感じて払う方々が存在し、商売が成立しています。実際に店内で食事をしている方々がいらっしゃいました。

私は、基本的には賛成の立場です。
似たような光景を02ヶ月前に見ていました。しかも、その価格を受け入れて買うという決断をしています。
払うという意思を示している人が払い、それで満足するのであればいい。

2024年02月24日(土)11:00の少し前、私はチケットぴあのWEBサイトを見て固まりました。
プロ野球セ・リーグ、東京ヤクルト主催中日戦のチケット価格にはダイナミックプライシング価格が適用され、大きく値上げされていたからです。

確かに、開幕戦という人気カードではあります。満員大入り濃厚の試合なので、少しでも利益率を上げたいのは当然です。
と言っても、倍以上の値上がりになっていたのです。

私はビジター外野Aが買えなければCを買うという単純なマイルールに則り、発売開始と同時にアクセスし、タイムアウトと戦いながらタップし続け、ビジター外野Cを確保。Aは接続できた瞬間から×の予定枚数終了でどうにもなりませんでした。
開幕戦の03月29日(金)の試合を観に行くことができました。が、他の試合はそこまで払ってまで観に行きたいとは思わなかったので、買ったのはその試合だけでした。

私が買ったビジター外野Cですが、発売当時のチケット代金は6,300円でした。通常であれば2,000円前後です。
確かに人気ではあるも少々の値上げで済むと思っていたら、少々では済まないレベルでした。

さて、ではこの大幅値上げですが具体的にどのようなものだったのでしょうか。
開幕カードすべて、比較しやすいように外野A席の価格を03月26日(火)時点で記録していたので載せます。
ホームがライト側東京ヤクルト、ビジターがレフト側中日です。

03月29日(金)
ホーム 8,500円
ビジター 8,900円

03月30日(土)
ホーム 5,700円
ビジター 9,200円

03月31日(日)
ホーム 4,800円
ビジター 10,400円

東京都にファンが多い東京ヤクルトは待ちに待った開幕戦をピークに徐々に下げ、一方で東海地方から土日観に来る層もあるという感じか中日は徐々に値上がりです。その徐々に値上がりの中日ですが、結果的にチケット価格のケタが増えてしまいました。
ポストシーズンでもなく、一般プレイガイドという公式チャネルから買うのに外野席の定価が10,000円越えです。
加えて、高額な中日側の席は売り切れが多く見られました。

当然ながら、この強気価格は大きな波紋を生みました。コメントを読む限り、喜怒哀楽の怒と哀が多く出ているように感じました。
高額すぎる!というものです。私もそう感じました。
また、座席の割り当てもレフトスタンドのうちの1/3程度がビジター外野A/B/Cとして売られており、外野席全体だとホーム:ビジター比が4:1ほどです。中日ファンに席よこせ、値段下げろ、といった具合です。

価格そのものには賛成できなかったため買いませんでしたし、正直もう少しビジター外野席広げてほしかったとは思いましたが、一方で価格を大きく上げる行為には賛成しました。
複数の理由があります。

買う意思を示しているなら変に値下げする必要はなく、東京ヤクルト球団の利益にしておけばいい

この言葉の通りです。
何と言っても、中日ファン側には別の選択肢があるのに、それでも買う意思を示しています。そうであれば、納得して払ってくれるのである以上は値下げをする必要性は薄いと考えます。

関東圏在住や、もしくは関東圏にやってくる中日ファンの人にとって、明治神宮野球場でないといけない理由はあまり多くありません。東京ヤクルトの選手をどうしても見たい、が大きな理由ならわかります。ただ、東京の都会のど真ん中の開放感のシチュエーションはいいですが、東京で観たかったら東京ドーム、開放的な感じがよければ横浜スタジアムという別の選択肢を選ぶことができます。代替可能な手段があります。
それに、プロ野球観戦は趣味にすぎません。チケットを買わなかったら何かの罰があるわけでもありません。買わない、も立派な選択肢になっています。

それでも、買って試合を観たい。応援したい。売り手と買い手の意思が合致しているのでそれでOKです。

こうして東京ヤクルト球団の利益率が高まると、選手に払える年俸の原資になります。選手のモチベーションも上がり、FAで移籍したくなくなる、逆にFAで移籍を希望する選手が出てくることにつながります。

また、東京ヤクルトスワローズも本拠地球場の移転がある予定です。その一端のためというのであれば、私は納得度が高まります。
私たちにもその利益が還元されます(それまで私も東京都内で生活できていればいいですが)。

もうひとつ大きな理由があります。それは、

警備費用に充当していただけるなら、それを希望する

です。

巨人主催試合の07回裏開始前のような対戦相手への暴言は明治神宮野球場では少ないも、負け試合後に怒りの感情で叫ぶ人が存在していることがあります。
罵声だけでなく小競り合いなど、身の危険が脅かされる可能性が相対的に高い以上、警備員を増員し抑止力を強めるというのは有意義だと私は考えます。
安全に、楽しく試合を観て応援したいのです。

また、この高額なチケット価格はスクリーニング効果も生むこととなりました。
単にお酒飲んで騒ぎたいだけの人が10,000円も払うことは考えにくいです。それなりに中日ドラゴンズへの思い入れがないとこのチケットは買えません。結果的に少しですが、警備の効果を生んでいます。

なお、前述のビジター外野警備費用捻出のためのチケット代値上げは、個人的には他にも広く適用されてほしいと思っています。東京ヤクルトだけではなく、他の球場にも広まってほしいです。具体的な名前を出すと、特に読売巨人軍です。
また、ダイナミックプライシングではない固定価格でも、対戦相手によってビジター応援エリアのチケット価格も明確な差をつけるのもありです。警備需要が少なくなればチケット価格が下がるというものです。
残念ながら、それだと中日は高価格帯のチケット代金が適用されるように感じます。

他の球場の外野席だと横浜スタジアムの3,000円程度が最高額で、最安がMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島の2,100円。明治神宮野球場はレベルが違うと言える価格設定ですが、それもひとつの有効なやり方だと私は感じています。

最後に

比較しやすい他のものに対し、高価格が目立つもその価格に納得して買えているのであればいいという例で千客万来の食事メニューを記載しました。千客万来のお話では日本人は相対的に貧乏だ、という論調が目立ちますが、一方でプロ野球の方にはお金持ち・貧乏の切り口を適用して特定のチームのファン像を定義する意図はありません。東京ヤクルトファンと中日ファンで、経済事情が大きく違うということは考えにくいです。
単に東京都で週末に開催するプロ野球の試合においては、高額な料金でも払う意思を示せて、かつ明治神宮野球場に行ける中日ファンが販売席数に比べて少なくないと考えることができるというだけです。

プロ野球のチケットは内野席5,000円、外野席2,000円がひとつの目安でした。一部の球団はその目安から離れる価格設定をしようとしています。
こう見ると、球団ごとの考え方の違いが見えておもしろい。私はそう思います。

ありがとうございました。

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