絶望はスタートラインに最適
何か新しい物事を始めるときは、たいてい希望に満ちている。
そこには可能性があり、キラキラとした光がある。
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しかし、自分の本気度が高い場合、そこで抱く感情は、必ずしも「希望」だけではない。
プロがひしめき合う世界において、己の無力さを痛感する。それは、「絶望」と言ってもいいかもしれない。
「あんな場所まで、自分は行けるのだろうか」
山の頂きは、遠く霞んで見える。もはや、見えないこともある。情けない思いを抱えながら、時にはプレッシャーに押しつぶされそうになる。
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新しい楽器を始めた時。人生で初めて小説を書いてみた時。チャレンジしたかった仕事についた時。
嬉しくて、はじめは本当に、ワクワクする。
しかし、次第に、怖気づく。場合によっては、「自分には到底出来ない」と、やめてしまう人もいる。
その時、そのスタートラインは、最悪の状態だと言えるだろう。
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しかし、重要な事実がある。
もし最悪の状態なのだとしたら、今後は良くなっていくだけだ。
正しい努力を積めば、一日一日、人は確実に成長する。初めは最悪でも、徐々に良くなり、視界が開けてくる。
「初めの状態よりも良くなっていく」しかありえないのだ。
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そう考えると、絶望はスタートラインに最適だ。
「絶望している状態」は、希望に向けた明確なサインとなっている。
このことは、全ての挑戦者にエールを与える事実である。
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