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「キャリアコンサルタント×占い」の可能性:「見立て」に役立つ


☆~システマティック・アプローチ


キャリアコンサルティングの基本テクニックである「システマティック・アプローチ」は、国家試験の学科でも必ず出題されますし、実技では核となる重要なポイントです。

システマティック・アプローチは、以下のようなプロセスです。

  1. カウンセリングの開始 

  2. 問題の把握

  3. 目標の設定

  4. 方策の実行

  5. 結果の評価

  6. カウンセリングとケースの終了

これらの段階の中でも、「2.問題の把握」、特に「見立て」が難しいと感じる人が多いのではないでしょうか。

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☆~「主訴」と「見立て」


相談者の問題を把握するためには「①相談者の視点」と「②キャリアコンサルタント(キャリコン)の視点」が必要ですが、「②キャリコンの視点」の問題が「見立て」です。

「①相談者の視点」の問題は、「来談目的」「主訴」とも表現されますが、これは基本的に相談者自身が語っていることそのものなので、分かりやすいですね。

一方の見立ては、「相談者の本質的な問題点」としてキャリコンが判断しなければならないので、簡単ではないし、責任重大です。「仮説」ではあるものの、その後の展開に直結する非常に重要なキーポイントです。

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☆~お医者さんも「見立て」をしている


例として、身体に不調が出た時を考えてみましょう。

咳やくしゃみが出る。38度を超える熱も出たがすぐに下がった。ただの風邪だと思うけれど、念のため発熱外来へ行く……とします。
お医者さんに「ただの風邪だと思うのですが」と症状を説明すると、「今、コロナやインフルエンザが流行していますし、典型的な症状なのでその可能性は高いと思います」と言われ、検査をするとコロナと判明。薬を処方され、何日間か自宅療養するよう言われました。

この中で「ただの風邪だと思うのですが」と症状を説明した部分が「主訴」、「今、コロナやインフルエンザが流行していますし、典型的な症状なのでその可能性は高いと思います」という医師の診断が「見立て」です。
医師は、患者の症状と、病気についての知識、「流行している」という現状の理解などを踏まえて、総合的に判断しています。
そして、見立てがその後の展開(検査や投薬・治療)の根拠となっています。
見立てが誤っていると、最悪の場合、病気が悪化してしまうかもしれません。

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☆~判断の根拠となる「自己理解」


このように「見立て」はとても重要なので、試験でも、実際のキャリアコンサルティングでも、的確に判断しなければなりません。

キャリアコンサルティングの際の見立ては、主に「自己理解の不足」と「仕事理解の不足」に大別できます。
(「コミュニケーション不足」や「思い込み」が項目として挙げられる場合もありますが、それも突き詰めて考えれば自己理解・仕事理解の不足として分類することができます)

このコラムでも以前、「自己理解を深める」というテーマで書きましたが、自己理解のポイントは

  • 能力

  • 興味

  • 価値観

つまり、自分には何ができるか、何をやりたいか、どんな環境(職場・仕事)が合っているのか、です。

逆に言えば、自分にできないこと、やりたくないこと、向かない環境の仕事をしようとすることが「自己理解の不足」ということになります。

試験では、解答につながるカギが必ず問題文の中にあります。能力・興味・価値観にあてはまる文言を探しましょう。

実際のキャリアコンサルティングの場合は、答えは相談者本人の中にあります。なかなか開示されない場合もあるので、見立てを随時更新する必要があります。

さらに、見立てはあくまでも「仮説」なので、試験の場合は「~と思われます」というように断定的でない形で表現します。実際のキャリアコンサルティングの場でも、相談者本人の同意を得ながら先に進める必要があります。

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☆~占星術で「人それぞれ」の判断

一筋縄ではいかない「見立て」ですが、ここでも西洋占星術のスキルが助けになってくれます。

問題の把握の際に、筆者は相談者の太陽星座や月星座のキーワードを手掛かりに進めていますが、相談者自身の自己理解・自己受容を深めることや、思い込みの排除につながったことが何度もあります。

例えば、「なるべく自宅近くで働きたいが、職種を考えると都心で働くべきなのか」という相談者を担当したことがありました。
話を聞いていくと、通勤ラッシュが苦手とのことです。

東京都心勤務のための通勤ラッシュが好きという人はほとんどいないでしょうが、「苦手」の度合いは人によって異なります。

この相談者は月星座がうお座。非常に繊細な心の持ち主なので、通勤ラッシュに耐えられないのも当然かもしれません。

そこで筆者は、「通勤ラッシュは無理」という自己理解を尊重し、自宅近くで探すという方針に強く賛同しました。
試験の解答のように表現するなら、通勤ラッシュは慣れれば耐えられるという思い込みによる自己理解の不足と、志望職種の仕事は都心でなければ見つからないという思い込みによる仕事理解の不足、という感じでしょうか。

もちろん、通勤ラッシュに耐えて都心に通えば、職場の選択肢が飛躍的に増えるのは事実です。一般的には、都心で探すことを後押しすることの方が多いでしょう。

しかし、この面談を「自宅近くで探す」という方針で展開したところ、驚くことにその相談者は、徒歩でも通える距離で希望通りの職種の仕事を見つけ、見事内定を勝ち取ったのです。

これは、相談者本人も筆者もびっくりするほど順調に進んだ例ですが、自己理解と自己受容の大切さを強く感じさせてくれます。そして、この例を思い出すたびに「都心で仕事を探した方がいい」と言わなくて良かった、とホッと胸をなでおろすのでした。

バックナンバーもぜひご覧ください☆彡

筆者・‥…━━━━━━☆
サイトウユキコ
【PROFILE】
国家資格キャリアコンサルタント。元新聞記者・編集者。退職後にコーチング、キャリアコンサルティング、西洋占星術、アロマによる感情解放を学ぶ。 太陽双子、月水瓶、ASC射手、MC乙女、水のグランドトライン持ち。趣味はクラシック音楽鑑賞とドイツ語と旅行。ビールが大好き。

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一般社団法人 地域連携プラットフォーム事務局
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