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そのアンパン、凶暴につき

ちょっと前のこと。僕は娘とアンパンマンを見ていました。

オーストラリアのテレビでアンパンマンはやっていないので、YouTubeにあがっていた、数話まとめた動画をテレビに映して見ていました。久しぶりに見たアンパンマン。ちょっと気になったことが。

それは、「アンパンマンって、けっこう暴力に寛容な世界観だよね」ということ。

アンパンマン各話のオチって、アンパンマンの鉄拳制裁によってバイキンマンを退治するのがほとんど。バイキンマンがひどいことをしているのは確かとはいえ(これがけっこうヒドイことをする)、見ているうちにアンパンマンって暴力にたよりすぎなのでは?という思いが湧いてきました。

話し合うまえに、とりあえずアンパンチを食らわすのがアンパンマンのスタイル。というか、バイキンマンと話し合いで解決しようなんていうアイディアは、提示すらされない。しかも、アンパンマンのまわりのキャラクターたちは、アンパンマンの暴力行使をひたすら肯定。だって人助けですから、といった感じで。

人助けとはいえ、アンパンチをかますのは暴力なんだけどなあ。

昔アンパンマンを見ていたときは、全然気にならなかったんですけどね。モノの見えかたや捉えかたが、歳を重ねたことで変わったのかな。アンパンマンに対して、こんなにつよく疑問を抱く日がくるとはつゆにも思わなかったです。

あ、決してアンパンマンが嫌いなわけではないです。ただ、アンパンマンってこんなに暴力にたよっていたんだなあ、と考えさせられたというだけで。

実はアンパンマンを凶暴に描くことで、逆説的に暴力のむなしさを伝えようとしていたりして。そしたらアンパンマンってかなりディープなアニメだな。


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