【55】 「自分らしくない。次はこうしよう!」〜失敗を次に活かすためのセルフトーク〜

前回は上手くいった時に、その成功体験を自己イメージに取り込むためのセルフトークを紹介しました。

今回は、思い通りにいかなかったり、失敗したと思った時に自己イメージを下げず、むしろ失敗を次の挑戦に活かしていくためのセルフトークの方法を紹介します。


現状の外のゴールと失敗の関係

これまでにうまくいったやり方を繰り返していれば、失敗をすることはあまりありません。

その代わり、現状が変わることもありません。

反対に、抽象度の高い、現状の外のゴールを設定し、そのゴールを実現するために行動していると、色々と思い通りに行かない経験をします。

それは今までに経験のないことに取り組んでいる証拠であり、ひとつひとつの行動の結果がどうであれ、現状はゴールの方へ変化していきます。

とは言っても、思い通りの結果にならなかった時に、その経験を「失敗した」というネガティブな情動記憶として無意識に蓄積してしまうと、新しいことに挑戦することを回避するような無意識の行動と選択が生まれてしまいます。


ネガティブな自己イメージの作られ方

失敗を経験しただけでは、ネガティブな情動記憶は形成されません。

私たちのマインドは、ネガティブな感情を伴った経験を繰り返し思い返すことによって、ネガティブな情動記憶を形成します。

「なんで自分はできないんだろう」
「また失敗してしまった」
「いつも上手くいかないなぁ」

といったネガティブなセルフトークを繰り返し、うまくいかなかったときの状況とその時の感情を何度も再体験することによって、そのような自己イメージがリアルになっていきます。

セルフトークが、アファメーションとして機能し、その通りになってしまうということです。


ポジティブな自己イメージの作り方

そのような状況を避け、どんどん新しいことに取り組んでいけるマインドをつくるためにはどうすればよいのでしょうか?

そのためには、失敗やうまくいかないことがあったときは、「自分らしくない。次はこうしよう」というセルフトークをしてください。

失敗の内容や原因を確認したうえで、「これは自分らしくない」とセルフトークをし、ゴール側のポジティブな自己イメージの臨場感を上げます

その上で、「次はこうする (The next time, I intend to )」というあるべきイメージを刷り込むようにしましょう。

もちろん、失敗を見て見ぬ振りをしていては改善しませんが、その失敗の原因は一度確認して理解すれば十分です。
その上で、「次はどうしたいか」という理想の状態をしっかり映像化し体感することが重要です。

この方法は、「また失敗してしまった」といったネガティブなセルフトークをしてしまったときにも有効です。

自分や他人を卑下するような内容を言っていることに気づいたときは、「これは自分らしくない」といい、肯定的なセルフトークに置き換えていきましょう。

ワーク
思い通りのパフォーマンスや結果が得られなかったときに、「自分らしくない。次は〜〜する」と心の中で言ってみてください。