ジャーナルをつけること
ジャーナルをつけること
書くこと、それも手書きで紙に書くことは、心身に大きな変化を生み出します。
ノートに日々の思考や感情を書き出すだけでも、ストレスが低減されたり、思考が整理されるといった効果があることが科学的にも明らかになってきています。
書くことにおいて特に面白いのは、書き出していく過程で芋づる式に自分が意識していなかった考えや気持ちが浮かび上がってくることでしょう。
自分が知らなかった自分を認識すること。それが本質的な変化につながります。
さて、コーチングではゴールを設定し、ブリーフシステム(=自我、内部表現。信念や常識、自己イメージからなる構造)を変えることで、ゴールを自然に実現できるようにしていきます。
ここで意外と見落とされがちなのは、ブリーフシステム変えるためには、まず現状のブリーフシステムを把握する必要があるということです。
たとえば、自分の癖(日常の動作でも、スポーツなどでも)を修正するには、まず、いまの自分がどのような癖を持っているのかを認識する必要があります。
現状の癖を把握することなく、自分の動きを変えようとすれば、それは癖を修正するどころか、新たな癖を生み出すことになるでしょう。いわば、癖で癖を上塗りするようなことです。しかし、その行為はまた別の癖をつくる必要を生み出します。
そうではなく、まず今の状態を把握することが大事になります。いまの自分の癖を認識すること。そこがスタートラインになります。
ここで面白いことが起きます。
癖を認識した時点で変化が起こるのです。一度認識できると、それを手放すことができるようになります。
それは「修正する」という言葉からくるイメージとは異なる体感です。認識することにより、「自然と変化が生じる」ということです。
マインド(脳と心)についても同様です。現状のブリーフシステム、自我、思い込みを把握せずに変化させようとすることは、新たな癖を生むことにつながります。
しかし、現状のブリーフシステムを認識した時点で変化が始まります。自分の思い込みに気づけた時点で、それを手放す視点が生まれているからです。
禅や呼吸法などの東洋的な方法論は、さまざまな身体的な「行」を通じて、自我の観察を行っているとも言えます。
では、コーチングの体系をつくったルー・タイスは、どのような方法でブリーフシステムを観察していたかというと、それが、ジャーナルをつけることであったと言えます。
ジャーナルは、日本ではまだあまり馴染みがありませんが、日記をつけること、ノートに日々の思考を書いていくこと、といったことです。
ルー・タイスがこれまでに遺した教育プログラムでは、必ずと言っていいほど、ジャーナルをつけることを受講生に薦める文言が記載されています。
しかし、プログラムの内容やコーチングの体系には含まれていないことから、その重要性は意外と見落とされてきたように思います。
私自身はコーチのトレーニングを受け始めた2年前から本格的にジャーナルをつけ始め、今も継続しています。
先日、これまでのノートの冊数を数えてみたところ、20冊を超えていました。それが多いかどうかは文字の大きさにもよるのでわかりませんし、多ければいいというものでもないと思いますが、私自身の体感としては、それを積み重ねた分だけ、自分を観察することができ、気づきや変化が生じたと思います。
いまの自分の常識や思い込み。それを観察し、認識することが、コーチングを含む、あらゆる心にかかわる体系の基盤になっていると思います。
その下地があってこそ、コーチングの知識や技術も十分に機能していくと思います。
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