【28】 環境のコンフォート・ゾーン

前回の記事では、コンフォート・ゾーンの内側にいるときと外側にいるときの反応について考えました。
今回は、環境のコンフォート・ゾーン(environmental comfort zone)について考えていきます。

私たちのコンフォート・ゾーンは、自己イメージによって決められていることを以前の記事で紹介しました。
創造的無意識は「自己イメージ」と現実が一致するように働きますが、両者が一致していると判断される範囲をコンフォート・ゾーンと呼ぶからです。

自己イメージには、あらゆる自分に関する信念が含まれています。
コーチングの重要な概念である、「自分はゴールを達成できる人間だ」という信念=エフィカシーや、「自分は価値ある人間だ」という信念=セルフ・エスティームも自己イメージの一部です。
このような自分自身に関するものに加え、「自分はどのような環境にいるのがふさわしい人間か」という信念も自己イメージの一部です。
この信念を特に、環境の自己イメージといいます。

環境の自己イメージとは、「どんな家が自分にふさわしいか」「どのような人と関わっているのが自分らしいか」「どのような服が自分らしいか」といった、どのような環境にいるのが自分らしいかという信念の集合です。
周囲の物理的なものに対する自己イメージといってもよいかもしれません。
環境の自己イメージは、どのような土地、家族のなかで過ごしてきたかという環境的要素の影響を受けて形成されたものです。

創造的無意識は、環境の自己イメージに合わせて、周囲の環境を調整しようとします。
もし周囲の環境が、環境の自己イメージとある程度一致していれば、私たちはストレスを感じずに快適に過ごすことができます。
この範囲を環境のコンフォート・ゾーンといいます。慣れ親しんだ環境の状態です。

多くの場合、現時点での自分の周りの環境は、環境のコンフォート・ゾーンに合わせて物理空間を調節した結果です。
そのため、自分の生活している環境を観察すれば、現状の環境の自己イメージが確認できます。

もし現在の環境を快適と思っていない場合でも、そこから離れるための行動を取っていなかったり、取ったとしてもなかなか離れられないとすれば、その環境に慣れてコンフォート・ゾーンとなっている可能性があります。

自分のゴールを達成していく上で、どのような環境で過ごすか、どのような人と関わるかといったことは非常に重要な要素です。

ヴィジュアリゼーションを用いて自分のゴールにふさわしい環境にマインドの中で慣れてしまうことで、自然とゴール達成に必要な場所へと足を運ぶことができるようになるでしょう。

ワーク
現在の自分の服や持ち物、車やランチの値段はいくらですか?
その値段に一つゼロを付け加えたら、どのようになるかをイメージしてください。
800円のランチだったら、8000円のランチを食べているところを想像するということです。
最初は違和感があるかもしれませんが、繰り返しイメージすることで、その映像に慣れ、コンフォート・ゾーンの一部になっていきます。

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