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【3】 何が見たいものを決めているのか?

田中大

私たちはあることに注目すると、つまりロック・オンすると、それ以外のことがスコトマとなって認識できなくなります。
そして、私たちが無意識にロック・オンしているのは、「自分にとって重要なこと」です。
つまり、私たちは自分にとって重要なこと以外はスコトマとなって認識できていません。

では、「自分にとって重要なこと」を決めているのは何でしょうか?
それは、情動記憶(emotional history)です。
情動記憶とは、過去の体験についての感情を伴った記憶のことです。
その感情がポジティブなものであっても、ネガティブなものであっても、感情を伴った記憶は情動記憶となります。
私たちは、この情動記憶に基づいて、自分自身や世界、ものごとに対するイメージを形成しています。
そして、強い情動記憶と結びついたものほど、重要度も高くなり、認識しやすくなります。

たとえば、子どもの頃に家で飼っていた犬と楽しく遊んだことが強く記憶に残っていている人は、雑踏のなかでも散歩している犬が目に飛び込んでくるでしょう。
そして、かつての楽しい気持ちが呼び起こされることでしょう。

一方で、子どもの頃に犬に手を噛まれて恐い思いをしたことが強く記憶に残っている人も、無意識に視界のなかから犬を見つけます。
その人にとって犬は危険な存在であり、その存在を察知することは自分の生存に関わってくるからです。

このように、情動記憶によってものごとの重要度が決まり、そして重要なものだけが認識されています。
ということは、意図的にマインドに働きかけない限り、私たちは過去の記憶に基づいて世界や自分自身を認識することになります。
言ってしまえば、過去の記憶の世界を生きているようなものです。
その状況を変え、自分が望む人生を自分でコントロールするために必要になってくるのが、ゴール設定です。


ワーク
外を歩いているときなどに、よく目がいくものや気になるものが何かを意識に上げます。
そして、なぜ自分はそれに目がいくのか、いつから気になるようになったのかを考えてみます。
それを繰り返すことで「記憶の世界」から外に出るきっかけが見つかってきます。
田中大
TICEコーチ、精神保健福祉士。脳と心の上手な使い方について。 https://tanakamasaru.com