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親の『毒』、子どもの『欲』

毒親という言葉を聞いていて、思う。

世の中の『親』という役割を持ったひとたちは、たいていの場合、誰もが『毒』をもっているのではないだろうか、と。

もちろん、わたしもそんなひとりで。

(きっと『欲』と言ったほうがマイルドなのは重々承知しているのだけれど、あえてこう表現してみようと思う)

毒の濃さや量、どの分野においてその毒性をいかんなく発揮するか、などがきっと親によってそれぞれ違う。

そして、毒の多い少ないや濃淡は置いておいたとして、きっと大事なのは、何かしらの毒を隠し持っていることに親自身が自覚的でいられているか、ということなのではないだろうか。


先日始まったばかりのドラマを見逃し配信で見ながら、なんだか、こう考えるほうがしっくりくる気がしてきた。

毒といっても、子どもを虐待しているとか、ネグレクトだとか、子どもを支配管理しているとか、そういう事件性のあるような方向性のことをここで言っているのではないので、どうか安心してほしい。

けれど、一歩間違えるとそちらに自分も進んでしまう可能性が今後絶対にないとは言い切れないかもしれない。というような危機感は忘れたくないと、わたしも肝に銘じている。


そのドラマは、中学受験に向けて塾に通う小学生の男の子とその母親が無料法律相談に来るところから始まった。子どもが受験のストレスから携帯ゲームにハマり、親の知らないところで課金を繰り返したという。その費用請求取消しの話題から始まり、塾に通う小学生たちそれぞれの背景が少し描かれ、さらには「中学受験は誰のものか」というような問いまで投げかけられた。

ドラマの中で、ダブルワークをしながら子育てに奮闘するシングルマザーが『毒親』では? という視線を投げかけられる場面があったり、『親ガチャ』という言葉が出てきたり。


そんななかで、ヒロインが口にしていた「たいていの親は、頑張って『親』をやっている。子どもも、頑張って『子ども』をやっている」というようなフレーズが印象的だった。

それは、本当にその通りかもしれないと思った。


少し話が逸れるが、わたしは物心ついた頃から、学級委員長みたいなクラスのまとめ役的な役割を担うことが多かった。元々そういうタイプだった気もするし、役割に自分が適合していった気もするし。今となってはどちらが最初だったかなんてもう分からない。

ただ、ひとつだけ覚えているのは、教師をしていた母が生徒指導で大変そうにしていた姿を見て心を痛めていた、ということだった。

自宅に帰ってきても、生徒の自宅に電話をかけたり、他の教師と連絡を取り合ったりと忙しない。とても深刻そうで、緊張した面持ちの母がいた。

子どもながらに、思った。

お母さんには笑っていてほしい。
幸せでいてほしい。
大変そうなものは全部わたしが何とかしてあげたい。


そんな『欲』が、いつの間にか「私が優等生でいたら、私が問題児でなければ、お母さんは幸せでいられる」と少し歪んだかたちで変換され、知らず知らずのうちに体に浸透していったのかもしれない。

そんなふうに最近思い至ったことがあった。

この数年、自分のことを「親に認められたくて "優等生でいなければ自分は認められない" と思い込んできたんだ」と振り返り、きっとそうだろうと信じてきたので、今回の気づきにはたいそうハッとさせられ、勇気をもらった。

とはいえ、「親に認められたい」という方向性の力も少なからず働いていたのだとは思う。

でもやっぱり、きっとわたしは「お母さんを笑顔にしたかった」のだ。その力が、その当時のわたしの一番の原動力だった。今はそう理解してあげたいな、と思っている。


なーんだ、そうだったんだ。
ちっちゃいなりに、めっちゃ心強いやんか、自分。


誇らしい気持ちにすらなる。


親に心配をかけたくないとか、親に楽をさせてあげたいとか、親に迷惑をかけたくないとか、できることなら親のことを自分が幸せにしたい・喜ばせたいとか、そういう想いは良くも悪くも子どものなかでとても大きなパワーを発揮する。

でも、それって子どもにとって当たり前のことすぎて、なかなか自分では自覚できないのかもしれない。まして、子どもがそんなふうに思い、頑張っていることは、残念ながら親にはもっと分からないことが多い。


子どもの成長の芽を、無意識のうちに親が摘んでしまわないように。

そのために、親自身が隠し持っている『毒』(『欲』)に気づいてテーブルに出すことが必要で、自分と向き合うことが有効な手段のひとつだとコーチングで学んだ。

自分と向き合うその過程で、幼少期の頃の『欲』についてもいま一度振り返ってみてほしい。

わたしは、親からの承認を欲しがっていただけではなかった。小さいなりに親に幸せを与えたいと願っていたことに気づいた。過去の自分を見る視点が突然広がった。

そして、そんな自分に対する新たな視点は、親となった今、子どもとフラットに対峙するための土台になってくれていると信じている。


※ライティングゼミで書いた文章でした。最後まで読んでくださり、ありがとうございます!!※


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